サブタイトルに「8月を終えて」と付けたこと、後悔しています。
既に9月も半分過ぎてしまった…………
将棋雑感 ~8月を終えて~
将棋雑感 ~8月を終えて~ その2
順位戦 B級1組
4勝0敗 山崎七段(6位) 佐藤天七段(12位)
3勝1敗 橋本八段(7位) 木村八段(8位)
2勝1敗 丸山九段(5位)
2勝2敗 豊島七段(3位) 村山七段(13位)
1勝2敗 屋敷九段(1位) 松尾七段(4位)
1勝3敗 畠山七段(9位) 藤井九段(10位)
0勝3敗 谷川九段(2位)
0勝4敗 飯塚七段(11位)
9月1日終了時点 括弧内は今年度のB級1組ランキング
4回戦は8月28日に一斉対局の予定だったが、王位戦の関係で豊島×木村戦は9月1日に行われた。
この対局者が、羽生王位、羽生王座への挑戦者同士で、注目していた。
脇システムからねじり合いとなったが、木村八段が盤面全体を制圧する受けで局面を支配し、自玉の入玉を確定させた後、持将棋に望みを託した豊島七段の玉を捕まえ勝利した。終局は238手、終局は午前2時16分だった。
木村八段の充実ぶりを示す一局だったが、対照的に豊島七段にはどこかひ弱さを感じてしまった。丸山九段との順位戦も大逆転負け、さらに王座戦挑戦者決定戦での同じく丸山九段との一局も、終盤ヨレヨレとなり、辛うじて丸山九段の頓死に救われた一局だった。
豊島七段の今年度の成績は、11勝8敗。豊島七段にしては勝率が低いのは、対戦相手がきつくなってきた為で、敗れた相手は広瀬八段、千田四段、深浦九段、田中悠四段、阿久津八段、丸山九段、木村八段、羽生名人。破った相手も、村山七段、森内竜王、深浦九段、三浦九段、行方八段、屋敷九段、中村太六段、丸山九段、菅井五段というそうそうたるメンバー。
実力十分で、調子も悪くなさそうだ。丸山九段には1勝4敗で、苦手意識があるのかもしれない。
飯塚七段は4連敗。順位も悪いので苦しい。しかし、将棋の内容は対豊島、木村、佐藤天戦は、激闘死闘と言ってもおつりが来るほどの熱戦。4戦目の山崎戦も、“一手ばったり”の悪手で好局を不意にしている。大局を見誤ったのは3連敗が影響したのかもしれない。一勝を挙げれば持ち直してくると見ているが、次は丸山九段と大変な相手。
飯塚七段より心配なのは、3連敗の谷川九段。≪この将棋を負けたら、勝つ将棋はないぞ≫という将棋を逆転負けしている。今期5連敗のあと3勝2敗と復調の気配を見せている。次の相手は屋敷九段。
昇級争いは、ほぼ順当に昇級候補が顔を並べている。しかし、実力伯仲で総当たりのこの組は、まだまだ逆転の余地がある。個人的には、山崎七段と豊島七段にA級に上がってほしい。
山崎七段について
上記のB級1組で4連勝と快調な山崎七段であるが、NHK杯戦は二回戦で敗れてしまった。山崎七段の時には“奇想天外”とも呼べる独特な感覚の将棋は魅力的で、2局で姿を消してしまったのは残念だ。2回戦も会心譜となるはずだったが、≪格調高く≫とか≪格好よく≫と余計なことを考える悪い癖が出てしまった。また、≪とりあえず安全に≫とか≪長引かそう≫という指し手を良しとしないのも山崎七段の魅力だが、それが成績の妨げになっているような気がする。持ち時間が長ければ、実利を優先すると思うが、短時間将棋だとポリシーに従ってしまうのだろう。特にテレビ将棋は、視聴者を意識しすぎるように思われる。
里見女流二冠、休場延長
2014年3月1日~2014年8月31日まで休場中の里見香奈女流王座・女流名人(さとみ かな、22歳、奨励会三段)より体調不良を理由に、さらに4ヶ月間の休場届が役員会に出され、役員会はこれを受理いたしました。(休場期間は2014年9月1日~2014年12月31日)【将棋連盟ホームペジより】
非常に残念な知らせで、非常に心配です。
延長期間が半年ではなく四か月であることに、「快方に向かっているが9月には間に合わなかった」という希望的観測をしたい。
既に9月も半分過ぎてしまった…………
将棋雑感 ~8月を終えて~
将棋雑感 ~8月を終えて~ その2
順位戦 B級1組
4勝0敗 山崎七段(6位) 佐藤天七段(12位)
3勝1敗 橋本八段(7位) 木村八段(8位)
2勝1敗 丸山九段(5位)
2勝2敗 豊島七段(3位) 村山七段(13位)
1勝2敗 屋敷九段(1位) 松尾七段(4位)
1勝3敗 畠山七段(9位) 藤井九段(10位)
0勝3敗 谷川九段(2位)
0勝4敗 飯塚七段(11位)
9月1日終了時点 括弧内は今年度のB級1組ランキング
4回戦は8月28日に一斉対局の予定だったが、王位戦の関係で豊島×木村戦は9月1日に行われた。
この対局者が、羽生王位、羽生王座への挑戦者同士で、注目していた。
脇システムからねじり合いとなったが、木村八段が盤面全体を制圧する受けで局面を支配し、自玉の入玉を確定させた後、持将棋に望みを託した豊島七段の玉を捕まえ勝利した。終局は238手、終局は午前2時16分だった。
木村八段の充実ぶりを示す一局だったが、対照的に豊島七段にはどこかひ弱さを感じてしまった。丸山九段との順位戦も大逆転負け、さらに王座戦挑戦者決定戦での同じく丸山九段との一局も、終盤ヨレヨレとなり、辛うじて丸山九段の頓死に救われた一局だった。
豊島七段の今年度の成績は、11勝8敗。豊島七段にしては勝率が低いのは、対戦相手がきつくなってきた為で、敗れた相手は広瀬八段、千田四段、深浦九段、田中悠四段、阿久津八段、丸山九段、木村八段、羽生名人。破った相手も、村山七段、森内竜王、深浦九段、三浦九段、行方八段、屋敷九段、中村太六段、丸山九段、菅井五段というそうそうたるメンバー。
実力十分で、調子も悪くなさそうだ。丸山九段には1勝4敗で、苦手意識があるのかもしれない。
飯塚七段は4連敗。順位も悪いので苦しい。しかし、将棋の内容は対豊島、木村、佐藤天戦は、激闘死闘と言ってもおつりが来るほどの熱戦。4戦目の山崎戦も、“一手ばったり”の悪手で好局を不意にしている。大局を見誤ったのは3連敗が影響したのかもしれない。一勝を挙げれば持ち直してくると見ているが、次は丸山九段と大変な相手。
飯塚七段より心配なのは、3連敗の谷川九段。≪この将棋を負けたら、勝つ将棋はないぞ≫という将棋を逆転負けしている。今期5連敗のあと3勝2敗と復調の気配を見せている。次の相手は屋敷九段。
昇級争いは、ほぼ順当に昇級候補が顔を並べている。しかし、実力伯仲で総当たりのこの組は、まだまだ逆転の余地がある。個人的には、山崎七段と豊島七段にA級に上がってほしい。
山崎七段について
上記のB級1組で4連勝と快調な山崎七段であるが、NHK杯戦は二回戦で敗れてしまった。山崎七段の時には“奇想天外”とも呼べる独特な感覚の将棋は魅力的で、2局で姿を消してしまったのは残念だ。2回戦も会心譜となるはずだったが、≪格調高く≫とか≪格好よく≫と余計なことを考える悪い癖が出てしまった。また、≪とりあえず安全に≫とか≪長引かそう≫という指し手を良しとしないのも山崎七段の魅力だが、それが成績の妨げになっているような気がする。持ち時間が長ければ、実利を優先すると思うが、短時間将棋だとポリシーに従ってしまうのだろう。特にテレビ将棋は、視聴者を意識しすぎるように思われる。
里見女流二冠、休場延長
2014年3月1日~2014年8月31日まで休場中の里見香奈女流王座・女流名人(さとみ かな、22歳、奨励会三段)より体調不良を理由に、さらに4ヶ月間の休場届が役員会に出され、役員会はこれを受理いたしました。(休場期間は2014年9月1日~2014年12月31日)【将棋連盟ホームペジより】
非常に残念な知らせで、非常に心配です。
延長期間が半年ではなく四か月であることに、「快方に向かっているが9月には間に合わなかった」という希望的観測をしたい。
豊島七段が順位戦で苦戦しているのは知っていましたが、調子が悪いのかと思っていました?しかし王座戦のタイトルに挑戦しているのだから、不調ということでもないでしょう。
谷川会長(九段)が3連敗。このまま負けが続くのでしょうか?やはり会長を兼務するのは大変か?
里見さんは女流と奨励会を兼業した先駆者。先駆者には先駆者にしか分からない葛藤や苦難がある。羽生さんも同様に永世7冠を目指す先駆者。里見さんは今回はしっかり健康を回復することが大事でしょう。将棋界への復帰は来年度(4月以降)になるかもしれません。
塾講師にとって書き入れ時の夏休みは終わりましたが、主な担当が高3なので相変わらず超多忙な毎日です
羽生先生の最近の2局のタイトル戦は壮絶でしたね
どちらも超名局だったと思いますし、王座戦第1局は、研究を大きく進化させる将棋になるかも知れません
王位戦は、中継ブログでも「鬼手」と評され、奇跡の収束とも言われている▲2五桂に早くから気づいていた木村八段と、気づかず△4一桂でなく△2一桂を選んでしまった羽生4冠の差が出てしまった一局でした
英さんには悔しい1局だったかも知れませんが、でも、この1局を十分に満喫した後で思いました
例の王位戦の深浦九段がタイトル初奪還した将棋も同じですが、こういう奇跡的な手順が存在していない限り、こういうきわどい終盤は、大抵羽生先生が勝ってしまうのだな…と
今期の王位戦は、木村八段が勝った将棋は難解な終盤の中、際どく木村八段が制したということで印象に残りますが、その他の将棋は難しいところがあってもいつの間にか羽生先生が勝っています
是非とも第8局が見たいとは思いますが、奇跡的な手順はそうそう転がっていないのだろうな…と思います
この2人の対局と言えば竜王戦の挑戦者決定戦での激レアな羽生先生の頓死も思い出され、勝負事に何があるかはわかりませんが…
糸谷六段のように波長が合わずにやられてしまうということはなさそうなので(昔は三浦九段に対してそんな感じがありました)、がっぷり四つの大相撲となるでしょうし、そうなると、これから2番続けて木村八段が勝つのは大変なように思えます
ともかく、今後のタイトル戦が楽しみです
糸谷六段には申し訳ありませんが、私も竜王戦では…笑汗
豊島さんに関しては、本文では「相手がきついこともあり、勝率が彼にしては低い」と述べましたが、もう少し勝ってもいいと思っています。(若干、不調ではないかと)
丸山九段をねじ伏せるくらいになってほしいです。
谷川さんの会長兼務は気の毒です。
里見さんは、マイナビ女子オープンの対局姿はやつれていたように思えました。心配です。
>塾講師にとって書き入れ時の夏休みは終わりましたが、主な担当が高3なので相変わらず超多忙な毎日です
受験生にとって、夏休みは「天下分け目の決戦」、二学期は「天王山」、正月過ぎは「ラストスパート」と、結局息つく間はないのですね。(先生も)
>羽生先生の最近の2局のタイトル戦は壮絶でしたね
どちらも超名局だったと思いますし、王座戦第1局は、研究を大きく進化させる将棋になるかも知れません
う~ん、ぴょん太さんには申し訳ないですが、王座戦第1局に関しては、私の評価はそれほどではありません。
王座戦第1局は、確かに興味深い戦型で、この結論によっては矢倉の戦型選択の幅が変わってしまうかもしれません。
ただ、豊島七段の△6六歩がぽっきり折れてしまった手で、この手で△3二金や△7一歩を指して、難解極まりない終盤戦を観たかったです。
>王位戦は、中継ブログでも「鬼手」と評され、奇跡の収束とも言われている▲2五桂に早くから気づいていた木村八段と、気づかず△4一桂でなく△2一桂を選んでしまった羽生4冠の差が出てしまった一局でした
羽生名人が読み負けたという事実は非常に悔しいです。しかし、「妙手▲2五桂がなければ勝ち」だったのですが、いかにも寄りそうで別の変化(上部脱出)を選ぶのではないでしょうか?上部脱出も出来そうですが、後手の龍と馬の位置が悪かったり、▲2七桂が利いたりと、運がないように思いました。
しかし、それ故、▲2五桂を含む右上隅の攻防が必然となったことが、将棋の価値を高めました。
妙手▲2五桂と幻の妙手△4一桂が存在したこの将棋は確かに奇跡かもしれません。やはり、名局なのでしょう。そう言えば、あの深浦戦も最後の最後に羽生王位が妙手を逃して負けていますね。
>がっぷり四つの大相撲となるでしょうし、そうなると、これから2番続けて木村八段が勝つのは大変なように思えます
私もそう思いますが、心配です。
30分ほどかけてじっくり王座戦第2局を鑑賞しました。
羽生4冠らしい完勝譜で、結構感動しました。
その感動を誰かに伝えたい…ということで…
いつもお世話になります(笑爆汗)
これは羽生先生の完勝譜だったと思います
おそらく豊島七段の▲3二桂成で▲1二桂成としていれば、もっと白熱の終盤だったと思うのですが、そこで豊島七段が誤ったので、羽生先生のワンマンショーのようになってし待ったのだと思います。
一番感動した手は、地味ですが78手目の△3三銀です。
この手が指された瞬間の盤面を見て、突然雰囲気が変わって後手が良く見え始めました。
豊島七段が長考した結果指した手が▲4五歩ですからね。悔しい一手だったと思います。
そして直後の△6七金。
これは素人の私でもうぉっ!と思いました。5八にすごい傷ができるので。この手は検討陣が全く気付いていなかったようで、プロ的にも絶妙手だったのだと思います。
やや有利と思われている局面で検討陣が気づかない妙着が出た時って、大体羽生先生の傑作譜ができますよね。
満喫しました。
缶チューハイ片手にもう一度最初からじっくり見直して、それから寝ることにします。
今日はゴキゲンなので、もう1本、缶チューハイか缶ビール(あ、いや、第3のビールですけど汗)飲もうかとも思ってます。
ではまた。
>これは羽生先生の完勝譜だったと思います
>おそらく豊島七段の▲3二桂成で▲1二桂成としていれば、もっと白熱の終盤だったと思うのですが、そこで豊島七段が誤ったので、羽生先生のワンマンショーのようになってし待ったのだと思います。
ええ、完勝だったと思います。
ただ、1二香の形で戦いになってしまったのは、羽生名人に何か誤算、あるいは「うっかり」があったように思います。実戦のような戦いになれば、あの形はわずかですが、しかし、確実に損のはずですから。
しかし、≪まあ、それはそれで、いいんじゃないか?検証にもなるし≫ぐらいの気持ちで、却って伸び伸び指していたように感じました。
△3三銀や△6七金も伸び伸び感を感じます。
この将棋も素晴らしかったのですが、王位戦第5局の、▲9六同香から▲8七金は後手の木村八段の狙いの△6三角を指させて、その上を行く構想を見せました。これも会心譜だったと思います。