大阪のミナミといえば、飾り立てられた雑多な町といった趣がつよい。
しかし、そこは天下に聞こえた大阪城の城下町。お寺も多い。
心斎橋筋2丁目、御堂筋東側には城壁に囲まれたような三津寺(みつてら)がある。
真言宗御室派の準別格本山で摂津国八十八ヶ所の第二番礼場。
本尊は十一面観音。大阪三十三観音札所の三十番札所でもある。
現在の本堂は、昭和8年(1933年)に、御堂筋の拡幅工事の際に建てられたたもの。
御堂筋に面した城壁のような鉄筋の庫裏のおかげか、昭和20年3月の大阪空襲でも焼け残った。
ミナミのこのあたりで、空襲から焼け残ったのは、「そごう」と、この「三津寺」だけだったと
言われている。
その「ミナミ」も近代的なビルが次々と建ちあがり、ミナミの面影を一変させようとしている。(おわり)