
とりあえず明日が退院という日
彼女は、せっせと3月に生まれてくる孫のドレスを編んでいました。
決していい病状ではないのに・・
「やあ!」
「あっ!?ねえ 退院したらねベリーショートにするんだ。似合うと思う?」
「もちろん その長い白髪よりすてき!」
「長い髪が抜けるのは気持ちが悪いからね」
「・・・」
かける言葉がなかった。

「ここはとっても景色がよくて幸せね」
「そうすばらしいわよ」

「若い時って あっというまに過ぎたわね」
「ホント!」
まさに夕暮れ時
ひきかえにさしだすものがないけれど
願わくばしばらく夕陽が見れますようにと祈らずにはいられない。