キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

ブルゴーニュ試飲会

2008年02月23日 | Weblog
2月21日にブルゴーニュワインのセミナー及び試飲会が、ウエスティンホテル東京でありました。セミナーはブルゴーニュのかたがその特性について説明され、一般的な事が多く、目新しい事はあまりありませんでした。最後に聴講をしたかたから質問があり、全く頓珍漢な答えをしていらしたので、おい大丈夫かよと思わず余計な心配をしてしまいました。地質学と土壌学をある程度やっていないと答えられない質問でした。まあ、現地に行って、畑を見てまわり、ワインを大量に飲み込む事が一番の理解に繋がるわけで、言葉による説明には限界があり、ブルゴーニュに肉薄するのは難しく、道しるべになれば役割を果たしているのだと思います。

試飲は典型的なブルゴーニュを赤白揃えて、渋谷康弘さんがコメントをなさいましたが、やはりそのコメントに新しさや輝きは無く、この分野の停滞を顕にしているような気がいたしました。通り一辺倒なコメントではなく、新しい言葉を駆使したワインの表現が欲しいですね。開高健さんや嵐山光三郎さんなどのエッセイを読んでおりますと、いかにも美味そうだ喰いたい、飲みたいという表現に遭遇いたします。そんな風に皆さんにワインを表現できたらと思うのですが、こちとら言語芸術の素人ですから、そこまでは行けないにしろ、いいかげんワインのテイスティング・コメントの常套句とさよならしたいものです。

試飲会場には当社の関係者、といっても相変わらずのオリビエ・トリコンとジャン・フィリップ・マルシャンですが、夫々ブースを持って奮闘しておりました。彼らは複数の輸入元があるので、アグリが全面的に表に立って協力をするわけではなく、黒子になって協力をしています。2007年の雹による収穫量の激減で価格がさらに高騰したシャブリは、ユーロ高と相まってバンバン売れる商材ではなくなり、新たチャネルを持った輸入元をオリビエが探し出してくれたら良いなあと思ったりしております。ジャン・フィリップのところのワインも、ボージョレ・ヌーボーをある程度の数量販売しているだけで、彼の高級ブルゴーニュ・ワインの販売はさっぱりです。他の輸入元がコンスタントに販売してくれているので、そちらの販売の応援をしているような有様です。いずれにしろオン・トレード・マーケットへの販売の拡大は急務です。

さて、気になったワインですが、AFグロと試飲商談を行い幾つかのワインの購入をいたしました。名前が通っていて人気があり、ブースの前も人だかりで大変な賑わいでした。飲んでみて心を動かされるような、あるいは音楽が鳴り出すような素敵なワインには当たりませんでしたが、全てのワインがハイスタンダードで、高い人気は安定した品質によって培われたものだと感じました。

もう一社ジャン・フィリップの友人の処のワインが中々でした。うちのソムリエはボンヌ・マールが絶品と大誉めで、私はボーヌの1級に掴むものを感じ、上出来のブルゴーニュに仕上がってゆくのではないかと感銘を受けました。

後一月もすると、昨年10月に一週間ジュブレ・シャンベルタンのジャン・フィリップの安ホテルに滞在して、探し回って買い付けたブルゴーニュが日本に到着いたします。直に飲めるエレガントで繊細なワインと少し寝かせようと買い付けたものがあるのですが、この最初のグループのワインは飲んだときに嗅覚味覚の刺激が脳にホップして、音楽や色彩に変化するような驚き、飛躍、美しさを持っているような気がしてます。そんな事あるかい、と仰るかたがいらっしゃると思います。ま、私だけが感ずる事なのかもしれませんが、最近はそんな事をキーにワインを選んでおります。近いうちに該当するワインを具体的にご紹介しようと思っておりますので、ぜひ楽しみにしていてください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« キュイジーヌ・コンテンポレーヌ | トップ | シャトー・カブザック »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事