福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

地球の果てで愛を叫ぶ

2007-08-28 07:12:18 | 南極

07082503ここは、南極リュッツオ?ホルム湾ラングホブデ。日本からはとてつもなく遠く、ここにたどり着くのは極めて困難。大陸氷河が迫り出し、青白い光を放している。

南極大陸で過ごす最後の晩。調査を共にして来たAさんが、日本にいるB子さんへの愛を叫んだ。

0708250407082505実るのか、実らないのか、私と高野さん(JARE47生物隊員)は、ずうっと、Aさんを見守り続け、応援してきました。

そして、8月25日(土)、お二人は東京・麻布で挙0708250107082502式。めまいがするほど暑い日、私と高野さんは、お二人の結婚披露パーティーに出席してきました。

私は、乾杯の挨拶を仰せつかっていましたので、前の晩からその直前まで、スピーチの内容を考え続けていました。

改めて、結婚とは何かを考えてみました。私自身、既に50歳を目前にし、「老い」を感じ始めました。そんな立場から見えてくるものは、「夫がいるから妻として、妻がいるから夫として、子がいるから親として生かされている」ということ。若い頃は、有り余る体力や熱情で苦難を乗り越えることができる。しかし、歳を重ねれば重ねるほど、特に45歳以降は、家族の存在が生きていく上でかけがえのないものであること。

若いお二人の乗った船(家庭)は、まだまだ脆弱かもしれない。これから押し寄せる苦難もどうか乗り越えて欲しいし、だからこそ、喜びもひとしお。揺るがない家庭を築くことが、仕事も充実させてくれるでしょう。

Aさん、B子さん、ご結婚おめでとうございます。南極観測で結ばれた愛。ずうっと応援してきましたので、我が身のように嬉しく思います。末永くお幸せに。