階段に腰掛けて

休みの間　家にいるのがあまりにいごこちがよくて　どこにも出かけなかった。
だんだん身なりも構わなくなってきて　そのうち人と会ったり話をするのがうっとうしいと感じるようになってきた。
「新年会をやるから出てこない？」
「もう休むところだったのです」
「まだ８時だよ！」
何時であろうがこの快適な時間は邪魔をされたくないのです。
言い訳もつきた頃
年に一回会うかな？そんな友から電話があった。
「病院で鬱だと診断されたのよ」
「えっ！？」
「夜は途中で目が覚めるし　食欲もなくて痩せたの」
私は、禁煙をしてから３キロも太ったのに　
痩せた！？理由はともかくうらやましい話だ。
積もる話もあるし思い切って会うことにしました。
待ち合わせは、交番横。
遠くから見ても負のオーラ全開で
顔半分をマスクでおおい　一回り小さくなって寒そうに立っていた人
それが友だった。
手をふりながら近寄って
言葉より先に大笑いしてしまった。
「すごいね　小さくなったんじゃない？」
「そうなのよ」
それから　すっかり病気のことは忘れて飲んだり食べたり
夢中でおしゃべりしながら　笑った笑った。

階段の途中は立ち止まって休みましょう。

いごこちのいい場所は、たくさん持っていたほうがいいかな？
だって人生は、覚めることのない悪夢だから・・

「またね！」