かつてのフジテレビ系ドラマ「やまとなでしこ」は、航空会社の客室乗務員・神野桜子(1972年12月18日生まれ)と元数学者で魚屋さんの中原欧介との恋物語(ラブコメ)。
放映当時、桜子さんの「愛は年収!」発言に、私たちのような貧乏理系研究者の中で、溜息を漏らした方も多かったに違いありません。まあ、この桜子さんの発言は、貧しい漁師の娘として、幼少の頃体験した極貧生活のトラウマに起因するものらしい。
そのドラマの中で、こんなシーンがあったかと思います。
桜子の同僚客室乗務員である若葉ちゃんが、借金まみれの魚春(欧介のお店の屋号)の2階にある欧介の部屋で、数学の専門書を見つけた時。欧介はこんなことを言う。
「書き込みがあるから古本屋も引き取ってくれなくて・・・」
このシーンに涙がほろり。そうでなんです。貧しくとも、研究者は、身銭を切って専門書を買い、その専門書を貪り読み、時を忘れ、その世界に没頭してしまうものなんです。そして、その思考の過程、疑問に思ったこと、湧いてきたアイデアなどを本の余白に書き込んでしまうのです。
専門書はベストセラー小説と違って高価です。だからと言って、人から借りて読んだとしても、どうでしょうか? 身になるでしょうか?
つまらない専門書も多いのですが、これはと言う専門書は、たとえ高価であったとしても身銭を切って買い、手もとに置いておきたいもの。
そうして購入した本の一つ一つは、とても愛着が出てくるものです。
院生の皆さんは、気軽に教員から本を借りていきます。一時的にはそれで良いのですが、ぜひ、自ら購入してほしい。そして、速やかに借りた本を教員に返却してほしいものです。次に待っている院生のためにも。
もうすぐ、桜子さんの誕生日。明後日です。再び数学に世界に身を投じようとしてニューヨークに渡った欧介と桜子さんは、その後どんな暮らしをしているのでしょうか? 相変わらず、学者貧乏なのでしょうね。 えっ、ひょっとして、フィールズ賞受賞なんてことは?
そして、受賞記念に、桜子さんが、ニューヨークのカラオケバーでこんな歌を歌ってたりして、、、、
♪純情・愛情・過剰に異常
やまとなでしこ 七変化~
素顔の方がウソつきネ♪
(小泉今日子の「ヤマトナデシコ七変化」)
あるいは、「なんてったってアイドル」(小泉今日子)を替え歌にして、
♪なんてたって ビンボー
なんてたって ビンボー
私は ビンボー
ビンボーは やめられな~い♪
(私が院生の頃、研究室で流行った替え歌)
数学界のノーベル賞と言われているフィールズ賞。その賞金額は、100~200万円くらいなのだそうです。
ねえ、桜子さん! がっかりしないでね。
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