歴史的建造物が並ぶSouth Dakota州DeadWood市の7月
9歳の男女の双子を持つシングルママのViolet Parker は、二つの心配事を抱えていた。
一つは失職の危機。彼女は、Calamity Jane 不動産会社に勤め始めてからは2か月以上経ったにもかかわらず一件も売買契約を成立させることができず、3週間以内に取引を成立させることができなかった場合、解雇されるという局面に立たされていた。
そしてそれ以上に彼女が気を揉んでいたいたのは、Deadwood のような小さな町で今年になってから続けざまに起きている2件の9歳の少女の誘拐事件だった。誘拐された少女たちが彼女の娘Addyと同じ9歳だったため、彼女は言い知れぬ不安に駈られていた。
そのような時、地元で宝石店を営むWolfgang Hessler が母親が住んでいた家を売りたいと彼女を訪ねてくる。ほぼ同じとき、隣の事務所に越してきたDocという男が家を買いたいと彼女のもとにやってくる。やっと運が向いてきたと彼女が喜こんでいる時、AddyからKelly という友達を家へ連れてきたいという電話がある。彼女は、娘に友達ができたことを喜ぶが、娘からKelly の友達だった少女が、去年の夏誘拐されて行方不明になっていると聞き、衝撃を受ける。誘拐事件が2件ではなく3件起きていると知ったVioletは、次の犠牲者に娘がなることを心配し、誘拐事件について調査することを決断する。
3件の誘拐事件について調べ始めた彼女は、たまたま目撃したある出来事から一人の男を疑い始める。そして、Violetはその男と少女たちの接点も発見する。もしも男が誘拐犯ならばAddy にも危険が迫る。彼女は、娘を守るためにも決定的な証拠を見つけ出そうと決心する。
***********************************************************************
大金持ちの男Wolfgangと正体不明の謎の男Docとの間でヒロインの恋心が揺れ動くコージミステリー。
誘拐を扱ったミステリーと思って読み始めたが、誘拐小説に見られる緊迫感がなく、彼女が土地を売ることができるのかどうか、隣の男の正体が何者なのか?がメインの物語のような気がした。最後、思いがけない展開になるが、プロットも雑のような感じがする。
一人称で語る彼女のキャラはとても愛らしいのだが、知的な面が物足りない。仕事とプライベートは分けると云いながら顧客とデートを繰り返す、彼女の可愛さと言って許すか、それともプロ意識を持てと言うべきか悩むところ。でもやはり、彼女の顧客すべてが必ず誘いをかけ、彼女も誘いに乗るのは異常、わきが甘い!
同僚のRayの彼女に対するセクハラ、パワハラは、物語を面白くするためかもしれないが限度を超えていて不快を感じる。またDocのキャラも彼の癖(?)を見ると魅力的な男に見えないのだが。
シリーズの次の作品を読むかと問われると躊躇してしまう。
eBook(Kindle版) ★★ 2011年1月出版 376ページ 336円
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます