独善手……将棋用語。ちなみに、「独善」は《自分だけが正しいと信じ込んで行動する態度。ひとりよがり》。
つまり、思い込み(錯覚)や勘違いや読み抜けがある疑問手(よくない手)。
この「独善手」で肝心な点は、《入念に読んだにもかかわらず、読み抜けなどがある》ということ。形勢を良くしたいという思いが強くて、どこかで都合の良い思考が入ってしまうのが原因。いわゆる、“独りよがり”の手である。
………今回のIQ150の天才少年・山田の行動に、“独善手”と云う言葉が浮かんだ。
今話は、“IQ150の天才”や“右京のチェス好敵手”ということで期待が膨らんだが、がっかりである。
巧妙な計画や罠があるわけではなく、単に、爆弾事件を起こした動機を右京たちが聞き取り調査で明かしていくだけ。
施設の兄貴分の警察官・金森が酷い虐め(パワハラ)に遭い、さらに、署長(市長の息子)に「だから施設育ちの(親のいない)奴はダメなんだ」(←意訳)という言葉に心が折れ、自殺……確かに酷い話である。
《親がいない(親に捨てられた)》《そのことで心や体を傷つけられる》ということは“不運”という言葉では片づけられない辛くて悲しい日々であっただろう。第三者が安易に「自殺してはいけない」とは言えない。(それでも、「自殺の他に手段はなかったのだろうか」と私は考える)
問題なのは、“IQ150の天才”が連続爆破という卑劣な手段を取ったこと。
右京の明晰な頭脳を見込んで右京を巻き込み、城北中央署で行われたパワハラとその隠蔽を暴いてもらう。それと併せてパワハラの行使者への傷害、パワハラの実行現場の寮の爆破などの復讐も実行。
しかし、これならIQ150でなくても実行できそう。爆弾製造・設置もそれほど精密な計画や実行とも思えない。
そもそも、IQ150ならもっとベターな行為ができたはず。右京と面識があるなら、事の経緯を語り、悪行を暴くとか……愚かとしか思えない。
協力者で爆弾テロの実行犯の本城も会社の先輩には恵まれなかったし、IQ150山田もクラスメイトや担任に恵まれなかったという不運はあるが、親に捨てられたことを考慮しても、もう少し、まともな行動がとれなかったのだろうか?
おそらく、彼が語った以外に多くの辛い出来事はあったと思うが、周りのものすべてが心無い者ばかりではないと思いたい。
名付け親の市長がつけた自分の名前が「希望(のぞみ)」、市長の息子の名が「正義(まさよし)」という皮肉めいたモノを感じたというが、全く共感できなかった。市長はあれこれ悩み、実際に彼の顔を見て名前を決めたのなら誇っていいはず。(馬鹿息子が「正義」というのは皮肉ではあるが)
とにかく、その名前の事で市長を恨み、市長邸を爆破するなんて、逆恨みも良いところだ。“天才”と言うより“馬鹿”としか思えない。
このストーリーで前後篇というのは酷い……
前篇で事件の分析をしたが、あほらしい……
脚本は瀧本智行氏。久々に“要注意脚本家候補”認定。
【ストーリー】(番組サイトより)
連続爆破事件の犯人がまさかの自首
右京さえ翻弄する少年の目的とは!?
右京(水谷豊)とチェスで互角に勝負できるIQ150の天才少年・山田(中川 翼)が、連続爆破事件の犯人“INVISIBLE(=透明人間)”を名乗って所轄署に出頭してきた。抵抗する素振りを見せず、そのまま逮捕された山田だったが、右京以外とは一切話すつもりはないと主張し、取り調べ官に指名。
しかし、右京の追及に対しても挑発的な態度で応じるだけで、本当の目的を明かそうとしなかった。いっぽう、薫(寺脇康文)は、第二の爆弾テロの被害者が、所轄署の元刑事だと判明したことを受け、何か隠している様子の副署長を追及するが、かわされてしまう。
同じ頃、第一の爆弾テロの標的となった市長の山田征志郎(升 毅)は、一連の事態を受け、危機感を募らせていた。そんな中、山田と共謀していると思われる本城(吉田日向)が、再び不穏な動きを見せる。
警察を翻弄する爆弾魔の目的は?
背景には右京と天才少年の因縁が…
終わらないテロが驚愕の事態を招く!
ゲスト:中川 翼 吉田日向 升 毅
脚本:瀧本智行
監督:守下敏行
第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
元日SP 第10話「サイレント・タトゥ」
第11話「その頬に触れるな」
第12話「惡の種」
第13話「恋文」
第14話「亀裂」
第15話「マッターホルンの殺人」
第16話「子ほめ」
第17話「インビジブル」
つまり、思い込み(錯覚)や勘違いや読み抜けがある疑問手(よくない手)。
この「独善手」で肝心な点は、《入念に読んだにもかかわらず、読み抜けなどがある》ということ。形勢を良くしたいという思いが強くて、どこかで都合の良い思考が入ってしまうのが原因。いわゆる、“独りよがり”の手である。
………今回のIQ150の天才少年・山田の行動に、“独善手”と云う言葉が浮かんだ。
今話は、“IQ150の天才”や“右京のチェス好敵手”ということで期待が膨らんだが、がっかりである。
巧妙な計画や罠があるわけではなく、単に、爆弾事件を起こした動機を右京たちが聞き取り調査で明かしていくだけ。
施設の兄貴分の警察官・金森が酷い虐め(パワハラ)に遭い、さらに、署長(市長の息子)に「だから施設育ちの(親のいない)奴はダメなんだ」(←意訳)という言葉に心が折れ、自殺……確かに酷い話である。
《親がいない(親に捨てられた)》《そのことで心や体を傷つけられる》ということは“不運”という言葉では片づけられない辛くて悲しい日々であっただろう。第三者が安易に「自殺してはいけない」とは言えない。(それでも、「自殺の他に手段はなかったのだろうか」と私は考える)
問題なのは、“IQ150の天才”が連続爆破という卑劣な手段を取ったこと。
右京の明晰な頭脳を見込んで右京を巻き込み、城北中央署で行われたパワハラとその隠蔽を暴いてもらう。それと併せてパワハラの行使者への傷害、パワハラの実行現場の寮の爆破などの復讐も実行。
しかし、これならIQ150でなくても実行できそう。爆弾製造・設置もそれほど精密な計画や実行とも思えない。
そもそも、IQ150ならもっとベターな行為ができたはず。右京と面識があるなら、事の経緯を語り、悪行を暴くとか……愚かとしか思えない。
協力者で爆弾テロの実行犯の本城も会社の先輩には恵まれなかったし、IQ150山田もクラスメイトや担任に恵まれなかったという不運はあるが、親に捨てられたことを考慮しても、もう少し、まともな行動がとれなかったのだろうか?
おそらく、彼が語った以外に多くの辛い出来事はあったと思うが、周りのものすべてが心無い者ばかりではないと思いたい。
名付け親の市長がつけた自分の名前が「希望(のぞみ)」、市長の息子の名が「正義(まさよし)」という皮肉めいたモノを感じたというが、全く共感できなかった。市長はあれこれ悩み、実際に彼の顔を見て名前を決めたのなら誇っていいはず。(馬鹿息子が「正義」というのは皮肉ではあるが)
とにかく、その名前の事で市長を恨み、市長邸を爆破するなんて、逆恨みも良いところだ。“天才”と言うより“馬鹿”としか思えない。
このストーリーで前後篇というのは酷い……
前篇で事件の分析をしたが、あほらしい……
脚本は瀧本智行氏。久々に“要注意脚本家候補”認定。
【ストーリー】(番組サイトより)
連続爆破事件の犯人がまさかの自首
右京さえ翻弄する少年の目的とは!?
右京(水谷豊)とチェスで互角に勝負できるIQ150の天才少年・山田(中川 翼)が、連続爆破事件の犯人“INVISIBLE(=透明人間)”を名乗って所轄署に出頭してきた。抵抗する素振りを見せず、そのまま逮捕された山田だったが、右京以外とは一切話すつもりはないと主張し、取り調べ官に指名。
しかし、右京の追及に対しても挑発的な態度で応じるだけで、本当の目的を明かそうとしなかった。いっぽう、薫(寺脇康文)は、第二の爆弾テロの被害者が、所轄署の元刑事だと判明したことを受け、何か隠している様子の副署長を追及するが、かわされてしまう。
同じ頃、第一の爆弾テロの標的となった市長の山田征志郎(升 毅)は、一連の事態を受け、危機感を募らせていた。そんな中、山田と共謀していると思われる本城(吉田日向)が、再び不穏な動きを見せる。
警察を翻弄する爆弾魔の目的は?
背景には右京と天才少年の因縁が…
終わらないテロが驚愕の事態を招く!
ゲスト:中川 翼 吉田日向 升 毅
脚本:瀧本智行
監督:守下敏行
第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
元日SP 第10話「サイレント・タトゥ」
第11話「その頬に触れるな」
第12話「惡の種」
第13話「恋文」
第14話「亀裂」
第15話「マッターホルンの殺人」
第16話「子ほめ」
第17話「インビジブル」
正直申し上げて、IQ150という設定はいらなかったですよね。
キャスティングでいえば、升毅さんは完全な無駄遣いだったような気がします。
瀧本氏は要注意脚本家になってしまいましたか。今回の前後編の出来ではそれもやむ無しかと思います。
『人生ゲーム』や『笑う死体』のようなクリーンヒットも時々あるのですが。
>正直申し上げて、IQ150という設定はいらなかったですよね。
そうですよね。単にチェスが強い愚か者でした。
>『人生ゲーム』や『笑う死体』のようなクリーンヒットも時々あるのですが。
確かに。ただし、この方の脚本は出来不出来の差が大きく、出来の良くない比率が高いように思います。
最近では、「センチメンタル・ジャーニー」「青春の光と影」が瀧本氏の脚本ですが、あまり良くなかったです。
ただし、『人生ゲーム』や『笑う死体』もあるので、“要注意作家候補”とします。