英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『将棋世界』5月号①(先月号です)

2009-05-22 00:46:03 | 将棋
 「今更」と言う気がしますが。

★熱局探訪(野月七段)
 4月号の記事でも書いたが(『将棋世界4月号』①)同じような感想を持った。
 上記の記事のコメント欄でyutanpo23さんも、次のように指摘しています。

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「いずれの変化も森内九段が勝ちだったようだ」
「最後はトン死気味」
「正直、見ていて▲9三桂成には心底驚いた」

「いずれの変化」について全く触れられていませんし、トン死気味と言われても困ります。▲9三桂成の部分も抽象的すぎます。驚いたのは分かるのですが、驚いた理由について触れられていないです。
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 さらに、勝手新四朗さんも
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谷川九段の▲93桂成の周辺はもっと解説して欲しかったですよね~。NHKのBSでの渡辺・山崎解説でも時間の都合(なにせ、放送開始時点で終局していたので解説が後回し)で解説は無かったですし・・・。
前回のNHKの解説でも後手の井上8段の押さえ込みが成功していたかどうか、疑問が残りましたし・・・。
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 と、述べています。

 論理的に構成された▲9三桂成に対して「得体の知れない凄み」は、ずれていると思いますし、やはり、なぜすごいのかを説明する義務があると思います。


 特に、この号は、順位戦の最終局である。5局あるので、すべて詳細に解説するのは無理だが、取り上げる局面も、一局の最重要点とずれているものもあるし、解説も浅いように感じる。
 一局ごとに解説している(時間軸に沿っていない)ので、臨場感に乏しく、文章からも、鬼気迫るものや、悲壮感、絶望、あきらめ、といったものが感じられない。
 例えば、勝ち味のない将棋を、延々指し続ける深浦王位の指し手には、執念と絶望感がにじみ出ていたが、氏の文章には感じられない。


★炸裂したオジさんパワー(野月七段)
 A級の熱局探訪と、同様な感想。
 例えば、屋敷九段が前々ダメな局面から、勝負手を放ち、苦しいながらも入玉模様に持ち込む。確かに、屋敷九段の勝負手は特筆すべきだと思うが、指し手の具体的な解説は、この部分だけ。主役は対戦相手の昇級を目指す杉本七段のはず。しかし、この後は状況の説明だけ。

 氏の文章を引用すると、
「この後、▲6六歩から上部脱出を図り、▲9四桂と▲5九香で、挟み撃ちを見せながら、入玉までたどり着いた。点数勝負でも杉本七段に分があったが、それを良しとせず、秒読みの中、屋敷玉を必死に追い詰める。
 最後は2一に打った銀の効果で屋敷玉を追い返し、杉本七段が勝利を収めた。
 実はこの将棋が全局の中で最後の終局だった。」

 私は、この勝勢になってから、なかなか勝ち切れない。早く勝ちたいに決まっているが、点数で勝つか、きっちり将棋で勝つか、迷ったかもしれない。あるいは、点数で勝つという冷静な思考ができなかっただけかもしれない。
 そんな中、他の将棋の決着がついていく。高橋九段は勝ったのだろうか?よけいなことは考えるな。など、葛藤があったはず。指し手にも現われているかもしれない。そういったものが、氏の文章からは感じられない。

 『『ものぐさ将棋観戦ブログ』のshogitygooさんなら、どんな文章を書くのだろうか?
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