気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

What You Want To See by Kristen Lepionka

2020-05-23 13:34:33 | 読書感想

Shamus Award 2019 BEST PI HARDCOVER Winner

オハイオ州 6月 火曜日 Roxane Weary の探偵事務所

一週間前 私は印刷工房を経営するArthur Unglessと会う。10月に婚約したMarin Strasserの様子が最近おかしいので浮気していないか調べてほしいと依頼してくる。

私は、彼女を4日間尾行するがインテリアデコレーターという彼女は家具店を見て回るだけで、人と話すことも会うこともなかった。彼女が浮気している様子は全く見られず、尾行しても無駄だと思うが依頼人がやめろと言わない限り、報酬を支払ってくれる限り私は尾行を続けるつもりだった。しかし、金曜日の朝、喫茶店で寛いでいる彼女を見張っている私に、Arthur が私宛に振り出した小切手が不渡りであるとの警告がメールで来る。私は彼女が喫茶店を出る時、尾行するのを辞めた。代わりにArthur の工房へ向かう。彼は小切手が不渡りになったことに呆然としていた。彼は小切手の振り出しに備えて7万5千ドルを銀行に預けていた。彼は金はあるので調査を続けてほしいと懇願する。私は不渡りの問題を解決して、その後、まだ調査して欲しいと考えたら連絡して欲しいと言って去る、

そして今日、刑事が私を訪ねて来て、私はMarin が銃で撃たれて殺害されたことを知る。刑事はArthur を犯人と疑っていた。彼が紛失したと主張する銃と犯行に使用された銃が同じ口径の銃であること、尾行をやめた金曜日の夜、Arthur はMarin とレストランで食事中に、激しい口論となり彼が彼女を殺してやると叫んでいたことをウエイターなどが見ていた、その数時間後、彼女は殺されたが彼にはアリバイがなかった。

Arthur に会いに行った私は、彼が犯人と疑われていることを心配している様子はなく、彼女を失った哀しさに打ちひしがれている様子を見て彼が犯人でないことを確信する。

小切手の不渡りを知ったArthur は、結婚準備のため渡した白紙小切手でMarinが75000ドル使っていることを突き止める。レストランで食事中、Arthur はMarin に小切手の件と浮気を疑って私立探偵を雇ったことを話し、彼女と口論となった経緯を私に話す。そして、Marin に何があったのか?調べて欲しいと、再度私に調査を依頼する。

私は、Marin が親戚、友人が皆無で、Arthur と出逢うまでの生活の痕跡を何も残していないことを発見する。ただ一つ、Arthur には見つからないように隠していたロケットに入れた少年の写真を除いて。Marin について粘り強くネットで検索した私は、Marinがネットで盗品を売買していると告発しているコメントを発見する。

ネットに投稿された件とロケットの写真の情報を得ようとArthur に会いに行った私は、車に乗った何者かによってArthur と若い女性が狙撃される場面に遭遇する。女性は死亡、Arthur は重傷。この襲撃はMarin の事件と関連しているのか。銃撃事件の割には大量の捜査員が投入されていることに疑問を抱いた私に、警察は殉職した父の相棒であった刑事のTom を通して調査を中止するよう要請してくる。私は警告を無視して、この銃撃事件も視野に入れて捜査を続ける。そして私は、ロケットの少年はMarinの息子で、彼がつい最近刑務所から出所したこと、親子は結託して金持ちから家具などの財産を騙し取り、売り飛ばしている詐欺の常習犯であること、また銃撃事件に関連してArthurの印刷工房に警察の捜査の目が向けられていることを突き止める。さらに深く捜査を進めようとする私に犯人と思われる人物から手を引くように警告がくる。その脅しに怯むことなく私は捜査を続行するが、犯人は私の家族までも標的としてくる。

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久しぶりにタフな女性が主人公の本格的な探偵小説を読んだ。プロットも良くできている。捜査の情報を得ていた刑事で元カレ(?)のTomとの接触を禁じられて、憮然としながらも、関係者と思われる人物や隣人への聴き込み、ネットで得た情報を、パズルのピースのようにカチリカチリと組み立て犯人に迫っていく過程は、昔のミステリーを思い出させてくれて、読んでいて心地が良い。

☆一言で言い表せないほどキャラクターがユニーク。

嘘をつくのは自分の特技と考えている彼女は、Marin について情報を持っているアンティークショップへ聴き込みに行くが、同業者のフリをしているのがバレて警察に電話すると脅され早々に退散。

私生活はTomとCatherineという男女の元彼、元彼女を持つよくわからない恋愛観、生活する上で湧き上がる不安やストレスを解消するにはウィスキーをグビリと飲むのが最高だと思っていて昼夜を問わず飲む…1日3杯だけと自分に言い聞かせながら。

地元マフィアから仕事の依頼があるが、自分は非合法な組織とは取引しないと面と向かって明言する。内心では何かされるのではと怯えながらも、信念だけは曲げない。

…とにかく愛らしいキャラです。

★★★★292ページ ペーパーバック2019年5月出版 420円(2020年2月購入)


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