今更という気もしますが……
「シャレードがいっぱい」……原作を読んだことのある方のご意見をお聞きしたいなあ
恋愛ミステリー風(赤川次郎風)のテイストは嫌いではなく、今作も登場人物のキャラや会話など楽しめた。
しかし、かなり原作を歪めてしまっているように感じる。
まず、弁護士が探偵と偽ってヒロインに接近するが、身分を偽る必然性が感じられなかった。ミステリー色を強くするためだけのように思えた。ヒロインも簡単に彼になびき過ぎ。
ヒロインの元恋人で被害者の行動の意図がよく分からない。見つけた遺言状を利用して金をせしめようとしたが、持ちかける相手をなぜ変更したのだろうか。
真犯人にしても、なぜ殺さなければならなかったのだろうか?殺してしまったら、遺言状のありかが分からない。
結局、この話の見せどころは、遺言書の在処(ありか)と、「同」の旧書体の「仝」を改ざんして「仝額」→「全額」とした点、ヒロインが社長の筆跡をまねて練習帳を作り、真犯人をはめたことのみ。
それだけでは、1時間持たないので、恋愛風ミステリーに仕上げ、さらに
被害者の元恋人の顔をぼやかせ、最後に妻夫木聡であったというオチを付けた。
【補足】
『レベル999のマニアな講義』さんの記事の三連星さんによると「本作は本来1時間では収まらない話(80分ぐらいが適当でしょうか)」だそうです。
しかし、このオチって、原作にはあるはずはない。小説(文章)で最後に「妻夫木聡でした」と明かしても、まったく面白くないというか意味がない。原作蔑ろで、もし私が原作者だったら大激怒だ。
ヒロイン役の長澤まさみさんはスタイル抜群で美脚で可愛いが、『都市伝説の女』に引き続き、その美脚を強調しているが、これだと先が見えてしまうなと思っていたら、今度は女性教師役で美脚を封印するみたいだ。
長澤さんと言えば、私にとっては『プロポーズ大作戦』が強く印象に残っている。(映画『世界の中心で、愛をさけぶ』は観ていない)その後、『天地人』のいない方がいい謎の女忍者で、私の評価はガタ落ち、その後は『GOLD』で天海祐希さんにいじられるコミカルな役を演じたが、これもドラマ的に疑問詞だらけだった。そして美脚路線。いろいろチャレンジしているとは思います。
安藤政信さんといい雰囲気を出していたのが救いだ。
【ストーリー】番組サイトより
青山弥生(長澤まさみ)は、元カレのアパートに残されていた荷物を返しに行く。部屋のドアの前に荷物だけを置いてさっさと帰ろうと思っていたのだが、何だか様子がおかしい。鍵のかかっていなかったドアを開けて、部屋の中に入って元カレの名を呼ぶのだが、返事もない。それもそのはず、部屋の電気を点けると元カレが殺されていた。元カレの手元には、血で"A"が書かれている。
弥生の通報で警察官たちが駆けつけた。第一発見者として疑われる弥生だが、本当に荷物を返しに来ただけ。弥生にも元カレが殺される理由に思い当たる節はない。警察の調べでは、部屋は荒らされていたが、金銭類が残されていたため、強盗の犯行でもなさそうだ。
後日、弥生は元カレの葬儀に出席。そこで、弥生は元カレの友人で、尾藤茂久(安藤政信)と名乗る男に声をかけられる。また、尾藤は葬儀場に出入りする中瀬家の面々についても詳しい。弥生は中瀬興産社長の公次郎(志賀廣太郎)に、書道を教えるために出入りしていたことがあり、元カレも社長の世話になっていたことも尾藤は知っていた。あまりの詳しさと胡散臭さに、弥生が職業を尋ねると尾藤は探偵だと答える。
そして、尾藤は弥生の元カレが殺されたのは、中瀬家の遺言状が消えてしまったこととの関係を示唆し、弥生にも危険が迫る可能性があると指摘。その言葉通り、弥生のマンションも何者かに荒らされていた。