英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

棋士雑感 その2 佐藤天彦九段

2019-06-03 15:55:14 | 将棋
ここ1年の将棋界を振り返り、思い浮かぶ棋士について、気ままに書き連ねてみます。
(本来ならば、『棋士活躍度ランキング』を集計しなければならないのですが……)
    「その1 羽生善治九段」

今回は昨年度の名人戦で羽生竜王・棋聖(当時)の挑戦を退けた佐藤天彦九段
 奇しくも、前回の羽生九段と同様に肩書きが「九段」となってしまったが、例年同様、名人戦を戦いながら調子を上げていった前年度前半。14連勝、2連敗、6連勝と5月19日~11月9日の期間は20勝2敗と無双の強さ。
 しかし、その後、失速し(これも例年通り?)、年度末までは6勝10敗。調子を落とし始めた頃に、最強メンバーが揃った王将戦挑戦者決定リーグ戦に巻き込まれた?のも要因か。
 王将リーグのメンバーは佐藤名人の他に豊島王位・棋聖、郷田九段、糸谷八段、渡辺棋王、中村太七段(王座を失冠)、広瀬八段(その後竜王)で、佐藤名人は3勝3敗、順位の差でリーグ陥落。リーグ終盤の対豊島、対糸谷戦で連敗したのが痛かった。
 この王将リーグで消耗したのか、季節的に相性が悪いのか、12月17日以降は2勝6敗とさらに失速。2018年度の佐藤九段の成績は27勝15敗、.643。

 そして迎えた今期の名人戦。挑戦者は豊島王位・棋聖。羽生、菅井を破って、棋聖、王位を奪取、A級順位戦を8勝1敗で勝ち抜いた最強の挑戦者。
 「年度後半は成績は振るわなくても名人戦を戦いながら調子を上げていくのが佐藤天彦」……勘ぐりすぎかもしれないが、「名人戦用に戦型を選択し、研究を試し、奥の手を用意する」気配もある。
 「序盤・中盤・終盤、隙がない豊島二冠」が、羽生九段を屈服させた強さを発揮する名人戦での佐藤天彦将棋を凌駕するか、興味深かった。

 結果は豊島二冠の四連勝。
 研究でも豊島二冠にやや上回られ、指し手においても深いはずの懐を突き破られてしまった感がある。
 テニスに例えると、佐藤名人は緩急を駆使し、コースもコーナーを突いたが、豊島二冠が対応し強い打球を打ち返し、徐々に追い詰めていったという印象がある。
 それにしても、0-4とは!

 正直、今期の佐藤-豊島戦で、佐藤天名人の強さの構造と弱点が見いだせるのではないかと期待していたが、豊島名人に勝つのはさらに難しいような気も……(笑)

 今期のA級順位戦、佐藤天九段の初戦は羽生九段。
 正直、もう少し後で当たってほしかったが……。ともかく、注目の対局である。
 
 
 
 
コメント
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