ＮＨＫ杯 櫛田六段×丸山九段

　がっかりです。
　丸山九段って、元名人でしょう？　現Ａ級でしょう？

　櫛田六段は、四間飛車のスペシャリストです。しかも旧型の。悠々と四間飛車の天敵とも言うべき居飛車穴熊に組ませ、真っ向から攻略します。
　もちろん、急戦に対しても、見事に対抗します。その対応感覚や技術は体に染みついている感じがします。
　対する丸山九段は名人経験者、現Ａ級の本格居飛車党。これは、面白い一局になると期待していました。

　先手櫛田六段が▲７六歩～▲６六歩と四間飛車を目指したのに対し、後手の丸山九段は△３四歩～△５六歩と相振り飛車志向。櫛田六段は相振り飛車は好まないので、居飛車に変更するが、丸山九段は飛車を振らず、力戦系の相居飛車に持ち込む。
　そういった丸山九段の指し方にやや無理があったせいか、櫛田六段が作戦勝ちになった。将棋の形勢判断に「やや有利」の時、「指しやすい」という表現をするが、生粋の四間飛車党の櫛田六段にとっては「指しにくい」将棋だったようで、勝負所で誤り、勝負はあっけなく終わった。

　まったく、つまらない。
　「相手に力を出させない」という点からすると、丸山九段はプロと言える。しかし、テレビ将棋、丸山九段の実績等を考えると、プロ失格ではないだろうか。
　がっかりだ。