其の参
『弓矢で誘拐成敗』
帰って来た模試の結果が最悪で落ち込む小太郎。
合格率は5%以下。
母親にも「何これ?」と言われるが、
父親は相変わらず優しい。
あいが行方不明と連絡が入る。
中村やサヤカとあいを捜す小太郎。
あいは路上ライブをやっていた。
ミュージシャンになるのが夢らしい。
小太郎たちはあいの歌を聴く。
そんなあいの姿を撮影してる男が・・・
翌日、あいの路上ライブがネットにアップされていた。
掲示板に応援のコメントやスカウトなどが書かれ、
あいは満更でもなさそう。
しかし次の日、掲示板には誹謗中傷が書き込まれる。
クラスメイトの本心も聞いたあいはショックを受けるが、
小太郎が励ますが気分は晴れない。
けどあいは、ディレクターと言う男に連絡をする。
家に帰りパソコンを開く小太郎。
“悪口はやめよう”と書き込む。
その時、父が部屋にやって来た。
「お! チャンバラごっこ再開?」
「勝手に入んないでよ!」
「ノックしましたぞよ、小太郎殿。」
「やめてよ。」
「何故じゃ。面白いではござらぬか。」
「じゃ、勝手にやれば?」
「なれば申すが、焦らんでも良いのでは?」
自分でやりたいことを見つければいいと父。
やりたいことがないから悩んでると小太郎。
「すぐにとは申しておらぬが? 小太郎殿。
チャンバラの時代だって武者修行っていうのがあったんだろ?
真剣に悩むなら、立派な修行ってことだよ。
ま、一生悩まれたら困るけどね。」
その間も次々に掲示板に書き込みが。
遂には“死ね”と書き込まれてしまった。
それを見た小太郎は頭にきて、侍小太郎に変身!!
パソコンの画面にものさしを刺し、
「死ねとは聞き捨てならん!!
名も名乗らぬ卑怯者!!
わしに死ねと命ずることが出来るのは殿だけじゃ!!」
部屋を出て行く侍小太郎。
そんな小太郎を見て父が、
「相当追い込まれてるな、あれ・・・」
「拝借致す!」と母に言い、
シーツを持ち、書道具、ものさしも持って
家を出て行く侍小太郎。
学校に行き、墨を磨り始める。
翌朝、学校に来た生徒たちが
掲げられていたシーツに驚く。
“果たし状
永沢殿、並びには拙者を
愚弄したる卑怯者どもへ
名を名乗るべし
汝らを討ち果たす所存なり
三の刻 此処にて待つ
望月小太郎”
侍小太郎に自分は平気だからと言うあい。
「暫し待たれよ!
何故逃げる!!
そなたは悪くはないではないか。」
「そうよ。だから一切気にしないことにしたの。」
「それで良いのか?
卑怯な敵に屈し、泣き寝入りをしては、
志は貫けぬぞ。」
そう言い、教室を出て行く侍小太郎。
そんな小太郎を変だと言うクラスメイトたち。
「変じゃないよ!!
・・・変じゃないよ。
望月くんは・・・」
小太郎を庇う中村。
そしてあいに向かって言う。
「僕は・・・殿が正しいと思う。」
(俺も、悔しいけど間違ってないと思った。
おい、侍。
お前、カッコイイと思う。
この際、好きなだけやってくれ!!)
外に出て果たし状を広げる侍小太郎。
「皆、よう聞け!!
お主らには皆、名前があるはずじゃ。
中村殿。
お主の名前は誰が付けた?」
「死んだ父ちゃん。強くなれって、剛って。」
「皆聞いたか!?
人にはそれぞれ、親から貰うた大事な名前がある。
一つ一つに、付けてくれた者の、
大切な願いが篭っておる!
よって人は、その何恥じぬ生き方をせねばならぬ!!
その名を隠し、掲示板とやらに、
卑劣な事を書き込んだ輩に物申す!!
堂々と名乗れ!!
わしは何時でもここで待つ!
姿を見せよ!!」
あいが小太郎のところへやって来る。
「止めても無駄じゃ。」
止めないと言うあい。
そしてあいはみんなに誰がこんなことしたのかと、
2度とあんなことしないでと叫んだ。
呼び出された小太郎たち。
「恐れながら、何か無礼な物言いをしたでござるか。」
「いや・・・
無礼、って言う訳ではないけれど・・・」と教頭。
「愚かな事はおやめなさいと言っているのよ。
今回の事は自業自得です。
夜遅くに、上手くもない歌を歌ったりするから
こういうことに巻き込まれたのよ。
大人しく嵐が過ぎ去るのを待っていればいいものを、
わざわざ騒いだりなんかして。」と校長。
「すみません。
・・・すみません、でした。」とあい。
「なぜ謝る!!
悪いことなどしておらぬ!!」
「いいの。」
「ようない!! お主!!」
「お主?」と校長。
「物申したいことがある!!」
校長に向かって行く小太郎を止めるあい。
(永沢!!
そんなにくっついたら、無理! 無理!! 無理~!!)
侍小太郎は気を失い、元の小太郎に戻ってしまった。
「なんなの? 答えなさい、望月くん。」
小太郎なりに必死に答える。
そこへ百合香が入って来て、
最初に書き込みしたのは自分だと名乗り出た。
そしたら、次々に悪口が書き込まれ、
どうにも出来なくなったと。
同級生たちに囲まれ、責められる百合香を見て、
中村が百合香はよく言ってくれたと言う。
小太郎も勇気があると言う。
あいが百合香に歩み寄り、突き飛ばす。
悔しかったし、自信もなくしたと言うあい。
けど、もっと上手くなりたいって思ったと。
ディレクターにも会うと言う。
だからこれでおしまい。
元通りと言って和解する。
ディレクターに会う日、百合香も付き添う。
あいが車に乗るのを見届けたが、
その男が動画を撮ってた男だと気づいた。
すぐに小太郎たちに報告。
小太郎は飛び出して行く。
あいが乗った車を自転車で必死に追いかける小太郎。
目の前の障害物に気づかずにぶつかり、
道路下の川へ投げ飛ばされたが、
落ちた場所は船の上だった。
衝撃で?侍小太郎に変身。
髪を結び、武器を物色。
あいを乗せた車の前に
仁王立ちの侍小太郎が現れる。
車はクラクションを鳴らすが、
侍小太郎は一歩も動かない。
そして、お手製弓矢を構え、
「身分を偽り、
おなごの清き夢をエサに手籠めにしようとは。
お主の生き様、口惜しゅうて仕方ないわ!!」
放った矢はタイヤに当たり車がスピン。
「成敗!!」
あいを助け出した侍小太郎。
「ありがとう。
あのさ、どうなってんの?
最近、急に強くなったり、弱くなったり。」
「そなたには申せぬ。」
「・・・ま、いっか。
こっちの小太郎の方がいいし。」
(え!? そんな・・・)
「さっき、私のこと、
勇気があるって言ってくれたよね。
嬉しかった。」
(それは俺が言ったの!!)
「私、ホント言うと逃げ出したくなってたんだ。
でも、もう逃げない。
やっぱり大学目指す。
勉強も音楽も、両方頑張るよ。
ありがとう。
小太郎が励ましてくれたお陰。」
と言い、握手を求めるあい。
(ズルイよ!!
励ましたのは、本当の俺の方なんだよ!!
ねえ!!)
あいの腕を掴む侍小太郎。
そこへ中村と百合香が駆けつける。
(中村、来るな!!
お前も俺も失恋寸前。
俺たち、400年前の侍に負けちゃいそうだよ!!)
小太郎も中村もあいが好きなの?
どこが?
って言っちゃダメか(笑)
今回の話は強引すぎた~。
あいがミュージシャンって・・・
相変わらず侍小太郎はかっこいいです。
けど侍小太郎のお陰で、
小太郎も中村も少しずつ変わってきてるね。
小太郎の父親がとてもいい!!
侍になった小太郎のことも
変に思わず受け入れてるのが凄いね。
本物の侍だとは知ってるはずないんだけど、
対応してるとこが凄い。
其の壱 其の弐