夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

蒼太の包丁 41巻(その1)

2014-02-13 23:08:04 | 『蒼太の包丁』
人気コミック『蒼太の包丁』も、とうとう最終刊。
中身のぎっしり詰まった今号から、読みどころをいくつか紹介すると…。

親方の入院

蒼太が板長を務める銀座の老舗料亭「富み久」の親方・富田久五郎は、現在では引退しているが、この夏に体調を崩し、寝込んでいる。もともと病院嫌いだったが、周囲の者の勧めもあり、入院することになる。その前に親方は、自分が万が一帰ってこられなくなったときのために、肝心なことを言い残そうと、病床に蒼太と、その兄弟子で今は「分(わけ)・富み久」の板長である山村を呼ぶ。
山村には、自分が教えたことを「守っていってくれよ。」と言い、蒼太には、「創っていけよ。」
そのときの蒼太は、まだ親方の真意はわからなかったものの、この言葉をしっかり受けとめていこうと決意する。

立ち飲み屋「みなと」の行方
蒼太のライバルで京料理の若き天才・花ノ井が、オーナーとの経営上の争いから神楽坂の料亭「花ノ井」を辞めてから、その弟子の武庫・桃山・御坊の3人は、身の振り方に悩んでいた。師匠の抜けた名前のみの「花ノ井」で、言われた料理を作るだけの、飼い殺しのような扱いには我慢がならず、ある日蒼太に相談を持ちかける。
この3人は、以前から蒼太と共に立ち飲み屋「みなと」に手伝いに来ていたのだが、経営者のツヤさんが老齢でいつまでも続けられないこともあり、「花ノ井」は辞めて「みなと」の経営を譲ってもらう話を進めている、とのことだった。


ツヤさんは、安居酒屋で懸命に働いたとしても、3人もの料理人が食っていけるかと大反対するが、彼らは逆に、食うや食わずでもやってみせることを証明するために、1週間何も食べずに仕事を続ける。若さゆえの無謀さともいえるが、さすがのツヤさんも、この覚悟の固さにとうとう根負けし、彼らに経営を譲ることを承知する。

さつきの決断

若女将のさつきは、相変わらず、母親の大女将から自分がなかなか認めてもらえず、「富み久」の経営に自分が思うように采配を振ることができないことに苛立っていた。
実績を上げ、「富み久」を変えるためには、職人から入れ替えるしかない。さつきは秘かにそう決意し、以前「富み久」で働いていた、蒼太の弟弟子の須貝(現在は赤坂の大型店「なのは」(通称・嵐田軍団)に在籍)を呼び戻し、助(すけ=助っ人)としてしばらく手伝わせることにする。
そして、須貝が自分の期待するような働きをしてくれることを見定めた上で、さつきはついに一つの決断を下す。
当分の間、「富み久」の板場を須貝に預け、蒼太は外に勉強に出させることにする。
親方や大女将は当然憤慨するが、土下座までするさつきの決意が固いことを知って、何も言えなくなってしまう。
「今まで「神かわ」や「花ノ井」に助に出て、成長して帰って来てくれたじゃない。またもう一段、上がってほしいの。」
とさつきに涙ながらに訴えられ、蒼太は自分が彼女の思い描くような営業ができなかったことを悔やむ。


一方、雅美は、自分にも休みを出してもらい、外で勉強させてほしいとさつきに頼み込むが…。

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