Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE304. デザインの話3.

2012年03月29日 | Kyoto city
 東京に出張しなければならないので、まとめてアップさせる。
 芸術と工学の軸が交差するところと書きながら、私自身はどうかというと、デッサンを4年、それから建築と環境のデザインを学び、デザイン学の博士号を筑波大学で取得しているのであるから、当然デザイン系の専門家である。
 だからデザイナーの育て方は大変よくわかる。それも何を教え、何を教えないかといった細かいところまで理解できるし、社会的にはどこまで指導すればよいかも明解に理解している。といって私が勤める大学では芸術と工学のAXISであって美大ではないから、私の専門と大学が目指す方向は、当然乖離している。大体大学というのは、そのようなものだろうと思っている。
 そうなると個人的には、一人ぐらいはじっくりと教え、実力あるデザイナーを時間をかけて育てたいと思うときもある。だがまあうちは美大ではないのだから、いきなりプロデュースを目指せと言っているわけだ。
 そうなると日本の最先端を走ってきた私の経験や、デッサンや、それを活かしたデザイナー教育に関しては、多分永久に封印することになるだろう。もったいないといっても求められなければそれまでであり、それが現実でもある。
 実はこうして封印された実力を持った人達は、日本には結構多いと実感している。デザイン分野の人材教育に関しては、日本は教える側に結構余力があると思われる。
 本来デザインというのは、国家と時代の最先端を走れる位の提案性と斬新さが必要なのである。今はそんな先端を走ることを捨てて、そこそこで落ち着いてしまっている。提案性と言うよりは、個人の感性表現の世界に近く、次第にアート化しつつあるといってよいのだろう。それはコンピュータの出現によって一般化してきたといってもよい。一般化の先には退屈な形式化の世界があるわけだが。それが最近のデザイン現象だ。
 それにしてもこのレンズは、光のトーンが綺麗だなと、話題の違う感心をしている(笑)。

京都駅,2012年2月19日
OLYMPUS PEN E-PM1,M ZUIKO DIGITAL12mm/f2.0
ISO200,露出補正-1/3,f5.1/500,モノトーン
コメント
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