山のあれこれ

山の楽しみのあれこれを紹介していきたいと思います。

北奥千丈岳から烏ノ尾根

2015-09-30 | 山行
2015年9月29,30日 友人のAさんから「北奥千丈岳から烏ノ尾根」に行こうという誘いが来たのは7月頃、愛読書になってしまっている松浦本によると*印3個の難コースだ。でもいろいろ調べてみると秋でも大弛小屋を早立ちすれば日のあるうちになんとか歩けそうだ。

タイトルは「奥秩父最高峰から大久保峠までのロングコース、麓の乙ケ妻まで標高差2000mの大下り」
行程が長く難路のため好天気を優先した。当初、30,1日の計画が低気圧北上の予報で1日が降水確率60%になり、止む無く一日前倒しにした結果、参加者が減り5名からAさんと私の2名となった。



塩山在住のYさんのご好意で塩山駅~大弛峠まで送っていただく、峠までのタクシイ代12000円が浮いて大助かり。大昔の記憶のオンボロ小屋が見違える素敵な樹林の小屋に荷物を置いて偵察に出る。雲がやや多いものの夕刻の日差しに展望台から見る金峰山や標高2000m越えの紅葉が美しい。小屋は素泊まりの我々だけなのにストーブ使用可が嬉しい。

翌朝早くに出発、延々の木段登り、朝焼けの富士山、金峰山がすでに目の高さだ。予報通り寒気が入って北風が午前中吹き荒れていたが空はピーカン。国師岳、北奥千丈と踏んでいく。国師岳は富士山の撮影ポイントとみえ大勢の着ぶくれたカメラマンがたむろしていた。



北奥千丈岳から烏ノ尾根へはまず、石楠花新道という文字通りシャクナゲの群生地を潜り抜けて下っていく。倒木は多いものの快適な道が続き朝のシラベ林越の陽ざしが美しい。樹林のなかの奥千丈岳山頂を過ぎてシラベ平という広い鞍部に出た。小川が流れる草原を見ながら、簡易舗装の鶏冠山林道で休憩していたら立て続けに作業車が通過して興ざめ。



向かいの森へ20分ほど登りゴトメキに到着。左が大ダオ、黒金山方面だが踏み跡は寂しい。ここを右方向に折れるが踏み跡はなお薄い。三つ目の高みの遠見山を目指してGPSとコンパス振りながら樹林を分けていく。まだ緑が濃くて見通し利き難くい。遠見山は大丸戸山といってその昔、川崎精雄や望月達夫らの藪山の達人達が柳平(乙女湖)から苦闘の末登った大丸戸尾根の頭で「静かなる山」につづられている。



遠見山を過ぎると樹林下は笹に覆われ始めやがて、西斜面一面の笹原になる。富士山、南アルプスの山並みに目を奪われるが、ここはS30,40年代に盛んだった伐採跡地だ。



口笛吹いて走って行けそうなグリーンフェースだがどっこい、膝から腰の笹原に隠れてる倒木に脛を嫌というほどぶつけるのがオチだ。



2100m付近で意識して左へ下っていくと尾根が狭くなり1920mで砂利の余沢林道を横切る。この辺りが二の萱で、牧丘町の立派な道標には大烏山と記されている。向かいの高みを越えるといよいよ大烏山だ。



100mほど標高を下げた黒い頭が大烏山だった。出発から6時間、行程的にも半分踏破したことになる。乙女湖が見下ろせる狭い山頂だった。直下は薄暗く杣口林道を示す道標があった。近年、林道まで下り一時間半の破線表示が入っている。





ここから烏ノ尾根は東に折れぐんぐん標高を下げていく。尾根すじは狭くなりアップダウン多く、錆びたワイヤーの束やら工事用具等が残っていた。馬止根場1772mは広葉樹に囲まれた小広い頭で、幅広の巻き道が残り、ワイヤーケーブルとともに木馬道の跡から荷役に馬を使っていたように思える。大久保峠の道標には馬頭尊の文字が記してある。



西御殿、東御殿とはっきりした踏み跡をたどり大久保山1323mに到着した。標高が下がると広葉樹の落葉にはまだ時季が早く、尾根筋は蜘蛛の巣だらけで滅入る、広く暗い植林のなかではコンパス歩行。今まで頼りにしていた赤布が右手に誘うがこれは間違い。



大久保峠1005mに到着した。暗い植林の斜面に峠みちを追うとまもなく簡易舗装の林道に出た。途中、廃屋の集落は大久保地区らしい。小川を囲むように板塀が立てかけてあるので覗いてみるとワサビ田だった。元住人が育てているのかしら。広い村道に出た辺りが標高800mで携帯を取り出すとアンテナが立った。塩山行のタクシイを呼ぶと歩き始めて20分ほどで乙ケ妻の近くでクルマが上がってきた。16:35なので都合、11時間、標高差2000mの大下りの完了ということになる。


前日  塩山14:30=乙女湖(旧柳平)=大弛峠15:30  樹林に囲まれた大弛小屋に素泊 \4500
30日 4:起床 朝食 0℃ 強風(頭上の雲早い)が午前中吹き荒れていた
小屋(2360)5:25…国師岳(2591)6:00…北奥千丈岳(2601)6:19…(石楠花新道)…奥千丈岳(2409)7:18…シラベ平・林道7:58,8:15…ゴトメキ(2230)8:39…(樹林濃く不明瞭)…遠見山(2234)9:18…(左笹斜面)9:48…再び笹原…風収まり・尾根狭くなり下に林道…余沢林道(1920)二ノ萱10:50,11:10…大烏山1840)11:35,11:47…(杣口林道分岐)…馬止根場(1772)12:27…西御殿(1536)通過13:25…東御殿(1487)13:52…大久保山(1323)14:51…大久保峠(1005)15:29…林道(簡易舗装)15:45…(廃屋・大久保集落)…広い村道(TAXI呼ぶ)16:18…TAXI到着16:35 歩行:約11h   TAXI(\2710)で市内・塩山温泉の旅館で入浴(\500)  下山祝いはホームにて



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清八新道(大平尾根)から惣岳山

2015-09-14 | 山行
しばらく歩いてないので足慣らし。先月不覚な転倒をして左ヒザを打った、左足をかばっていたせいか以前からの右ヒザも痛み出した。ヒザ用サポーターを買い込んだのでそのテストも兼ねて。

月曜なので東日原へはバスの適当な便が無い、それで前から気になっていた松浦本にあった湖畔から奥多摩湖の南稜に上がる清八新道(大平尾根)で小河内峠へ向かう。



奥多摩湖BSからまだ青空も少し仰げるダムサイトを渡って対岸の遊歩道ゲートにやってきた。惣岳山からブナ坂を下りてくると左側の公園に降りてくる。ゲート前で案内図を見ていたら水源管理の車が入ってきた。しばらくは車が通れる林道で水久保橋の手前で山道になる。



ゲートから2.9km標柱の分岐より左山道に入る、地図とは異なり山腹を巻き戻るように650mの尾根上に上がる、あとは樹林を切り開らいた防火帯を登っていく。



途中950mの巻き道分岐を左折して樹林の中で小河内峠を目指す。峠にはベンチもあって開けてるが生憎ガスのなかで何も見えない。平日なので人通りはなく御前山に向かい整備された尾根道を歩く。

大きな御前山の手前の高みが惣岳山で奥多摩湖に下りる道と三つに分かれる。ベンチで休憩していると今日初めてハイカーに出会う。

気温は14℃で肌寒く薄暗くなって雨も降りそうなので以前登ったことのある予定のシダクラ沢右岸
尾根はやめて御前山方面に行きかけた、すぐの栃寄へ降りる道(No,33)を左折した。

ここの自然観察路(奥多摩都民の森)の案内図は方位、山道、集落との相関が分かり難くハイカー向けではない。ともあれ、栃寄の集落を抜けて境橋BSに着いた。

奥多摩駅ホームでいつもの通り下山祝いをやって締めくくった。サポーターを外してみると締め付けはきついがヒザは楽だった。ヒザ下に兎さんの頭のようなパッドが付いていて歩行中のお皿を安定させる機能とか。

奥多摩駅8:42(鴨沢行)奥多摩湖BS 8:55、遊歩道ゲート9:10,39、水久保橋9:50、2.9km標柱左折10:03
大平尾根上(650m)分岐10:22,防火帯の登り、小河内峠巻道分岐11:18、小河内峠11:35、惣岳山12:30
,13:00、No.33分岐13:03、林道14:00、栃寄集落経て 境橋BS14:48
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