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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

読書の秋へおすすめの一冊

2014年10月28日 10時52分32秒 | えいこう語る

▼昆布漁が終了したのは10月10日だ。今年は昆布の生育もよかったが、採取場所にも恵まれ大漁気分を何度も味合った。船頭さんの腕にもよるが、何といってもいい場所を見つけることが肝心だ。12月からはウニとナマコ漁が始まるが、それまでは暫時休養だ。

▼ 今年の紅葉は見事だ。今までは海を眺める生活だったが、山を見る生活にシフトした。まるで紅葉美術館に住んでいるような毎日だ。こんな秋はワインを飲みながら読書でもしたいという様な気分にもなる。そんな気分を察したのか、ブログ仲間の広島県のF氏から、その名も「ヒロシマ」という、上梓されたばかりの本が届いた。

▼ 私は広島も長崎も訪れたことがない。でも戦争や天皇制について学ぶと、世界で唯一原爆投下された両県は、それらの本質に迫るには、大きな存在だ。さらに、福島第一原発事故で、広島と長崎は、私たち函館市民にはより身近なものとなってきた。津軽海峡を挟んで対岸に見える下北半島の大間町に、ウラニウムとプルトニウムを燃料とする、世界初の原発が建設中だからだ。

▼ 今、函館市町会連合会では、市民による原発建設凍結の大署名の準備中だ。この本は、被爆地ヒロシマからの、大応援として届けられたと、感謝に耐えない。この本は、読んでいて胸が苦しくなる。原爆投下前から投下後までの、人々の息遣いやうめき声までまで聞こえてくるからだ。

▼ だが終章での文章が心に残る。「米国民にとって皇帝のような存在であったルーズベルト大統領に比べると、子供のころから意気地なしで、大学も出ていない、落ちぶれた小間物商人のような人物と揶揄されたトルーマンは、大統領になってからはまるでその反動でもあるかにように、対外的に強硬な政策をとり続けた。原子爆弾の投下を承認したのも、このようなトルーマンの人格が大きくかかわっていたという人もいる」と書いてあるが、これはあくまでもうがった見方だとも記している。

▼ 我がアベ総理はどうだろうか。当時、東大生の平沢氏(現自民党衆議院議員)を家庭教師に付けたということは、東大をめざしていたに違いない。だが入れなかった。祖父や父の七光りで、思いがけず総理大臣の椅子に座ることができたが、自分の能力では座を維持することができず、病気になり辞任した。だが、世の中の風は再度自分に吹いてきた。第二次アベ内閣はその反動で強硬政策に出た。トルーマン大統領とアベ総理、どこか似通っていないだろうか。これもまた、私のうがった見方だけど。

▼ 東京裁判は戦勝国側の一方的裁判で、原爆投下・東京大空襲・沖縄戦での虐殺はどうなるのかと、問う国民も多い。だが、この本は戦争そのものが全ての元凶だという。さらにヒロシマ・ナガサキで終了したはずが、フクシマで再び放射性物質流出の悲劇が続いた。

▼ 原発の最終目的は、原爆の保持だろう。トルーマンとアベ総理が似ているとすれば、アベ総理の積極的平和主義の最終目的は、核の保有に違いない。これは、うがった見方ではないように思う。

▼まずはこの「ヒロシマ・叔父は15歳だった」」という本をおすすめしたい。出版社は幻冬社ルネッサンス。著者は広島生まれで医師でもある、金山俊則さんだ。アベ総理政権下の秋に、ぜひ読んでほしい一冊だ。


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