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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

世界遺産と森林伐採

2021年05月28日 19時32分57秒 | えいこう語る

▼27日の北海道新聞一面トップは「縄文遺跡群の世界遺産登録」だ。翌28日のトップは「道産材に注文殺到」だ。どちらも地域にとっては喜ばしいニュースに違いない。

▼だがこのトップニュースに、私は「めでたさも中くらいなるおらが春」という一茶の句を思い出す。縄文は「自然との共生」を人類に訴える。つまり地球の環境問題解決に大きな役割を果たす。

▼一方、コロナ禍で世界中で住宅需要が高まり、我が道南の杉材も、注文が殺到しているという。値段が高騰すれば「森林伐採」という、環境破壊が心配される。

▼杉は30年~40年程で、伐採の時期を迎える。生育が早いので、周囲の山々の緑はほとんどが杉材だ。ここ数年の間に木材の需要が高まり、あっという間に伐採が行われ禿山と化している。

▼需要があれば供給がある。それに拍車をかけているのが高齢化だ。老人家庭では山を管理できないので値段の高い現在、一気に伐採が進む。

▼森林が伐採されて驚くには人間ばかりではない。鹿や熊の出没が人家周辺に目立っている。鹿と車の衝突事故、熊による人身事故も聞こえている。

▼急激な森林伐採による環境破壊について、行政に尋ねても【個人の財産の問題】として、あまり積極的な回答ではない。

▼今回世界遺産の登録に決定した、函館市南茅部町の縄文遺跡群周辺の森林も伐採され、周囲の景観に影響を与えている。

▼ユネスコの登録に申請した時点で【景観保全区域】を設定すれば良かったものを、確か今年に入ってから、ようやく周辺建築物の高さ制限を設定したようだ。だが、森林伐採についての規制は聞こえていない。

▼南茅部町から近い森町に、大規模な環状列石がある。そこは国道が建設されるので問題になったが、国道を遺跡の地下に通すということで一件落着にみえた。

▼しかし航空写真を見ると違和感があり、今回の遺産登録から外された経緯がある。以前森町で「国道建設と遺跡」についての講演会に参加したことがある。

▼国から派遣された講師の前で、住民同士が口論し始めたのを記憶している。今考えると、住民の十分なコンセンサスが足りなかったせいなのかと思う。

▼世界遺産登録されてから周囲の環境が大きく変わり、登録が抹消されたところもあるという
。世界文化遺産の重みを、周辺に住む人たちにどう理解させるかが、行政の大事な仕事だ。

▼日本国憲法をよく理解しない国民に、憲法改正を強要させるのと同じような気がする。憲法改正とは、国家の基本秩序の変更を意味する、民主主義の根幹にかかわる問題だからだ。

▼それが国民にとってどんな不都合が生ずるか、事前に学ばせなければならない。それをないがしろにしては、国民の不満が鬱積し【安全・安心な国づくり】など、できっこないからだ。

▼そんな感じが「世界遺産の登録」と「森林伐採」がリンクしたので、一茶の句が浮かんでしまったのだ。

▼縄文が世界文化遺産になる。この事実は函館市にとってコロナウイルス撃退に匹敵する快挙だろう。だが、関係者だけがバンザイしている様では、国宝の中空土偶も複雑な心境でいるのではないかと心配する。

▼実は昨日、自宅から車で20分程なので、中空土偶に“おめでとう”を言いに、小雨降る中逢いに行った。縄文文化センターには登録決定の垂れ幕があったが、閑散としていた。

▼なんだか気落ちして、入館しないで戻ってきた。帰路、周辺の伐採地が私に語りかけてきた。それは中空土偶の声のようにも聞こえた。

   世界遺産登録決定に小雨降る
               三等下

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