英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

新型コロナウイルスに関する疑問 その50「三浦瑠麗氏⑥ 独善の論理と巧みな論法」

2020-07-18 17:59:29 | 時事
(「その2」~「その14」までの記事はありません。今までにいろいろ書いてきましたし、書かずにきたものを含めると、このくらいにはなるだろうということで記事タイトルに付けています)

『とくダネ!』における“Go To キャンペーン”の話題について三浦瑠麗氏の発言(7月14日に続いて16日に出演)
「実はですね、その都道府県に存在する企業の情報を把握している知事とそうではない知事がいるんですね。
 今、経済産業省が、なぜ、こんなに“Go To キャンペーン”に必死なのかと言うと、9月ごろから倒産が始まるからなんでしょ。だいたい7か月ぐらい(しか)内部留保がないので、3か月間マックスいろんなもので政府は支えてくれたけれど、もう都は出せないんですよ。都はもうすっからかんに近いわけですから。
 そうすると、倒産が始まるのが秋だとすると、第2波の前に始まっちゃうわけで、それまでに気を付けながら少し消費のやり方を考えないといけないというのが国の省庁の考えですね、政府と言うよりも。
 それに対して知事はですね、何となくフワッと直接選ばれているのは民意として(←民意を優先するという意味だろう)《感染者、うちは増やしたくない》とか《感染者数で都道府県の上位に来たくない》という気持ちを代表されている(←気持ちで動いている)知事が多いと思いますね


知事を馬鹿にし過ぎだろう。○○県や△△県のように、そういう知事がいないとは言わないが。

伊藤アナ
「結果しかし、それ、皆さんの解説にのればですよ、《各県はこういう形(地域限定とか東京からの来訪は遠慮してほしい)で発信することで観光客を抑制すると、各県の経済を傷つける》と、こういうことですか?」
三浦氏
「もう無理でしょうね。つまり、これだけ民意が感染を恐れて冷え込んでしまって、これだけ感染者数が増えたことを分かってしまったので……ちょっとですね、やり方・方策を私も考えつかないレベルになっていて、せめて、大恐慌になるんだけれども、救える人から救おうという感じですね」


【三浦氏の提言】
・重症化リスクの高い人のみ行動制限を要請。高齢者施設などハイリスク集団を防護
・その他の人に経済を回してもらう
   ↑
世代を問わず7割近くの人が賛成で、反対は1割強
(いったい、どこの調査なんだろう?)


 三浦氏のこれまでの経済優先の発言を聞いていたので、“もう無理”と言う状態にしたのは、三浦氏をはじめとする経済優先の考えを実践した結果なのに、《あなたが、それを言うのか!》と思ったのだが、その後に続く、氏の言葉や提言で、ある程度氏の考えが理解できた(同意したわけではない)
 つまり、氏の考え方は
・重症化するのは高齢者や糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)の基礎疾患がある人で、普通の若い世代は感染しても重症化する危険性は低いので、新型コロナの感染が拡大しても、すべての人に自粛を求めて経済をストップさせてしまうのは賢くない。
・経済を止めてしまうことで、それによる困窮、さらに自殺に至る人は、感染して亡くなる人よりも遥かに多くなる(10倍とも)
・なのに、新型コロナの感染力や重症化を必要以上に知らしめてしまって、経済を動かすのは難しい状況に陥ってしまった



 氏やブラジル大統領が主張する《新型コロナウイルス感染症はインフルエンザのようなものだ》という説が正しいのなら、確かに賛同に値する理屈だ。
 実際どうなのだろう?
・致死率は全世界の新型コロナウイルスによる死亡者数596,518人を14,055,299人感染者数で割ると4.2%。日本は985人÷24,254人で4%。アメリカは139,266÷3,647,715で3.8%。欧州ではイギリス、フランスが15%、イタリア14%、スペイン11%、ドイツ4.5%と高い傾向。
 ちなみに平成21年に流行した新型インフルエンザは国内で約 2 千万人が罹患したと推計されたが、入院患者数は約 1.8 万人、死亡者は 203 人であり、死亡率は 0.16(人口 10 万対←罹患しなかった人も含む)と、諸外国と比較して低い水準にとどまった。入院した患者の死亡率は1.1%。(データのとり方による違いも考えられる)
 新型コロナウイルスの致死率はやはり高いように考えられる。重篤化した場合の多臓器不全など、非常に恐ろしく感じる。
三浦氏の理屈によると、高齢者や基礎疾患者は“家でじっとしていろ”
(まあ、確かに家にいた方が危険性は低くなる)ということになるが、買い物や病院にも行かなければならないし、働く必要のある人もいるだろう。
・若い世代は重症化のリスクは少ないとかもしれないが、人に感染させる可能性はある。活動範囲が広いので、市中感染を引き起こす危険性もある。


三浦氏 
「日本の全体的な圧力(感染を予防しよう)だけでコロナを乗り切ろうとすると、経済死(自殺)が感染死をはるかに上回る。今、現時点の予想だけでも、今出ている感染死(感染者と聞こえたが)の10倍は今年の自殺者が増えるんですよね」


 経済を優先させて、感染爆発を引き起こした場合、どれだけの人が新型コロナで亡くなって、さらに、感染爆発により経済が崩壊した場合、どれだけの方が自殺するのだろうか?
 三浦氏はそこまで考えているのだろうか?



小倉氏がずっとため込んできた不満を言う。
「そもそも、こうなったのは、2月に入ってからの海外からの渡航者を規制していれば、ここまでには絶対ならなかったんだ」

田崎氏、二木氏は
「ヨーロッパからの流入に気づくのが遅かった。ダイアモンドプリンセスの対応に追われてしまったのが大きかった」
欧州からの流入に限定したが、そもそも、中国人観光客を止めなかったのが一番の原因だと思う。

これに対して、三浦氏が7月14日に医療体制のひっ迫度合いを理解していなかったのを挽回すべく発言。
「医療体制に関して、医療従事者、病院関係者に協力を要請するうえで強権を発動できてないことだと思うんですよ。
 なぜ、医療体制がひっ迫しているかと言うと、医療資源に投じてこなかった。いままで、医療をカツカツの状況にしてきた過去の歴史と、あと、日本は公立病院に集中させていて、だから、看護師さんがワークライフバランスの悪い状況になっているわけですよね。
 誰が医療体制の拡充を邪魔しているかというと……それは何なんだということなんです」

「(それは)何なんですか?」古市氏

「一つは、日本の私権が強い。だから、日本の私立病院は政府に従う義務は全くないわけです。だから、お願いをするしかできない。そうすると、日本はそこまで感染が爆発していないだけに、もう、戦争だって認識は取られていなくて、一部の“これ(コロナ)を受け入れます”って言った公立病院だけが戦場状態になっているわけです。
 医療従事者みんなに感謝ていうことではなくて、コロナを診ている方に感謝っていうことで、その間の資源をみんなで共有しようじゃないか。そして国民も今までの医療体制・医療政策の考え方を改めて、これからはもっと医療に資源をつぎ込もうじゃないかという合わせ技でやらないと…誰が邪魔しているのか、さっぱり分かんないじゃないですか?」


 結局、医療体制の拡充を邪魔しているのは誰なんだろう?
 部分部分は正しいことを言っているのかもしれないが、全体としては間違っているように思えることが多い。上記の“コロナを診ている方に感謝っていうことで、その間の資源をみんなで共有しようじゃないか。そして国民も今までの医療体制・医療政策の考え方を改めて、これからはもっと医療に資源をつぎ込もうじゃないかという合わせ技”という部分は、何だか素晴らしいことを言っていると思わせるが、全体としては、何を言っているのか分からない。

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2 コメント

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ずる賢さ ()
2020-07-25 20:06:31
安倍晴明さん、こんばんは。

 なるほど、番組に配慮してぼやかしたのですね。と言うより、保身でぼやかしたのですね。
 まあ、それより、本文の繰り返しになりますが、とにかく、自分の主張を通す為に、部分的に正しいようなことを、整合性なしにつなぎ合わせて、相手を混乱させ、笑みを交えながら、自分の主張は声高で述べる…
 自分の主張と反する事実には耳を傾けない……

 気分が悪くなります(観なければいいのですが、そういう、三浦氏がおかしな主張を言ってくれるので、その矛盾を考えることで、私の考えがまとまるという利点もあります。でも、気分は悪いです。
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医療体制拡充を邪魔しているのは (安倍晴明)
2020-07-25 18:25:38
英さん、こんにちは。
医療体制拡充を邪魔しているのは政権そのものしかないのに、それを言わない三浦氏は非論理的で酷いですね。政権によるアンダーコントロールの番組制作者から、政権批判はしないようにきっと言われているのでしょうが、残念です。私立病院でも、診療報酬制度の改正によりコロナ対策をさせることもできるのに、させていないのは政権の責任でしょう。
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