京都市伏見区にある「墨染寺」(ぼくせんじ)。桜寺とも言う。京都の桜の名所でもある。
4月15日、すでに満開の時季は過ぎていたが、こじんまりした本堂に、それなりの趣を感じた。
平安時代の歌人、上野岑雄(かんつけのみねお)が、友人であった、藤原基経(もとつね)の
死を悲しんで、「深草の 野辺の桜し 心あらば 今年ばかりは 墨染に咲け」と詠んだ。
すると、桜が薄墨色の花を咲かせたと言い伝えられており、そこから、墨染桜(すみぞめさくら)
と名付けられたと言う。
お寺は「ぼくせんじ」で、桜は「すみぞめさくら」と言うのも面白い。
境内にある現在の墨染桜は、三代目、と書いてあった。