▼核のゴミ地下埋設場の文献調査に応じた、北海道寿都町では、町民の“分断”が始まっているという。
▼国の全面的援軍を確認し、首長が独断で受け入れを決断した。議会は反対と賛成が拮抗し、議長のキャスティングボートで、かろうじて採決となった。
▼そこに地域の分断が始まった。賛否別れる住民は、核心についての会話ができない状態だと、現場に出かけた女性から聞いた。
▼ふと、朝鮮半島を思い出した。米・ソの後ろ盾で始まった朝鮮戦争は、民族を分断し、骨肉の争いを起こし、僅か3年間で400万人も死者を出し、今も停戦中だ。
▼だがこの戦争の発端となったのは、35年にも及ぶ我が国の「韓国併合」にある。今の我が国は、その歴史を忘れているのか、忘れたふりをしているかだ。
▼親族がいまだに骨肉の争いをしている状況は、今後の寿都町の未来が見えてくるようだ。住民を交付金で分断し、核のゴミ処分場を決定するというやり方は、我が国に古くからある「毒饅頭作戦」だ。
▼寿都町長片岡春雄は、「お主もよくやるのう」の悪代官役に違いない。毒饅頭の目をくれてはならないと諫める、若い鈴木知事を鼻であしらう。
▼「お前だって交付金目当ての政策しかしていないんじゃないか」と。片岡は鈴木を、たかが蝦夷地の殿様ではないかと、下目に見ている。
▼片岡には大和城の大家老、梶山経産大臣が付いているからだ。二人は、お互い「お主もやるのう」と、固めの杯を交わしているに違いない。
▼水戸黄門フアンの私は、つい黄門劇のキャスティングに、その関係の人物をあてはめる癖がある。
▼寿都町は孤立を防ぐため、寿都連合(原発に友好的な泊村・神恵内村)を発足させるに違いない。援護大部隊は北電であり、NUMO(原子力環境整備機構)であり、それに経産省だ。
▼その動きに異を唱える、周辺自治体も「風評被害連盟」?を結成し、対抗するに違いない。
寿都の核ゴミ戦争は、朝鮮戦争同様、米(連合国)対ソの代理戦争で、修復が出来ない状態となり、現在に至る。
▼核ゴミ反対派が「住民投票作戦」に持ち込むには早いような気がする。反対派の仲間の決意をたぶん揺れているからだ。
▼反対・賛成の、戦いの大義名分は同じだ。どちらも【故郷存続】だからだ。だが、長期戦では、軍資金(交付金)がものを言う。
▼賛成派の大義名分は、周囲の環境が改善され、目に見えてくる。反対派はその前に、黙秘せざるをえなくなるからだ。
▼「住民投票作戦」の危険性は、賛成する議会が投票条例を作る。反対派に都合のよい条例など作ることはないからだ。
▼だが「住民投票」だけに目をくらんで、実行し仮に勝利したとしても、その結果を「町長は“尊重”する」という文言が、条例には付け加えているはずだからだ。
▼「“尊重”するだけだ。私は“町長”だから」と片岡お代官様は、高笑いするだろう。
▼文献調査で20億円、概要調査で70億円、さらに精密調査では、国民からの電気料から、驚くほどのご褒美が、支出されるに違いない。
▼賛成派は少数となり「村八分」という悲哀を浴びるのが目に見える。「無言のジェノサイド」が、始まるのだ。
▼というのが、昨夜読んだ、姜尚中・森達也共著の、朝鮮戦争に係る記述からの、私のひらめきというより「妄想」だ。
▼朝鮮戦争で、我が国は経済を復興させ、表面的には軍事を放棄し、平和国家へと大躍進した。その陰で、朝鮮半島は分断され、身内同士の骨肉の争いが続く。
▼半島人の日本に対する憎悪は、計り知れないものがあるが、今の日本人には、その気持ちに寄り添う姿勢は皆無だ。
▼「説明責任」という言葉が、政治家に無い我が国は【分断】を利用し、国家の責任を回避する政策が、まかり通るのかもしれない。
積丹も朝鮮も半(恨)の島
三頭下
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