書道家Syuunの忘れ物

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実用書道講座の凄まじさ

2007-01-06 22:34:01 | ちまたの噂・雑記事
今日「読売新聞」に「実用書道講座」の案内チラシが入ってきた。
いつも見る「ゲテモノ書道用具」をまたこれかと只見ていただけだが、今回は掲げている「作品・手本」を見てみた。
ちょいと見ると、皆パソコン毛筆文字のようだ。
それで掲げている「作品」を見ると「ウーン」とうなってしまう。はっきり言って「生きた文字ではない」。
臨書も臨書の意味が分かっていないようだ。
石に彫られた拓本の「骨」をいくら書いても臨書にならない‥‥と言うのが分からないのは、やはり師匠につかない悲しさだろうか‥‥‥
また一方では、「文字が流れたような作品」。
実用書道というから、少しでも綺麗に見えればよいというのならこれでもという感じなのだけれど。

書というものは、実は「スポーツ」と同じで「運動」であると思う。
まあ手の運動ではある。
だから書物で「こう書くのだ」と書かれても書けないのが実態だ。

昔、スキーの教則本というか、滑り方などという本・雑誌があり分解写真が載っていたことがある。
しかし、それを見て全くの初心者がスキーを滑れるかと言えば「まさか」である。
ある程度心得があったとてそのレベルに達していなれば意味が分からない。

だから、書道もそれと同じで本だけでは分からないと言うのが実態だろう。
従い、書を書く人には「師匠」と名の付く先生が必ずいる。
そして、書写と言われる「学生書道」から一般の「創作書道」との違いは歴然としている。
その違いは、「書デザイナー」で自分の表現したい「文字ではない」から、勝手に他の文字を流用するなどと言うことは、「創作書道」の世界ではあり得ない。
理由は「間違い字」として排除されるからである。
そして、文字の表現を広げたいならば書道辞典を探せばその回答が見つかることもある。
もし、駄目ならその「文字の制約の範囲内で」自分なりに表現するしかない。

只、最近ビデオやDVDがある。お手本だけでなく、その書いている様をDVDで添付されれば通信教育でも全く話が違ってくる。
スキーでも「テレビで滑り方の基本を講習する番組」をVTRに撮ったとき、これなら実際学校に通わなくてもスキーが学べると思った。
実際、それでスキーのレベルアップが出来た。

ただ書道の場合、DVDにするなら「書き手」を選ぶ。
あまり上手すぎる書家は、難なく書きすぎて困るのである。

昔、今井凌雪先生がNHKで講習されていたことがあった。
臨書も実に上手い。
困るのは「上手すぎて」どうしたらそのように書けるのか分からなかったと言うことである。
名人は、難しい文字も自分の名前を書くように、いともたやすく書いてしまうからである。

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