最近、ドラマレビューしか書いていません。
ドラマは毎週やってくるので、書かないと溜まり続ける(まあ、これはどのジャンルでもそうですが)という理由が大きいのですが、ドラマの感想は割と具体的で、感動や不満も輪郭がはっきりしているので書きやすいのです。
気象については、本当は逐一ケチをつけたいのですが、消費期限を過ぎてしまい食べ損なって(書き損なって)しまっています。
野草についてもほぼ同様です。こちらは消費期限というよりは賞味期限という感じですが、それでも旬を外しっぱなしです。
将棋は月刊誌が成立するように、時期を外してもそれなりにおいしく食べられます。ただ、ついそれに甘えてしまいがちです。直近の将棋記事は7月23日でゆうに一か月以上経ってしまっています。しかも、その記事というのは、『王位戦第2局の1日目』という、放置っぷり。(いえ、書くために自分なりに研究したのですが、なかなか纏まらないうちに……)
と思っている間に9月になり、新年度も早、5か月が過ぎてしまいました。
一応キリが良いので、ここまでの出来事を振り返ってみたいと思います。羽生ファンにとっては、今年度のここまでの回想は、幸福度が高いです。
名人戦
名人戦については相当書き込んだので、結果だけ。
羽生挑戦者(王位・王座・棋聖)が森内名人(竜王)を4勝0敗のストレートで降し、4年ぶりの復位を果たした(通算8期)。
スコアは一方的だが、ぎりぎりの攻防が続き見ごたえある名人戦だった。今期の羽生挑戦者は、中盤まで差をつけられないように努めていたように感じた。斬り合いを辞さず、激しい変化にためらわずに踏み込んでいった。
過去3年は、戦型選択も鷹揚で、森内名人ペースの将棋(戦型ではなく将棋の模様、性質)で戦い、研究を恐れて踏み込みが浅かったように感じた。
今期の羽生挑戦者には強い意志が感じられた。
棋聖戦
森内竜王が羽生棋聖(名人・王位・王座)に挑戦。立場は違うが、名人戦に引き続きのタイトル戦。(この段階で王位戦挑戦リーグ紅組で広瀬七段、千田四段と3勝1敗の同星。ちなみに王座戦は決勝トーナメント1回戦進出(シードにより本戦から)、竜王戦は羽生名人が挑戦者決定トーナメントを確定させており、名人戦から最大31番勝負の可能性があった。
あの森内竜王相手なので、タイトル戦2連勝は大変かもと思う一方、羽生四冠の名人戦での充実ぶりと1日制のタイトル戦の強さを考慮すると、羽生棋聖の防衛の可能性が強いと考えられたが、羽生棋聖が3連勝で防衛。森内竜王相手にタイトル戦7連勝は予想を超えた。(名人戦2-0の時点で名人戦4-0はあり得ると思われたし、棋聖戦の3-0の可能性も低くないと思ったが、さすがに7連勝はないかと)
第1局、第2局は競り勝ち、第3局は勝勢を確定すべきところで誤り、逆転ムード。そこを踏みとどまっての勝利は、充実ぶりを感じさせた。
この対局の勝利で今期11戦全勝。「コンピュータ将棋対人間」における≪最終的にはソフト(羽生)が勝つ≫という光景を思い出させるような、羽生名人の正確さだった。
この棋聖戦においては、名人戦で感じたような勝利への執着よりも、自分の疑問や読みを森内竜王にぶつけてみたというように感じた。
挑戦者決定戦に、村山七段が進出。
王位戦
現在、羽生王位の3勝1持将棋1敗。
第1局は木村八段の快勝…と言うより、羽生王位の変調。先手番ながら仕掛けることができず、一旦2六→3七と銀を引き立て直したのち仕掛けたものの、カウンターを食らって棋勢を損ね、終盤の踏ん張りどころで間違え、いいところなく惨敗。今期の初黒星を喫した。
第2局も木村八段が快調だったが、終盤、決めに行った手が疑問手で、その直後の手が悪手で逆転してしまった。その決めに行った手が指された時、控室の某九段も「つらい。これはしびれましたね」と言ってしまうほどの気持ち良い手順だったのが木村八段の不運。
羽生棋聖は素直に応じ技を掛けられて逆転したが、劣勢の中で木村八段に技を掛けられ、正確な判断が出来る棋士がどのくらいいるだろうか?
ずっと踏ん張り続けて一手差以内を保って……(っと、思い出しました。この辺り、中継解説陣の緩さも含めて2日目の記事を書こうと思っていました。で、この件は後日に)
第3局は、共に決め損ない、持将棋成立。全体的には木村八段ペースであった。
第4局は、難解な将棋ながらも、羽生王位が抜けだし勝利。
第5局は、羽生王位の完勝。
木村八段の息切れ?とは思いたくないが、流れは完全に羽生王位と言える。第2局後、「第55期王位戦 第2局1日目」のコメント欄でStanleyさんと私が、「4勝1持将棋1敗」で防衛と結論付けましたが、それに近づいてきた(自慢と言うにはまだ早いが)
挑戦者決定戦に千田四段が進出。
王座戦
豊島七段が、挑戦者決定トーナメントで村山七段、行方八段、中村太六段、丸山九段を下して挑戦権獲得。
4期前の王将リーグで、初戦に渡辺竜王に敗れた後、森内九段、深浦九段、三浦八段、羽生名人、佐藤康九段を撃破し挑戦権を獲得した“序盤、中盤、終盤、隙がない”豊島七段が、待たせすぎのタイトル戦再登場である。
非常に楽しみな顔合わせで、対戦成績は羽生王座の3勝2敗(2連敗ご3連勝)。
9月4日に第1局が行われる。
竜王戦
挑戦者決定トーナメント決勝3番勝負には、羽生名人(1組優勝)対糸谷六段(3組優勝)の顔合わせとなり、第1局は先手番の糸谷六段が先勝した。
将棋は羽生名人が巧みな指し回しでリードしたが、勝負どころで誤り逆転、糸谷六段の勝利となった。割と簡明な勝ち筋を、羽生名人が逃してしまった。少し表現が悪いが、糸谷六段の独特のムード(毒気)に当てられてしまったのかもしれない。
第2局は明日(9月2日)。とにかく、先手番は勝ってほしい。
本当は一気に書き上げたかったのですが、明日に続きます。
本日A級順位戦・森内竜王×深浦九段の結果を見て順位戦の記事を書くつもりです。
その他、「里美女流の休場延長」「成績優秀者の覚え書き」「電王戦リベンジマッチ(これは別記事にするかも)」などを簡単に書く予定です。
ドラマは毎週やってくるので、書かないと溜まり続ける(まあ、これはどのジャンルでもそうですが)という理由が大きいのですが、ドラマの感想は割と具体的で、感動や不満も輪郭がはっきりしているので書きやすいのです。
気象については、本当は逐一ケチをつけたいのですが、消費期限を過ぎてしまい食べ損なって(書き損なって)しまっています。
野草についてもほぼ同様です。こちらは消費期限というよりは賞味期限という感じですが、それでも旬を外しっぱなしです。
将棋は月刊誌が成立するように、時期を外してもそれなりにおいしく食べられます。ただ、ついそれに甘えてしまいがちです。直近の将棋記事は7月23日でゆうに一か月以上経ってしまっています。しかも、その記事というのは、『王位戦第2局の1日目』という、放置っぷり。(いえ、書くために自分なりに研究したのですが、なかなか纏まらないうちに……)
と思っている間に9月になり、新年度も早、5か月が過ぎてしまいました。
一応キリが良いので、ここまでの出来事を振り返ってみたいと思います。羽生ファンにとっては、今年度のここまでの回想は、幸福度が高いです。
名人戦
名人戦については相当書き込んだので、結果だけ。
羽生挑戦者(王位・王座・棋聖)が森内名人(竜王)を4勝0敗のストレートで降し、4年ぶりの復位を果たした(通算8期)。
スコアは一方的だが、ぎりぎりの攻防が続き見ごたえある名人戦だった。今期の羽生挑戦者は、中盤まで差をつけられないように努めていたように感じた。斬り合いを辞さず、激しい変化にためらわずに踏み込んでいった。
過去3年は、戦型選択も鷹揚で、森内名人ペースの将棋(戦型ではなく将棋の模様、性質)で戦い、研究を恐れて踏み込みが浅かったように感じた。
今期の羽生挑戦者には強い意志が感じられた。
棋聖戦
森内竜王が羽生棋聖(名人・王位・王座)に挑戦。立場は違うが、名人戦に引き続きのタイトル戦。(この段階で王位戦挑戦リーグ紅組で広瀬七段、千田四段と3勝1敗の同星。ちなみに王座戦は決勝トーナメント1回戦進出(シードにより本戦から)、竜王戦は羽生名人が挑戦者決定トーナメントを確定させており、名人戦から最大31番勝負の可能性があった。
あの森内竜王相手なので、タイトル戦2連勝は大変かもと思う一方、羽生四冠の名人戦での充実ぶりと1日制のタイトル戦の強さを考慮すると、羽生棋聖の防衛の可能性が強いと考えられたが、羽生棋聖が3連勝で防衛。森内竜王相手にタイトル戦7連勝は予想を超えた。(名人戦2-0の時点で名人戦4-0はあり得ると思われたし、棋聖戦の3-0の可能性も低くないと思ったが、さすがに7連勝はないかと)
第1局、第2局は競り勝ち、第3局は勝勢を確定すべきところで誤り、逆転ムード。そこを踏みとどまっての勝利は、充実ぶりを感じさせた。
この対局の勝利で今期11戦全勝。「コンピュータ将棋対人間」における≪最終的にはソフト(羽生)が勝つ≫という光景を思い出させるような、羽生名人の正確さだった。
この棋聖戦においては、名人戦で感じたような勝利への執着よりも、自分の疑問や読みを森内竜王にぶつけてみたというように感じた。
挑戦者決定戦に、村山七段が進出。
王位戦
現在、羽生王位の3勝1持将棋1敗。
第1局は木村八段の快勝…と言うより、羽生王位の変調。先手番ながら仕掛けることができず、一旦2六→3七と銀を引き立て直したのち仕掛けたものの、カウンターを食らって棋勢を損ね、終盤の踏ん張りどころで間違え、いいところなく惨敗。今期の初黒星を喫した。
第2局も木村八段が快調だったが、終盤、決めに行った手が疑問手で、その直後の手が悪手で逆転してしまった。その決めに行った手が指された時、控室の某九段も「つらい。これはしびれましたね」と言ってしまうほどの気持ち良い手順だったのが木村八段の不運。
羽生棋聖は素直に応じ技を掛けられて逆転したが、劣勢の中で木村八段に技を掛けられ、正確な判断が出来る棋士がどのくらいいるだろうか?
ずっと踏ん張り続けて一手差以内を保って……(っと、思い出しました。この辺り、中継解説陣の緩さも含めて2日目の記事を書こうと思っていました。で、この件は後日に)
第3局は、共に決め損ない、持将棋成立。全体的には木村八段ペースであった。
第4局は、難解な将棋ながらも、羽生王位が抜けだし勝利。
第5局は、羽生王位の完勝。
木村八段の息切れ?とは思いたくないが、流れは完全に羽生王位と言える。第2局後、「第55期王位戦 第2局1日目」のコメント欄でStanleyさんと私が、「4勝1持将棋1敗」で防衛と結論付けましたが、それに近づいてきた(自慢と言うにはまだ早いが)
挑戦者決定戦に千田四段が進出。
王座戦
豊島七段が、挑戦者決定トーナメントで村山七段、行方八段、中村太六段、丸山九段を下して挑戦権獲得。
4期前の王将リーグで、初戦に渡辺竜王に敗れた後、森内九段、深浦九段、三浦八段、羽生名人、佐藤康九段を撃破し挑戦権を獲得した“序盤、中盤、終盤、隙がない”豊島七段が、待たせすぎのタイトル戦再登場である。
非常に楽しみな顔合わせで、対戦成績は羽生王座の3勝2敗(2連敗ご3連勝)。
9月4日に第1局が行われる。
竜王戦
挑戦者決定トーナメント決勝3番勝負には、羽生名人(1組優勝)対糸谷六段(3組優勝)の顔合わせとなり、第1局は先手番の糸谷六段が先勝した。
将棋は羽生名人が巧みな指し回しでリードしたが、勝負どころで誤り逆転、糸谷六段の勝利となった。割と簡明な勝ち筋を、羽生名人が逃してしまった。少し表現が悪いが、糸谷六段の独特のムード(毒気)に当てられてしまったのかもしれない。
第2局は明日(9月2日)。とにかく、先手番は勝ってほしい。
本当は一気に書き上げたかったのですが、明日に続きます。
本日A級順位戦・森内竜王×深浦九段の結果を見て順位戦の記事を書くつもりです。
その他、「里美女流の休場延長」「成績優秀者の覚え書き」「電王戦リベンジマッチ(これは別記事にするかも)」などを簡単に書く予定です。