夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

教員研修セミナーに参加。

2014-08-17 19:45:17 | 教育
河合塾大阪校で「現代文ワークショップ講座 実践篇」を受講。
昨年の7月に横浜校で同講座の「入門篇」を受けたが、「実践篇」は日程の都合で受講できずにいたのだ。

「入門篇」の成田先生とは違う講師の方が担当だったが、結論から言えば、引き続き成田先生に教わりたかった。

成田先生は、グループワークの指導法をシステマティックに教える技術に長けていたし、細かい気配りを絶やさない人だった。
講座が終わった後も、教室に大勢の受講生が残り、成田先生を囲んで、熱を帯びた意見交換会が1時間半も行われた。
また、講座への感想や意見をリフレクションシートに書いて提出してくれた人には必ず返信すると約束し、事実その通り、懇切な返事があった。
今回、そういったことがなかったので、なんだか肩すかしを食ったような気がするとともに、非常に熱心な参加者が多かっただけに(大半の方が基礎篇に続けて受講していた)、その意欲が十分に講座の中で汲み取られていないようなもどかしさも感じてしまった。

この「実践編」は、入試現代文の読解力・解答力養成を目的に、生徒にグループ作業を行わせながら、課題文の内容と設問との関連をどう理解させるかに主眼が置かれていたと思う。

課題文の文章を「話題」と「説明」部分に分け、文章をマップ化する(樹形図などで示す)作業は大変面白いが、個人作業→グループ作業の際の意見のすりあわせがなかなか難しい。
他のメンバーの感情への配慮や、メンバー間で大きく考えが食い違った時にどう折り合いを付けるかなど、必ずしも集合知を期待できない場合があり、不安が残る。
今回の講座は26名の参加者を6班に分け、文章をマップ化したものを模造紙に書いて黒板に掲示し発表したが、各班でだいぶ違っていた読みの収拾をつけ、解答の方向性を示す説明がほしいと感じた。

その後行われた設問作成のグループ作業でも、同様の懸念を感じるところがあった。また、生徒の読解・解答技術が未熟なままでグループワークを行って不適切な作業結果になっても、教師側からそれを修正されない場合の問題や、班内のメンバーに意欲・能力上の差が顕著な場合の問題もあると思った。

今日の講座では、意欲の高い高校教員同士が、グループワークを通して協調し、頭脳を集積してより高い知的能力を発揮すべく努力していたと思う。ただ、教材の適切さや授業の進行に十分でないところがあったように思われ、その成果を十分に得られた実感には至らなかった。
グループワークは、確かに学習者のマインド、モチベーションを高め、集合知による高い効果を上げうる一方で、教材の選択、教師の準備、授業での関わり方、仕掛け、学力の定着の確認、評価方法など、現場で実際に実施する上での配慮が必要なことを痛感する。自分が授業にかけるには、まだいくつかの障害を越えなければいけないことを理解し、多くの課題を持ち帰った感のする今回の受講となった。

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