はじまりがあれば、おわりがある。そして、また、次のフェーズへ進んで行く。
第47次南極観測隊を応援してきた、み・くりさんのブログ「Katabatic Wind~ずっと南の、白い大地をわたる風」も、ひとまずの終止符を打つことになりました。さわやかな「風がわたる」、前向きな終わり方が感動を誘います。み・くりさんらしいです。そして、未来につながる情報発信を別な形ではじめる、み・くりさんに期待いたします。
「Katabatic Wind」の最終エントリー「ありがとうございました。」には、私の過去のエントリー「ブリザード」が紹介されています。南極大陸での野外調査中、天候が悪化し、観測小屋の中で3日間たった4人で過ごしたことを綴りました。
さて、電話も、テレビも、ラジオも、インターネットも無く、外部からは完全に隔絶された環境に3日間おかれた場合、あなたはどんなふうに時を過ごしますか?
いつものレトルトを中心とした食事を終え、もう一人の生物隊員の高野さんと「ひまつぶし」の会話。
「今日もレトルトの鰻蒲焼きでしたね」と高野さん。
「うーん、そうだね。この中国産鰻にも飽きましたね。なんて、贅沢なこと、いってんだろうねえ」と私。
そうです。閉ざされた環境では、食への欲望がつのってくるのです。それで、日本に帰ったら、「あれも食べたい、これも食べたい」談議が始まるのです。高野さんと共通して食べたい物は、札幌の炉端焼きのお店「炙屋」の生太巻きでした。そのイメージを頭の中で浮かべてしまうと、もう大変です。唾液が止めども無く出てしまうのです。典型的な、パブロフの条件反射。
で、私にとって、何が一番食べたかったと言うと、「ひつまぶし」。炭火でカリッと焼いた鰻を刻んで、アツアツのごはんに載せ、特製のタレをかけたもの。これだけは、家庭でなかなか再現できない料理の一つです。食べ方は好みですが、一応の作法では、飯篦で「ひつまぶし」を4等分する。最初の4分の一は、そのままいただく。好みによっては、山椒をかけても良し。
残りは、あなた次第ですが、きざみネギ、ワサビ、山椒、そして特製タレを好みに加えて、お茶をかけていただく。お茶漬けにしていただきながら、時々、奈良漬けや肝吸いに手を付ける。
そんな、こんなを、思い浮かべながら、南極大陸で過ごす、贅沢な「ひまつぶし」。ブリザードも、はじめがあれば、必ず、おわりがある。
あれから、1年以上が経ち、ゴールデンウィークの一日。どこへも出かけず、ゆったりした時間の中で、今晩の献立を考える。逆立ちしても、「ひつまぶし」なんて作れないな。レトルトの鰻蒲焼きを解凍して、鰻丼にしようか?
<追記>
札幌で、「ひつまぶし」が味わえるお店をご存知でしたら、お教えください。
ということで、とりあえず、闇雲に検索してみました。
結果、厚別に行けば食べられるようです(↓)
http://www1.ocn.ne.jp/~ikiunagi/
最寄り駅は新さっぽろ駅、でしょうか。
ちなみにこの情報は、「札幌 ひつまぶし」で上位に来た二つのブログからたどりました。ブログが検索エンジンで上位に来易いのは聞いてましたが、なるほどこういうことか、と実感した次第。
「ながき」とは、お初でした。情報ありがとうございます。
札幌も、ようやく桜が咲きましたよ。
新さっぽろですか? それならば、近いですね。今度一緒に行きましょう!