山のあれこれ

山の楽しみのあれこれを紹介していきたいと思います。

初めての不時露営(1)   (山で…その6)

2009-06-26 | 山想
…独りの長い夜のために

*一服の煙草が欲しくなった時間*一杯の酒(ウィスキー)が欲しかった*日暮れのギリギリまで寝床作りをやって、ギリギリまで食事の時間を延ばした*食後の一杯の熱いコーヒーをスプーンですくいギリギリまで時間を保つ。

*美しいというより、唯、いかにも冷たそうな星の瞬き

*静かで、遠くで風の音がして、それが、山裾をぐるっと回り込んできて、しばらくして、周りの枯れ木を鳴らして、とうとう、僕の寝床に吹き込んでくる。

*またたくまに日が暮れて闇が来た。しかし、真っ暗闇という表現は正しくない。木々が、星が、山々がうっすらと見えるのだ。こんなに月が明るいのだから。

*星空、冷たい夜気、ポンチョの内側に吐く息の水滴が、冷たく頬を濡らす。

*恐ろしいとか、寂しいとか、一体何を考えていた? ただ、寒いと思って縮こまっていた。

*不時露営、まさに相応しい言葉だ。ビバークという言葉の隅にチョッピリ描いていたロマンチックの片鱗もありゃしない。
                          (1973.11記)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする