婆さんが行く

婆さんの食卓とワンコ

土佐源氏/馬喰について その2

2019-02-19 14:31:08 | Weblog

お寺さんの住職様の初めのお言葉があり 一畳ぐらいの台座の上にあった蝋燭に火がともされた。
それと同時に室内が暗くなり 風の音なのか もの悲しい音色にどっぷりはまったころ
ゴザを被って襤褸をまとった人がよろよろと・・・
ぎょぎょっとした。
その後 台座に座ってお話を聞きに来た人に身の上話を始めました。
えーと 存在しない人が見えました。
それが そのうち あたかも自分に語りかけられているような錯覚におちいるのだが
自分は、お母さんが夜這いで身ごもった子供で祖父母に育てられた(ようするにお父さんがいない子)
子供の頃、子守の子(よその家の子守の女の子たち)に混じって遊んで そこでの性の目覚めの話。
子供は、大人のすることをよく見ていて ませた女の子が興味津々でまねっこするんだって笑いたくなったが
生憎 笑う場面ではなかった。
その後、馬喰になるのだが その話も面白かった。
田舎でよく「バクロウが」というときって どうしようもない人を指して使うのだが 
この度あらためて馬喰についてよくわかった。
人を騙して牛や馬を売り買いするシステムを事細かに教えてくださいました。
ダメな牛をいい牛だって言って 他所のいい牛と取り換えて またいい牛と取り換えて・・
でもね 最後のすごーくいい牛は、誰の所に行くんだろう?って
実は、思考が止まった。
 
しかもだ ダメな牛といい牛を取り換える才能ってすごくない!?

馬喰って詐欺師みたいなものだったから嫌われたのかしら?

  木製パレット屋のつぶやき


 


土佐源氏 その1

2019-02-19 11:05:34 | Weblog

そもそもこの『土佐源氏』は、民俗学者・宮本常一著『忘れられた日本人』に収められているものだそうです。
著者が昭和16年の冬に高知の山間の村・梼原で出会った盲目の元馬喰から聞いた話をもとに書かれたそうです。
その話の中から おそらく印象深いものを抜粋?して 坂本長利さんが一人芝居の戯曲にしたてあげ今日にいたるのでしょう。
それというのも 坂本長利さんが所属していた『ぶどうの会』が解散し・・ 
いろいろ模索していたときにストリップ劇場の前座や合間に前衛的というべきか小さなお芝居というべきかお声がかかったのが発端なのではないでしょうか。
お客様は、ストリップを見に来ているのだから いくら艶話とはいえ「ひっこめ!」や「早く終われ!」ぐらいはあったのではないかと推察します。
それが 1208回も上演されているなんて なんだか形容しがたい興奮を覚えざるを得ない。
しかも 今 89歳のご高齢になってもが 俄然 興味がわいた。
何があっても 行こう!
会場は、家から徒歩20分ぐらい 楽しみって歩くと倍増するんだよね。
開場にピッタリの時間に着いたのだが ぐるりと長い列ができていた。
なんとどちらかというと最後のほうに近い順番だったのには唖然。
会場は、お寺さんの本堂だった。
おそらく ご本尊さまの前あたり 一畳ほどの台座があって
このスペースでお芝居を演じるのねってわくわくしてきた。
それにしても 後ろのほうでは見えにくい。
一番前で正座してみるというのを心で描いていたので さてさてどうしたものだろうって思っていたら
「座布団がなくてもいいなら 左側が空いています」とのことだった。
すぐに人をかきわけかきわけ 行って見たら舞台のそでの位置ではあるが 前だった。
もちろんニカッと笑って喜んだ。

なんてついているんだろう。

   木製パレット屋のつぶやき