婆さんが行く

婆さんの食卓とワンコ

靖国神社

2008-06-30 16:04:42 | Weblog
「東京に行ったら靖国神社にお参りしたい」
「・・・・」
まだ 私が20代の初めの頃 姑が唐突にそんなことをおっしゃいました。
恥ずかしいことに すぐには理解できませんでした。
「靖国神社にはね 則ちゃんのおとうさんがいるんです。国のために亡くなったから・・」
「故郷に お墓もあるのに靖国神社にも?ですか?」
「お墓?とは少し違って 戦争で亡くなった人達は、英霊として称えられるの」

なんだか よくわからないまま時が過ぎました。
もっとわからないのは 何故 日本の首相がお参りすることで いろんな物議をかもしだすかでした。
わかった顔して知らんぷりが一番いいのかなって思ったり・・。
ただ 国のためという名目で戦争にかりだされて亡くなったっという本人や遺族の無念さを考えれば やはり
慰霊 叙勲 遺族年金。これらで どこにもやるせなさをもっていけなくなるから靖国神社って必要なのかなって ひそかに思っていました。
とりあえず 長い年月 見ざる聞かざる言わざるが続きました。 

*広辞苑・・・《靖国神社》東京都九段北にある元別格官幣社。明治維新及びそれ以後に戦争など国事に殉じたもの250余万の霊を合祀。1879年招魂社を改称。

週末『靖国』という映画を見てきました。
外国人と日本人の合作です。
靖国神社に奉納する刀、 90歳になる刀工に焦点をあてているふうを装いながら
そこにいろんな場面が(慰霊、反対者、外国人・・・)おりこまれてお話しが進んでいきます。
台湾の遺族の方々のシィーンは心に残りました。
靖国神社から除籍して欲しいという願いです。
「あなたの父親や家族が外国で亡くなったら国につれて帰りたいと思うでしょう?」
英霊だと説明しても納得はしないでしょうね。これは国が違うし おそらく遺族は 受ける恩恵も日本人遺族と違うのかなって憶測してしまいました。やり場のない嘆きで 嫌だって言っているのだから 大義名分はともかく 前向きに考えればいいのだろうにと思います。いつまでたっても 行き場のない心はお気の毒です。(情緒的に考えればの話です)
さて この映画 答えはないのです。
最後のシーンは 戦争の残虐 悲惨さを訴えるためにか 刀で人を切る衝撃的な写真がかなり使われていました。まあ 映画の製作 作品のしあがりを追求すればこんなふうになるんだろうなって思いましたが・・。(賛成も反対もしていません。)

靖国神社については、自分なりにやっと納得した感があります。

人の心の奥底にひそむ悪魔を見た気分です。
泣く場面でもないのに涙がでたのは何故だろう?