英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

U氏は、どこかよそのお伽の国の日本にいるらしい

2024-04-27 21:13:50 | 時事
円安が加速する中で日銀の金融政策決定会合が開かれ、政策金利の維持や国債購入の継続を決定。
会合後の会見では「当面は緩和的な金融環境が継続する」と述べた。


 物事にはプラスとマイナス、陰と陽、表と裏があり、一方を立てればもう一方が立たない。すべてがうまくいく政策なんてないのだろう。
 金融の緩和政策を維持すれば、米国経済や金利政策の差で、円安が進行するのは目に見えている。
 金融緩和の維持を決めたとしても、もう少し、表現を曖昧にしても良いだろう。(曖昧、あやふやな表現は得意なのでは?)

 日銀も政府も「注視する」とか、なんだかんだ言っているが、1ドル150円台というのは許容範囲なのだろう。
 許容範囲どころか、もう少し安くなっても構わない。もう少し安い方が良い?と考えているのかもしれない。

 先に述べたように物事には表裏があり、円安はメリットもある。今夜のNHKの「ニュース7」では、円安進行に触れた後、ゴールデンウイーク初日ということもあり、行楽地の外国人観光客が円安の恩恵を受けている様子を報じていた。その分、海外旅行者は大変。ネットで調べると、アメリカでハンバーガーが約1210円(9.29ドル)だそうだ。これは4月7日の記事。現在は158円超なので、9.29×158=約1468円ということになる。
 しかし、この報道は《円安でインバウンド効果が大きい》という印象を強く与える。まあ、《円安で海外旅行に行く日本人は大変》というマイナス面も述べてはいるが……
 問題なのは、その他の面について一切述べていないことだ。
 円安になれば、輸入する原材料、原油などが高くなり、原材料費や光熱費も高くなり、ガソリン代などの経費もかさむ。つまり、物価が高騰。
 これまでも、物価上昇の要因として、人件費アップと並んで、原材料費などのコスト高が挙げられていた。
 逆に、輸出産業は円安は追い風になると考えられる。しかし、純粋に円安の恩恵を受けられるのは、海外に工場を持つ企業で(資金のやり取りがドルなら円安は関係ないのかな?)、国内生産タイプの企業はコスト高の影響を受けてしまう。
 とにかく、輸出、輸入の区別なく下請け会社はもろにコスト高の影響を受けてしまう。価格転嫁ができればよいが、なかなか難しいのではないだろうか?
 価格転嫁ができたとしても、それはそれで、物価が上昇してしまう……



 金融緩和の維持の理由は、借入金がある企業の倒産の恐れが高まるなど色々あるのだろう。
 巨額な国債を抱えてしまっているので利上げできないという話もあるらしい。
 円安で輸出企業や観光業が潤えば、他の産業のマイナスを埋められる……かもしれない。
 もしかしたら…もしかしたら(笑)……《日本の30年後ではなく、今、自分たちが潤えばよい。そのための政策をすればよい》と考えているのかもしれない。もしかしたら(笑)

……それはともかく、これまでの状況(経緯)を十分熟知していて、さらに、今後の展望も予見できる能力を有しているべきの方が、今日の会見で
「基調的な物価の上昇率に、円安が今のところ大きな影響を与えているということではない」
と述べたのは、許し難い理屈だ。

 会見中も円安が1円くらい進行した。
 もしかしたら、U氏はどこかよそのおとぎの国の日本に住んでいるのかもしれない。
コメント
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