私のような起業もせず、上と喧嘩ばかりしてきたサラリーマン失格では、この恵まれたぬるま湯のような日本だから極貧とはいえ何とか生きてこれたのでしょう。
これが、もし中国に産まれていたらどんな悲惨な目にあっていたことか。やはり、日本に産まれただけで勝ち組じゃないでしょうか。
その悲惨な中国の子供達の戦いを、何時もの宮崎さんがかいてくれています。
宮崎正弘の国際ニュー ス・ 早読みより 平成30年(2018年)6月22日(金曜日)弐 通巻第5732号
中国の 「起業第二世代」はベンチャー・キャピタルの資金が集めやすい
ならば大蹉跌したとき、責任は所在は誰になるのだろう?
小紙の前々号だったか、トランプ政権で強引な対中制裁路線を推進するピーター・ナバロ通商産業政策局長が報告した中国の経 済レポートで、中国人留学生は年間30万人との指摘があった。
しかし、この数字は古い。現在は年間60万人以上が米国に留学し、しかも40万人前後が中国に帰って、隙間ビジネスから EV、ロボット、自動運転、IT、AIなど米国で学んできたの最新技術を背景にベンチャーを起業する。
現在、中国の大学卒業生は790万人から810万人ほどおり、米国留学はこのうちの7・5%程度になる。異常に高い数字で ある。日本人の米国留学が激減している現象と対照的である。
なぜこうなったかと言えば、大学卒業が現代中国の「科挙」を意味するからであり、一人っ子が殆どの中国社会ではブルーカ ラーにはなりたくない。花嫁も来ない。一生うだつが上がらない。だから両親も祖父母も、自らの生活を切り詰めてでも、こども を大学へ送り込む。
いや、幼稚園からすでに中国では競争である。
保育園にも「名門」があり、なんと保育料は月に20万円という(年間ではない。毎月である)。公立保育園は一万円程度だが、 一人っ子を「小皇帝」とする中国では、有名幼稚園におくることから始めるのだ。
となれば大学は駅弁大学、インチキ臭い大学も出来るだろうし、金を積めば卒業証書を呉れる悪徳経営陣も出てくるだろう。
統計によれば2017年の帰国組は48万人で、このうちに23万人が博士号もしくは修士号取得者だったそうな。
この中国版「新人類」は、大企業に勤めたり、公務員になるより、技術に自信があれば、すぐに起業する。自分が自分のために 人生を賭けるのだ。
しかも起業に際しては、中国政府が奨励し、補助金を出している。第十九回共産党大会と2018年の全人代で、李克強首相が懸 命に訴えたのは「MADE IN CHINA 2015」だったように、次世代技術に本格的に取り組むためには若者の起業を 促すことに力点が置かれるとした。
この中央政府の方針に便乗して、地方政府はビルのフロアを格安で、かれらに提供する。多くは三ヶ月以内が条件で、その間に将 来の見通しがたたなければ立ち退きとなる。なかでも広東省政府はビルの家賃無料どころか、ベンチャー企業社員のマンションの 家賃まで負担している。背景に中国共産党が進める「メイドインチャイナ2025」という大戦略があり、ふんだんな予算がつい ているからだ。
▲若者に「起業」を薦めるのは失業対策でもある
もとより起業を盛んにすすめた理由は、失業の若者が反政府暴動を起こしかねないからで、就職難の状況に活を入れるためにもベ ンチャーを奨励して補助金をつけるという絶妙のアイディアを発見したのだ。
エネルギーを反政府に向かわせないためでもある。
ウーバーも、ネットの出前サービスも、車の自動運転技術に特化した新興企業も、こうして雨後の筍のごとく乱雑に粗製され た。
「これは!」という技術を持っていると、米国などのファンドがやってきて幹部に面会し、ベンチャーキャピタルがどんと入って くる。
げんにアリババなどは、ベンチャーのなかでも、将来性のある「飢了磨」(ウーラマ)やOFO(シェア自転車)を買収した。つ いでに言っておくとアリババは「アリペイ」(スマホ決済)、陶宝(ネット通販)、借唄(小口金融)など将来性のある起業を 片っ端から傘下におさめ、総合的なネットビジネスの覇者を目指している。
そのうえ中国的特質は株式上場がしやすいという資本主義社会ではおよそ考えられない支援体制がある。
一般的に日本の場合は経理報告を念入りに調べられ、過去三年くらいは連続的に経常利益が計上されていること。取引先の信用度 など、あれもこれもと調べられてから株式の上場が認められる仕組みだから、この「インスタントIPO」(IPOは新規株式公 開)という遣り方は常識外である。
また中国人のドライな感覚はアメリカ人と同質なところがあって、いつまでの自社にしがみつかない。儲かっている企業を横か ら買収するという敵対的なM&A(企業買収&合併)のやり方も中国人とアメリカ人は感性が酷似している。
▼粗製乱造も中国人の感性にぴったりなのだ
中国のこうした環境の下では粗製乱造のベンチャー企業に巨大な夢が集まりやすい。しかし成功するのは「千三つ」(千件に三 件)ではなく「万三つ」の世界だ。大概は失敗して、ファンドの出資金は返せず、そのうち行方不明になる。
あるいは腕を活かして成功したベンチャー企業に入り、腕をさらに磨いて次の起業に備えるのだ。
韓国でも大手財閥に就職できるのは、大学卒業の2%程度で、あとは「負け組」に勘定されるが、かれらもまた、すぐに起業す るのである。ところが韓国通の室谷克実氏によれば、「起業」の内容たるや、九割が屋台。しかも年収はせいぜい50万円ほど。 一年後にはほとんどが廃業しているという。
中国の若者を引き付けてやまない起業家への夢は、アリババ、テンセントなどが、大成功という道を辿ったからで、アリババの ジャック馬や、百度のCEO李彦宏、テンセント(騰訊)の馬化騰などが現代中国のヒーローとなる。
もし仮にジャック馬らが[起業第一世代]とすれば、いまは『第二世代』の時代に突入しているのである。
そして第二世代がもっか集中して開発しているのが自動運転テクノロジーである。
もともとは米シリコンバレーのグーグルで生まれ、先駆者は「ウェイモ」「オーロラ」「クルーズ」など。基本はグーグルからの 独立である。
中国も同じようなスタイルで「百度」からスピン・オフしたエンジニアらが「仔馬智行(ポニーa)」、「深せん星行科技(ロー ドスター)」「景馳科技」など注目株にベンチャーを立ち上げた。まったくの新興勢力である。
スマホ決済が中国で急速に進展した理由も、じつは簡単である。
日本と違って現金は偽札が多い。中国で流通している紙幣の20%が偽札である。つぎに信用カードだが、これもニセモノがお おいうえに、スキミングされやすく、詐欺に使われることが多い。
それゆえ、スマホ決済にみなが飛びついたのだ。
末端の若者とてつねにニッチを狙う。典型が「飢了磨」で、マックの注文を個別にとり、代理にマックで希望の品物を購入し、 注文主に配達して、しっかりと手数料をとる。
元手もかからず、瞬く間に、あらゆる出前に適用され、これに目を付けたアリババが買収したのだ。
原型はむかしからあるダブ屋である。
鉄道駅に並ぶとかならず声をかけられる。先頭付近に並んでいる相棒に合図して、順番をとり、手数料をとる。病院でも朝から順 番待ちの札を確保して、遅れてきた患者に売りつけるビジネスがあった。あれを出前に適用したに過ぎないが、当ったのである。
日本はこうした中国人のエネルギーに負けているかも知れないが、しかし日本でも孫正義、楽天の三木谷、ライブドアのホリエ モンなどの成功者がいる。
いずれにしても世界中で成功者にのみ光りが当たっている。その陰に隠れたが多くのベンチャーが失敗に終わっている。
▼日本も中国人留学生、研修生のヴィザを制限するべきではないのか
しかしちょっと待った。
たちどまって考えてみると、中国のやり方が不公平である。WTOは政府補助金の輸出を不公平取引と規定している。だから太陽 光発電パネルや風力発電装置を中国政府は奨励し、補助金もつけたが、それを輸出する際には国際的な問題となった。
国内産業の奨励とはいえ、補助金はほかの国の状況を比較すれば不公平である。
なぜ、中国政府は表向き「MADE IN CHINA 2025」などと標榜して優秀な人材、エンジニア、発明家を特定のテ クノロジー開発に集中され、補助金をつけているのか。
答えは明瞭である。
AIもITも、そして自動運転も将来の軍事技術に直結するからである。自動運転はドローンではすでに実現しているが、これが 自動車から転用され、装甲車、戦車に転用しようとしている。AIもITも、そしてリチュウムり電池も、将来の兵器、そしてロ ボット兵士への技術転換が容易になるからにほかならないだろう。
アメリカは中国の「MADE IN CHINA 2025」戦略に潜む中国の軍事的野望をすでに見破っている。だからハイ テク企業への中国のベンチャー・キャピタルの出資を制限し、企業買収を阻止してきた。
そのうえ、中国人へのヴィザの制限を実施し始めた。
中国人留学生のヴィザはこれまで五年間だったが、一年間の短期に「修正」された。中国の現実の脅威を目の当たりにして、米国 はようやく重い腰を上げたのだ。
こんな過酷な環境の中で戦っているしたたかな中国人に平和ボケ日本人が太刀打ちできるとは思えません。
やはり、特亜3国とは付き合わないことを憲法に書き込むべきです。未来永劫付き合わないことを国是にしておきましょう。それこそが、日本が生き残る道です。
何とも、気の毒な特亜3国!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます