書道家Syuunの忘れ物

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syuun の不思議な少年時代 その29 Episode 2

2011-07-07 21:16:44 | syuun の不思議な少年時代
syuun の不思議な少年時代 その29 Episode 2

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そのYとは連続して隣の席になったが、実に妙な人物だった。
試験のあるとき、ささっと答案を書き上げてほとんどの時間を残してボーッとしている。見ると、分からない問題は飛ばして空欄であった。小生は、当然全問解答していたからそんなに早くは終わらない。終わってから見直しと確認で時間は余す事はない。
そしてちらりと見れば、直ぐに分かる明らかに違っている解答がある。
密かに「それ書き間違いだそ」と指摘すると、ちらりと答案をみて「いいんだ」とそのままで提出した。
試験の点数ではYはそれほど悪くはなかったが、実力から言えば小生と大差ないと言うのが良く分かった一幕だがその後聞いたことがある。
S「どうして間違い解答を直さないのか」
Y「勉強が嫌いなんだよう!!!」
S「しかし、今そんなことを言っている暇はないのでは???」
Y「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

事実として、大凡偏差値75以上あった前橋高校へ進学するには至難であった。
群馬県中からこの中学へ編入が絶えない時期であった当時、前橋市どころか群馬県の公立中学校でこの中学以上の進学率と「凄い中学生」が集まった場所はなかった。
結果で言うと、前橋高校へ進学した人数が一番多かったのがこの学年で、以後も以前もその記録は破られたことはない。しかも、その卒業生の中に数々の名前を知られた人物が散見するのも注目するところである。
そんな迫力のある人達の中で「勉強が嫌いなんだよう!」で済むものなのか。
そんな風な時代においては、能力があるのに「頑張らない」というのは親に対する親不孝であるし、結果として大きな禍根を残す気がするとは当時思ったものだが、自分の頭の蝿を追うのが関の山だった。
その後Yは小生の視界から消えてしまった。
そして、なぜそうなったのか今親になって良く分かるような気がするし、実の子どもも似たような感じがある。
女房殿は子育ての失敗と言い切ってしまって、あとは自己責任で大失敗すればと開き直ってしまったが、それは時代の違いである。

実際Yは「勉強が嫌いなんだよう!」で、創立4年目くらいの私立校に進学してその後どうなったのかは、その同期生の幼なじみが鬼籍に入ってしまったので良く分からない。
少なくとも、その後のYは親の後を継いで高額所得者・納税者の常連として新聞に載っていた。
そして、あるときは日本に3つしかない業種の大会社の社長として新聞に載っていた。
近年は、何回目かの独禁法違反で摘発されたという話が新聞に載った。

このYは、20歳の頃の同窓会にもその後何回か開催した同窓会にも一回も出で来なかった。
実は、同じように出で来なかった人物は幼稚園から知っていた幼なじみの女性であったが、人生の悪戯というのは、神様が人を試すように常に奇妙なところに人々を置く。

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