先日、と言っても、18日の海の日ですが、将棋を知らない母さんの息子さんのK君と将棋を指しました。
持ち時間30分の切れ負けで2局。「切れ負け」というのは持ち時間を使い切ったらどんなに優勢でも負けになる方式。どんなに優勢でも時間が切れたら負けになるので、終盤に時間を残すことがかなり重要で、たとえ飛車角を得して自玉は安泰という将棋としては決着している状態でも、相手玉を詰ますか、相手が投了するかしないと勝ちにはなりません。だから、敗勢の相手に必死で粘られ、時間が切れて負けてしまうことも多々あります。
なので、「切れ負け制」は将棋の本質を歪めてしまうので、本当は「秒読み付制」にすべきですが、大会運営上、秒読み係を書く対局につけるのは無理です。ちなみに、持ち時間は対局時計(2つのストップウォッチを連結させたような仕組み)で行うので、対局者のみで対局できます(時計係はいらない)。
最近の対局時計はデジタル式で秒読み機能もあるので、秒読み制も可能になってきています。でも、秒読みが始まると、「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピィー」というデジタル音が会場のあちこちでなるので、結構うるさくて、対局者もその音に常に急かされる状態になると思います。
1局目の将棋を振り返ります。(5日ほど経過してから棋譜を起こしたので、序盤の手順はは怪しいので省略)
私(後手)の四間飛車に対して、先手のK君は右四間飛車を採用。攻撃態勢を整えた後、▲7七角と玉を固めようとしたので、それは許さじと△6五銀(第0図)と銀交換に出て、先手角頭を巡る戦いになりました。
図以下、▲6五同銀△同歩▲8八玉△8五銀▲7五歩(途中図1)。
先手も何とか美濃に囲い、歩損も回避しましたが、角頭が不安です。振り返ると、0図一手前の▲8八玉が不用意だったかもしれません。
途中図1以下、△7六銀▲5五角△6三金▲7四歩(途中図2)と進みました。
ここで△5四歩と突きたかったのですが、▲6四角△同金▲5三銀が気になりました(途中図2で▲7三歩成は△同銀でよい)。でも、こういう先に角を捨てる手は、両取りを食らっても痛くありません。放置して別の有効な手を指して、飛車を取られたとしても飛車角交換なので、「有効な1手」得です。具体的には、▲5三銀以下△4五歩▲7七桂△5五角打ぐらいで良いでしょう。
本局の場合、先手角が既に危うい状態なので少し勿体ない気がしました。それで、両取りを掛けられた手に対して素直に逃げる手はないかなど考えていたら、長考になってしまいました。
切れ負け将棋においては、長考は悪手なのですが、こういう局面で考えないと将棋を指した気になりません。それに、こういった考慮が次の対局に生きると考えます。
結局、△7四同歩としました。この手は単純に「1歩得なのでその分プラスになっているはず」という考えで、「ここで将棋を支配する」という高い志しの長考だったはずですが、打算的なものに変質してしまいました。
途中図2以下は、△7四同金▲4五歩△5四歩▲4四角△同角▲同歩△5五角と進みました。
図は、それから20手以上進んだ局面。
私の変調の攻めがたたって、逆転しています。「え?私の変調の攻めは曝さないの」という声も聞こえてきそうですが、無視します。
私の変な攻めを恐れず▲4二歩と後手の飛車利きを止めた手が好手でした。
図の△4六桂は苦心の手。本当は△8八金と詰めろを掛けたいのですが、▲6八金とされると△7六馬ぐらいしかなく、先手玉が安泰になってしまいます。△4六桂に▲6八金なら今度は△7六馬で先手玉の危険度はかなり高いです。それに△4六桂は次に△7九金▲同玉△5八桂成を狙っています、一応。
しかし、2手スキなので、先手は詰めろ詰めろで攻めていけば良いわけです。ただ、後手に角、金、銀を渡すと7八に打たれて一手詰です。
とはいえ、平凡に▲6一とで簡単な詰めろ。後手の△6一同銀は止むを得ません。そこで▲6三桂がピッタリの詰めろ。桂馬がなければ後手玉に駒を渡さず迫りにくいのですが。
しかし、それは私も想定内と△6二玉(第2図)。あらかじめ▲7一角を避けつつ6三の桂取り。63に玉が行けば7四の金も効いてきます。
▲7一角の追撃に、グイと△6三玉(運命図)。私の自信満々の手つきにK君、間違えたのですが、実は私はとんでもない読み抜けをしていました。
一応、いい訳をしておきます。第1図の時点で両者残り時間は5分。運命図では2分30秒ぐらいでした。まあ、時間切迫の中ということで、大目に見てください。
さて、ここでの私の読み落としとは?
持ち時間30分の切れ負けで2局。「切れ負け」というのは持ち時間を使い切ったらどんなに優勢でも負けになる方式。どんなに優勢でも時間が切れたら負けになるので、終盤に時間を残すことがかなり重要で、たとえ飛車角を得して自玉は安泰という将棋としては決着している状態でも、相手玉を詰ますか、相手が投了するかしないと勝ちにはなりません。だから、敗勢の相手に必死で粘られ、時間が切れて負けてしまうことも多々あります。
なので、「切れ負け制」は将棋の本質を歪めてしまうので、本当は「秒読み付制」にすべきですが、大会運営上、秒読み係を書く対局につけるのは無理です。ちなみに、持ち時間は対局時計(2つのストップウォッチを連結させたような仕組み)で行うので、対局者のみで対局できます(時計係はいらない)。
最近の対局時計はデジタル式で秒読み機能もあるので、秒読み制も可能になってきています。でも、秒読みが始まると、「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピィー」というデジタル音が会場のあちこちでなるので、結構うるさくて、対局者もその音に常に急かされる状態になると思います。
1局目の将棋を振り返ります。(5日ほど経過してから棋譜を起こしたので、序盤の手順はは怪しいので省略)
私(後手)の四間飛車に対して、先手のK君は右四間飛車を採用。攻撃態勢を整えた後、▲7七角と玉を固めようとしたので、それは許さじと△6五銀(第0図)と銀交換に出て、先手角頭を巡る戦いになりました。
図以下、▲6五同銀△同歩▲8八玉△8五銀▲7五歩(途中図1)。
先手も何とか美濃に囲い、歩損も回避しましたが、角頭が不安です。振り返ると、0図一手前の▲8八玉が不用意だったかもしれません。
途中図1以下、△7六銀▲5五角△6三金▲7四歩(途中図2)と進みました。
ここで△5四歩と突きたかったのですが、▲6四角△同金▲5三銀が気になりました(途中図2で▲7三歩成は△同銀でよい)。でも、こういう先に角を捨てる手は、両取りを食らっても痛くありません。放置して別の有効な手を指して、飛車を取られたとしても飛車角交換なので、「有効な1手」得です。具体的には、▲5三銀以下△4五歩▲7七桂△5五角打ぐらいで良いでしょう。
本局の場合、先手角が既に危うい状態なので少し勿体ない気がしました。それで、両取りを掛けられた手に対して素直に逃げる手はないかなど考えていたら、長考になってしまいました。
切れ負け将棋においては、長考は悪手なのですが、こういう局面で考えないと将棋を指した気になりません。それに、こういった考慮が次の対局に生きると考えます。
結局、△7四同歩としました。この手は単純に「1歩得なのでその分プラスになっているはず」という考えで、「ここで将棋を支配する」という高い志しの長考だったはずですが、打算的なものに変質してしまいました。
途中図2以下は、△7四同金▲4五歩△5四歩▲4四角△同角▲同歩△5五角と進みました。
図は、それから20手以上進んだ局面。
私の変調の攻めがたたって、逆転しています。「え?私の変調の攻めは曝さないの」という声も聞こえてきそうですが、無視します。
私の変な攻めを恐れず▲4二歩と後手の飛車利きを止めた手が好手でした。
図の△4六桂は苦心の手。本当は△8八金と詰めろを掛けたいのですが、▲6八金とされると△7六馬ぐらいしかなく、先手玉が安泰になってしまいます。△4六桂に▲6八金なら今度は△7六馬で先手玉の危険度はかなり高いです。それに△4六桂は次に△7九金▲同玉△5八桂成を狙っています、一応。
しかし、2手スキなので、先手は詰めろ詰めろで攻めていけば良いわけです。ただ、後手に角、金、銀を渡すと7八に打たれて一手詰です。
とはいえ、平凡に▲6一とで簡単な詰めろ。後手の△6一同銀は止むを得ません。そこで▲6三桂がピッタリの詰めろ。桂馬がなければ後手玉に駒を渡さず迫りにくいのですが。
しかし、それは私も想定内と△6二玉(第2図)。あらかじめ▲7一角を避けつつ6三の桂取り。63に玉が行けば7四の金も効いてきます。
▲7一角の追撃に、グイと△6三玉(運命図)。私の自信満々の手つきにK君、間違えたのですが、実は私はとんでもない読み抜けをしていました。
一応、いい訳をしておきます。第1図の時点で両者残り時間は5分。運命図では2分30秒ぐらいでした。まあ、時間切迫の中ということで、大目に見てください。
さて、ここでの私の読み落としとは?
「▲61と」の局面は かなり後手が勝ち辛い感じですね~。
昨日は、このブログをKが観ていないと思うので、起こして見せなきゃ~
はい、簡単な3手詰です。
▲5二銀打のところ▲7二銀でも△同玉(△同銀は▲6二角成)▲6二金△同銀▲同銀成までの詰みです。
さらに、図から▲7五銀と必至を掛けても先手の勝ちです。
時間切迫と私のオーラのせいということでご理解ください。(K君が、緩めた可能性も)
いよいよ、明日ですね。
力を存分に発揮されるよう願います。