#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【Apr_12】山内明美『こども東北学』

2019-04-12 | UNITE!NIPPON
山内明美さんの『こども東北学』。
2011に出された著書ゆえ、
震災で壊滅した我が地への悔恨が充溢していて、胸が締め付けられる。
今一度、その時の惨状を振り返って見てほしい。

【on_Flickr】0507_RikuzenTakata


これだけ激しい天変地異の中で
「あぁ、これはわたしたちが引き起こしたものだ」
と自身の内に罪を感じ、
その思いをそのまま吐露したのだな…と。

貧富は世の中の常であるけれども、富裕の者は望まないでいても豊かになり、
貧しい者はどんなに富を願っても得ることができない。
しかも、このことに盛衰があるのは、
天地に盛衰があって気候が不順になるのと同じように、自然の理であって、人の力が及ばない。
……宝暦五年(1755年)は五穀が実らず、領内のすべての人々が飢饉に直面してしまった。
夏六月から秋七月になるまで長雨が続き、冷たい風が吹いて、暑さを皆殺してしまった。
身分の高い者も低い者も、年寄りも若者もみなが、にわかに青ざめ、うろたえ、嘆き悲しみ、
この何とも言いようのない出来事を記録した。
翌年の夏に至っては!ついに一日の命も保ち難く、
親子兄弟の愛情さえ忘却してしまうほどの悲惨な有様であった……。(『飢饉考』より)


2019年の日本はとても歪んでいてしっかり立って居られないけど、
その昔、飢饉に直面した人々の苦悩は「生」に直結する事態だった。
だからこそ、自分のからだが海や山にも、コメやイモにも直結していて、
「生きる」はこの地の山や海と同義だったのだ。

震災によって引き起こされた「原発事故」は、未来永劫、
この山や海に禍根を残した。


山内さんは書く
。山や海を基本とする「村の生き方」を全否定するカタチで
敗戦後の近代社会は勃興した。しかし、その価値観の結実が「放射能汚染」だと。

元京大の小出裕章さんは言う。「核の歴史は、人間の征服欲の歴史」と。
これだけの事態に及んでも尚、【原子力=核】が活況を極めているのは、
「核を牛耳るものは、世界を牛耳る」と目されているからだと。
敗戦国である日本のルサンチマンたるや、「何じゃこりゃ〜!」ですよ…と。

だから今となっても【原子力=核】に追いすがっての「プルサーマル」だし、「夢の増殖炉」なんだと。

国の品格って、民の品格の写しだと言うけど、
正直これだけの「負けず嫌い」だとは。島国根性、アッパレだわ。

内向き社会で内向き市場だから、
世界を知らずに、世界君臨を目指せる。

そういった背景が、この国の歪みそのものだし、
自国の豊かさを身売りしてでも君臨しようとする【征服欲】の顕れなんだと。

鏡がないのね、どこまでも。
「温故知新」も「他を知る」も怠り、
今を弄することに盲信している日本。
【無目的】なのは、弱さ故なのです。ちーん。

#photobybozzo

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【Apr_08】JUJU家族の入学式 | TOP | 【Apr_11】歌舞伎湯、3月末廃... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | UNITE!NIPPON