森内九段の新手から未知の局面になり、4筋を巡る虚々実々の攻防あたりから、私のような凡人の感覚では、ついていけない将棋になりました。
封じ手直前の渡辺竜王の△5二銀は自陣を引き締める竜王らしい手だと思いましたが、4筋の嫌みが残っているので、今後の模様の取り方が難しいのではないかと思っていました。
その後、△4四歩と無難に指す手は指さず(実際、△4四歩としても先手の攻めを受け止めるのは大変らしかった)、▲4四歩に△4二金と引き拠点を作らせる強気な対応。
渡辺竜王の主張は、1日目に果たした飛車先交換の利と、△8五飛の揺さぶりからの1歩得。△8五飛にしても、先手の切り返しがいろいろ見え、それらを見切っての強気な指し手。
この後、森内九段の銀捨ての強攻、また、渡辺竜王も銀を見限っての抑え込みを図る△5五銀の強防手を放つ。
この△5五銀から渡辺有利説の声が上がり始めたが、終盤、ややもつれはしたものの、瀬戸際の強さを発揮して、渡辺竜王が先勝した。
森内九段の意欲的な指し回し、渡辺竜王の読みの裏付けのある強気な対応と、両者の充実ぶりを感じた。特に、渡辺竜王の竜王戦での強さを改めて認識した。
一か所疑問に思ったことは、69手目の▲1五歩に△同歩と応じた点。中継の解説によると「▲1五歩は緩手で、それに手抜きして△7五歩▲同銀△7六歩▲6八金△5五角の筋があったとのこと。なぜなのか?
さて、羽生ファンにとって「3連勝4連敗」「初代永世竜王の名を成さしめてしまった」痛恨の7番勝負から、はや一年(決着してからだと10か月)。
雪辱戦を挑めない状況も悔しい思いがありますが、永世竜王対永世名人、5年ぶりの対決と、そして、何よりその将棋そのものの内容も期待できる大変楽しみな7番勝負です。
羽生名人にとって、渡辺竜王、森内九段共に、自身より先に「永世」の称号を冠せられてしまった二人の対決です。「羽生名人に先んじた二人の最強者決定戦」という向きもありますが、熱狂的な羽生ファンに言わせると、
「羽生名人の挑戦を受ける権利獲得決定戦」
なのです。
今日の記事は、これが言いたいがために書きました。
封じ手直前の渡辺竜王の△5二銀は自陣を引き締める竜王らしい手だと思いましたが、4筋の嫌みが残っているので、今後の模様の取り方が難しいのではないかと思っていました。
その後、△4四歩と無難に指す手は指さず(実際、△4四歩としても先手の攻めを受け止めるのは大変らしかった)、▲4四歩に△4二金と引き拠点を作らせる強気な対応。
渡辺竜王の主張は、1日目に果たした飛車先交換の利と、△8五飛の揺さぶりからの1歩得。△8五飛にしても、先手の切り返しがいろいろ見え、それらを見切っての強気な指し手。
この後、森内九段の銀捨ての強攻、また、渡辺竜王も銀を見限っての抑え込みを図る△5五銀の強防手を放つ。
この△5五銀から渡辺有利説の声が上がり始めたが、終盤、ややもつれはしたものの、瀬戸際の強さを発揮して、渡辺竜王が先勝した。
森内九段の意欲的な指し回し、渡辺竜王の読みの裏付けのある強気な対応と、両者の充実ぶりを感じた。特に、渡辺竜王の竜王戦での強さを改めて認識した。
一か所疑問に思ったことは、69手目の▲1五歩に△同歩と応じた点。中継の解説によると「▲1五歩は緩手で、それに手抜きして△7五歩▲同銀△7六歩▲6八金△5五角の筋があったとのこと。なぜなのか?
さて、羽生ファンにとって「3連勝4連敗」「初代永世竜王の名を成さしめてしまった」痛恨の7番勝負から、はや一年(決着してからだと10か月)。
雪辱戦を挑めない状況も悔しい思いがありますが、永世竜王対永世名人、5年ぶりの対決と、そして、何よりその将棋そのものの内容も期待できる大変楽しみな7番勝負です。
羽生名人にとって、渡辺竜王、森内九段共に、自身より先に「永世」の称号を冠せられてしまった二人の対決です。「羽生名人に先んじた二人の最強者決定戦」という向きもありますが、熱狂的な羽生ファンに言わせると、
「羽生名人の挑戦を受ける権利獲得決定戦」
なのです。
今日の記事は、これが言いたいがために書きました。