巷では、クリスマス。昨年のクリスマスは、南極宗谷海岸スカーレンで迎えました。ルンドボークスヘッタでの調査の後、12月24日にヘリコプターでスカーレンに移動。ここは、昭和基地から南に約60km離れた大陸です。
調査チームは、46次からは地学隊員の佐藤さんとフィールドアシスタントの山崎さん、47次からは生物隊員の高野さんと私。さらに、昭和基地から環境省の桝さんが加わり、合計5名となりました。
スカーレンには25次隊(今から23年前)が設置した居住カブース(略して、居カブ)が設置されています。カブース内部は、約4畳のスペースで、無線機、非常食、布団等が備えられています。しかし、5名の寝食には狭いので、ヘリポート近くでテントを張ることにしました。居カブでは食事と湖沼で採取した堆積物コアの処理を行うこととし、テントで寝ることに。
この日、「しらせ」から野外食料の補給とともにクリスマスケーキとシャンパンが届けられました。そこで、夕食後、人生の先輩の方にシャンパンを開けていただきました。
おそらく最初で最後のスカーレンでのクリスマスでしょう。得難い経験をいたしました。これも多くの方の犠牲の上に成り立っていることです。そんなことをつくづく感じながら、テントで寝袋に潜り込みました。
翌朝、テントは粉雪で覆われていました。しばらくすると、晴天が回復し、スカーレン大池での調査を開始。1m余に及ぶ表面氷を掘削して、堆積物コアを採取。出会って1週間しか経たない46次隊員たちとの協同作業。お互いの信頼感なくして、危険な作業はうまく行くはずがありません。野外調査が初めての桝さんも意欲的に参加してくれて、本当に助かりました。
あれから1年が経ち、それぞれが元の職場に復帰。と思いきや、山崎さんは北極探検に出かけてしまいました(『アバンナットプロジェクト』)。犬ぞりで北極圏13,000kmを横断する計画とのこと。人間が生きていく上での極限と向かい合う日々の連続に違いありません。
真冬でも快適な北海道の室内生活。せめて、室温くらいは15℃で生活しよう(かな)。
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