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なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

どうせガリガリなら、いつもガリガリのところへ

2025-03-02 | 雪の山
札幌街中、うちの近所は12℃まで気温が上がった翌日、
樽前山に向かう。

冬はほとんどスキーで登る。
まだバックカントリーという言葉が周りから聞こえてこない頃からスキーで登っているので、滑る道具という感覚は薄い。
北海道でその辺の山の中で行動するのに最も適した登行用具はスキーだ。
ウロウロステップソール板にしてから、さらにそう思う。
求めるのは滑りではなく、歩きと眺めと変化。
週末の遊びでは重要な要素だと思う。
滑りは変化に含まれる。
何より下りが楽だし…。

で、変化を求めて多峰古峰山登山口から樽前を目指す。
多峰古峰方向に向かわず、地図の点線を詰める。
支笏湖周辺の針葉樹林は深くていい。

道なりに行くと苔の洞門に出た。
なにやらゲートがある。
多分昔、苔の洞門が観光コースだった頃、通っているのに覚えていない。
そのまま苔の洞門内を進む。
時々、倒木があったりするが、積雪がしっかりあり歩きやすい。
さらに進むと古い標識があって、バス停かと思いびっくりした。
バス停を越えて、洞門から外れる。
目指すは725mの尾根。
少し上がると、溶岩ドームが見えた。
ふり返ると青空の下、支笏湖が輝きだす。


下からはわかりにくかったが、顕著な尾根だ。
700mを越えると、傾斜が増すとともに樹林がなくなる。
ガリガリの急斜面。
踏めば少し沈むので、ぎりぎりシール登行ができた。
同行Uは、後半シートラ。
板の違いか、シールの違いか…。
急斜面に入ったころから暴風。
幸い気温は低くないので、大きな岩の陰にブロックを積んで、
ドームを眺めながら昼食タイム。
雪がついたドームが美しい。
今日もカップラーメンとおにぎりです。

近いのは西のピークだが、今シーズンはあまり1000m越えていないので越えたい。
だから本峰を目指す。
写真は幸せそうに見えるけど、それなりに暴風。

ピーク。
羊蹄が遠望できるまで晴れた。

ガリガリ斜面を目指して戻る。
滑ってはいるが、向かい暴風なのでスピードが出ない。
眺めはよいので、ゆっくり堪能。風不死岳はかっこいいね。
ただ、ぼーっと眺めていると足元に出た小石で板をこする。
最近、どんどんウロコと関係なく凸凹になっていく。

ドーム台地のふちから、800mぐらいまではアイゼンシートラで下った。
ガリガリ急傾斜は怖い。
その後も堅雪でボーゲン下り。
苔の洞門の横は、見通しがよい緩斜面。
踏んだら沈むからいちいち転びそうになるので、やっぱりボーゲン。
やがて樹林に突入する。
緩斜面だが堅雪なので一応滑る。
登りは4時間越えで、下りは1時間半くらい。
滑りはまったく期待できないルートだと思うが、変化の多い眺めと地形を歩き回れて、楽しい山スキーコースでした。

だいたい天気がいいらしいのに、なぜか曇りの地域を選んだ日

2025-02-24 | 雪の山
察来山と当別丸山をつなげて稜線歩きを楽しみたいと、前から考えていた。
結果的には、それぞれバラバラに登ることになった。
さて、その訳は?

まずは、察来山に登る。
針葉樹の間の林道が気持ちいい。
うすらトレースがあり、雪も軽くすいすい進む。

林道が尾根に上がると、察来山南東面が見えた。
よだれが出るが、あの斜面は危ない。

林道を離れ、急斜面をまっすぐピークに向かう。
ピーク手前の台地に出たので、ピークに向き合う。

ピークはポコっと出ていて、その周囲のみ雪付きが悪い。
少しだけ板を外してツボで乗り越えた。

ピーク。
徳富岳を眺めるのを楽しみにしていたのに、見えない。

さて、ここからどう行くかと考えながら、ポケットに手を入れると、車のキーがない。
困ったときの笑顔で、しばし探すが、ない。
考えてみると、車から外した記憶がない。
しかたない。
つけっぱなしの開けっぱなしという希望をもとに、下山を開始する。

どきどきしながら、林道ジェットコースターであっという間に下山。
車を見ると…、
希望通り、鍵付き開けっぱなしの車だった。
今シーズンは何かスムーズな登行をはばむ力が働くらしい。

気を取り直して、車を回し、当別丸山を登りに行く。
登り口は近いので、あっという間に移動。
すぐ登り始める。
林道を30分もたどると、すぐに取り付き尾根。
これまた、針葉樹から始まる登りやすい尾根。
おまけにトレースがある。

せきたてられるようにグイグイ登り、疲れる。

ピーク台地に出た。
周囲は雑木に囲まれ、眺めはないが、広々していてよい。
南西面は全て快適そうな斜面で、どこから滑るかワクワクする。

ピーク。

別狩岳方面が見えているが、いまいちすっきりしない。
風は少しあるが、12時を過ぎてお腹がすいたのでピークタイム。
ピカピカ天気に当たらない日々が続いている。

さて、下りのお楽しみタイム。
こんなオープンバーンが選び放題。
踏み込むと若干のモナカ入り雪だったが、変化の多い長めの距離を堪能した。

ふりかえると、察来山の西斜面の雪はとてもよかった。
しっとりふわふわのクリーミーパウダー。
標高も向きも微妙な違いなのに、ここまで差が出るものかと感心した。
オープンゆえの日射の違いなのか…。
山も雪も奥深い…。

重たい雪に負けました

2025-02-16 | 雪の山
「天気図の割に予報はいいなあ。」
と、のん気に考えていたら、朝になって予報が変わっていた。
でもまあ低山だしいいか、と余市へ向かう。
目指したのは稲倉石山789m。
以前余市天狗岳に登ったときと同じ余市ダムからのアプローチ。

ダムを越えて続く林道を行く。
ガス気味の天気で、気温が高い。
そして雪が重い。
林道はトレースがあったが、トレース後のラッセルが思いやられる。
ありがたいトレースは、林道を行かずに沢沿いを進んでいた。
あるから乗ったが、なかなか渋いライン取り。
危なっかしいトラバースと徒渉を数回こなして、822m三角点から東に伸びる尾根に取り付く。
薄いトレースは途中でなくなり、雪の重さが身に染みる。
これまでの思いラッセルがムニュ~だとすると、ウンニュ~という感じの重沈みラッセル。
ため息が出る。
「当然滑りも楽しみきれないよね。」という会話と、標高とともに濃くなるガスにあきらめムードがただよう。

標高500mぐらいで、再度トレースが出てきた。
開始時の計画では、途中で尾根から外れて、稲倉石山へ向かう沢型か、コルへ向かう尾根に移るつもりでいたが、重雪ラッセルとガスにやられたおじさん2人は、トレースに乗って822m峰に上がる道を選ぶ。
ピークが近づくと、ますますガスが濃くなる。

さて、ピークだ、と思ったとき上を見ると、大きな雪庇。
この雪でこの雪庇はやばい。
ガスの中、慎重に雪崩気配心アンテナを強く作動させながら、雪庇を越える弱点探し。
雪庇をかき分け、板を上に投げ何とか乗り込む。
視界が利いていれば、ここからは上がっていない。

822m峰ピーク。
ここは、稲倉石山よりも標高が高い。
それには若干満足感がある。
そして、ここまでの斜面はいい斜面だった。
ガスは濃いし、稜線上はそれなりに風が強い、などなど、ここから折り返すための言い訳を語り合う。
ガス待ちカップ麺を食べてね。
少し視界が利くようになると、822m北側にとてもいい斜面が見えた。
本来は、稲倉石山を登って晴れた稜線を幸せに歩いて、その斜面を下るはずだった。
しかし、安全第一、折り返し幸せ滑走に切り替える。
ピーク直下は本当にいい斜面だった。
滑りやすい雪とは言えないが、この斜面なら大満足。
天気と雪がいいときに滑りたいものだ。
下り始めると明るくなるのは世の常。
明るくなるといい気なもんで、「適当に滑っても、もとの沢型に出るよね。」などと言いながら自由に滑る。

沢沿いを下る頃には、青空が広がり、気温が上がる。

下りの緩斜面を汗をかきかき滑り、
さらに汗をかきかき林道の半歩き滑走。

往復4時間程度のお気楽な往復山行となった。
今シーズンは敗退気分が多い。

やっぱり天気悪いよね

2025-02-09 | 雪の山
単独だし、冬型が決まっているし、遠出する意義はない。
こういう時は近場で、未探索の場所を歩くのがよい。

ふと、星置山を思い出した。
最初に聞いたときは、三角点もない稜線上に通称がつく時代になったのだと感心したものの、たいして興味はなかった。
普段小樽方面に向かう時、国道337を利用する。
新川から離れて、直線部に入ると手稲山稜線上にちらっと輝く広い沢型見える。
かなり前だが、ある時それが星置山だと気付いた。
パチンコ尾根から奥手稲山という往年の名(迷)ルートをたどっていれば、知らずのうちに踏んでいるはずのピークだが、そのラインで奥手稲には行っていない。
手稲西峰は既登で、大昔に発寒川~星置川縦走をしたので、星置山を含むほんの2㎞ほどが全くの稜線部ということになる。

金山から歩く。
新幹線のトンネル工事でスタートがややこしいことになっている。
その先の林道も除雪されていて、ぐんぐん進む。
林道わきに雪がないところがあった。
地熱? 温泉?
やがて、なにやら怪しい「斜坑」と名のある豪華なトビラ付き洞窟にたどり着く。「立入禁止」がどの位置を指しているか分からず、少し立ち入ってしまった。
少し、戻り尾根に取りつく。
林道からは這い上がるとすぐに、電線刈り分け道に出た。
しばらくここを歩くのもよいかと思ったが、ヤブはたいして濃くないので素直に尾根伝いに高度を上げていく。
天気は晴れたり吹雪いたりを繰り返している。

上空はずっとゴーゴーなっていて、この時点で稜線を歩くのはやめておこうと考えていた。
尾根の傾斜はきついが、ヤブは優しいし、シールがよく効くので歩きやすい。
スタートから2時間半で713m。
広々としてよい場所だったが、風が強い。

雪もバラバラと音を立てて体に当たる。
回復は望めそうにないので下山する。

下り始める場所を探すうちに町が見渡せる瞬間があった。

そこそこ広い斜面もあり、雪も滑りやすくよい。
11時には下山。
いろいろわかった。
・このルートでも星置山まで4時間程度で行けそう。でも除雪されているから、3月半ば以降は道上の雪が融けてスキーは厳しいかも…。
・どの尾根もハイシーズンならさほどヤブは濃くない。
 (ウロウロヤブヤブスキーヤー感覚です。)
・星置山の見えている沢型も滑って大丈夫な感じ。
帰りに手稲方面で買い物をしているうちに町まで吹雪いてきた。
いい時間に下山した。

厳冬期が終わってしまった…

2025-01-26 | 雪の山
1月だというのに、高い気温の日々が続いている。
不満を言ってもしょうがないが、心配だ。
でも天気はいい。
まともな斜面を滑りたいのでニセコ連峰へ向かう。
2023年の4月に岩内側から目訓内に行った。
その時に「白樺山にも行きたいものだ。」と話していた。
という訳で、老古美ゲートからのアプローチ。
少し道路を歩き、まっすぐ白樺山に上がる尾根に取りつく。
樹林だが最近の登山のようなヤブではなく幸せ。
途中で道路を横切りひたすら稜線に向かう。

ピークが2つ並んだ西側が白樺山だ。
雪の白樺ピークは多分33年振りぐらい。
うれしい。

滑りを楽しむためとウロウロ稜線歩きの幸せを感じるために長沼へ向かう。
振り返ると、ニセコ連峰らしい広い稜線に白樺ピークが輝きだした。
ピークでは若干の強風にあおられたが、天気が回復だ。
向かう方向にはシャクナゲ岳の山の塊そびえ、少しずつ青空が広がり始める。
うーん、ドラマチック!

トラバースしながら、長沼へ向かう斜面を吟味。
人気の斜面なのでトラックがある。
よさげな斜面でノートラック面を見定め、長沼に落ちていく。
写真の感じほどヤブはない。
よい斜面なのだが、雪は固め。
ウロウロスキーヤーにはちと荷が重い。

幸せ長沼ランチ。
チセを眺めながらゆったり食事。
あちこちに数名の人がいたが、スライドはしなかった。
欧米人らしき一団の素晴らしい滑りも眺めることができた。

肩まで登り返し、また稜線へ。
この頃には完全に快晴無風。
うれしいがこれは3月の陽気。

稜線緩斜面で並行トラック遊び。
雪山ウロウロ徘徊初老ズには、面ツル緩斜面がヒャッホー斜面だ。

白樺山まで戻り、ピークの間の沢型を滑るつもりだったが、最初のコルがよさげに見えたのでそこを滑る。
時々広がる開けた場所をねらって快適に滑る。
陽光が当たり始める直前だったせいか、ここの雪はとてもよかった。

一度道に出る。
しばしウロウロステップソール板の性能をいかんなく発揮。
登りのトレースに合流。
だんだん雪が悪くなるが、木をぬって滑るのは楽しい。
ゲートに続く道に合流、積丹方面の山々を眺めながらゴール。

このまま暖かさが続くと3月にはどうなっているのか。
不安はあるが、幸せな1日。