活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

加速する大企業の税逃れ

2010-07-01 19:43:08 | Weblog
東証1部上場の「ヤフー」が国税局の査察を受け、540億円の申告漏れを指摘された。課税額は約220億円という。(7/1朝日新聞)ヤフー側は不服として審判を求めるというが、決着するまで相当の時日を要する。

この問題は大企業の国際競争力を高めるため、親・子会社の合併等を促す目的で成立した「企業組織再編税制」やグループ企業の損益を合算して申告する「連結納税制度」に脱税や租税回避ができる、大きな問題が潜んでいるものと思われる。

つまり、赤字会社をグループに取り込んで税逃れができるシステムだからだ。日本IBMがそうだった。今年、4000億円超の申告漏れが指摘された。これも審判で争うとしているが、制度を最大限、悪用しているように思えてならない。もちろん、このような抜け道が用意された、税法を問題にしなければならないが。

いま経団連を始めとする財界・大企業はさらなる減税を求めて、大合唱しているが、「あの手、この手」で税逃れしている大企業は、数えれば切りがないのではないか。日産自動車も昨年、この制度で640億円の申告漏れを指摘されている。

このような事件が報道されるたびに、納税意欲は殺がれる。本当に公平なのか。税務当局は積極的に、この種の事件を公表して欲しい。なにしろ社会貢献度の「目安箱」として大いに利用できるからだ。