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イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【てつどう】49歳を迎えて現役 紀州鉄道キハ603

2009-10-15 | てつどう。



実は和歌山に行ったもうひとつの目的は、もう表題と↑の写真でバレバレなのですがw
紀州鉄道の古参、キハ603に乗ることでした。


あまりに老朽化が進み、年内いっぱいで廃車、の声がさらに期間が短くなり、
9月中にはさよなら運転かも...の噂も立ちました。


3年前、紀州鉄道を訪ねた時は平日だったのでキテツが運行されていて
キハ603は車庫で休んでいたのですが、
この日は念願の土曜日...そう、キハ603は、週末だけ走っているのです。


時間のない駆け足の状態なので
途中下車しての撮影も出来ないのは残念ですが、
でも始発に乗って、ただ御坊と西御坊を往復することが出来ただけでも
とても嬉しかったです。




御坊駅、朝7時。空は快晴。風は秋風。気持いい。


それでも、御坊駅前の宿を出てから、不安でした。
キハ603はいつ走らなくなってもおかしくないのです。
今日は土曜日とはいえ、走っている保証はないのです...
はやる気持ちで、改札をくぐらずに駅舎の脇へ。
ちらっと見える、バス窓。
ああ、今日は動いていてくれた!


紀州鉄道はJRの御坊駅を間借りしているような状態で、
しかもJRの改札内では切符も買えない!というすごさ。

改札をくぐり左へ数m行くとある紀州鉄道の乗り場へ。
朝の順光に照らされた古豪に思わず駆け寄ります。





紀州鉄道の始発列車に乗るためには
和歌山から朝一番の電車でも無理なようなので、
鉄道ファンもひとりもおらず。というか、客はieひとり(汗


やがて7時10分。始発が発車しました。
気がついたらお客は自分を入れて3名に。



もうわずかしか味わえるチャンスのないDMH17エンジンの轟音。
窓を開ければ、初秋の朝の涼風とともに排気ガスのかおり。
しかも排気ガスは、床下から出ます。これも古典的です。




それに、古い車両特有のかおり、油のしみついた木の床のかおり、
赤い古いモケットのかおりが、
タイムスリップ感を高揚させます。
ひとは、意外と視覚以上に嗅覚で思い出の中に飛び込める生き物ですから。


白熱灯の車内灯。
小さな背ずり、狭いシートピッチのクロスシートはキハ10系を思い出させます...。








ノスタルジーに深く浸るまでもなく、
あっという間に西御坊へ。わずか8分の旅。7時18分定時着です。

相変わらずかたむいていて現役とは思えない駅舎に、その風景に完全に溶け込む
キハ603。





出札口には、委託かな?おばさまがいて、切符を売ってくれるのですが、
出札室内は昭和中葉の景色でしたw
切符はむろん硬券!





折り返しは7時45分発。
まだ多少時間があるので、キハ603のディティールチェックです。


いまやほんとうに貴重になった日本のディーゼルカーの「基本的機関」
であったDMH17。しかも縦置き(一般的には横置きのDMH17Hが主流だった)。





手書きの社紋。




製造は新潟鉄工...昭和35年...



って、たしかに今年で49年目で十分古参ですが、
阪和線の103系にも3年くらいしか変わらない製造年のがいるぞw
Guさんの言う通りだ...キハ603、たしかにかなり傷んでるけど、
でも同じような年代の現役車両はまだいっぱいいるよね。
とはいえ内燃機関でここまで古いのは、古いクルマを維持するのを考えると
大変だろうなあ。





ということで駆け足で御坊に戻ってきました。
短い時間ですが堪能しました...この車両ともこれで最後の邂逅になるでしょう。
しっかり目に焼き付けて、御坊をあとにしました。
もうしばらく活躍を続けてほしいですよね。
小湊鉄道とか買い取ったら面白いような気がするんですが(^^;






>>これが運転台。
でも、何か違和感がありませんか?




>>そうなんです、マスコンとブレーキが逆なんですね!
一説によればDL(ディーゼル機関車)の配置に合わせたから、とか?


>>ちなみに、「運転席」は、
どうみてもスナックの客用の椅子っぽいものでした(涙


>>余談ですが、DMH17系の始祖は、GMH(ガソリン)17で、実に戦前設計。
さらにこのGMH17は、昭和初期のGMF13をベースにしてるっていうんですから、
設計自体がとてつもなく古い!んですね。こういう話に弱いんだなあ、ie...。
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8 コメント

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ありがとうございます♪ (ie)
2009-10-26 19:56:59
宮さま>
ありがとうございます。つたない写真ばかりですが...(嬉

キハ603、まだまだ走れるような(ドアは直さないといけないと思いますがw)気がしました。

頑張ってほしいですよね...。
ラストランでほんとうに最後なのでしょうか...
返信する
Unknown ()
2009-10-26 18:47:40
すみません紀州に来られてたのですね!
コメント戴いておきながら失礼致しました。

しかし短い時間でのご訪問で良くこれだけ臨港の魅力をまとめられましたね!
さすがだと思います。

キハ603が小湊ですか~!
そりゃ~面白い案ですよね!

キハの604も整備されて有田の鉄道公園なんかへ行ったら・・・って勝手に思ってるんですが・・・(笑)


返信する
今週は走ったのかな... (ie)
2009-10-18 20:48:15
こぶらんさま>
>駅舎に佇む姿は最近撮影された写真
これきっと数十年前から変わっていないのでしょうね...。
>セーラー服の女子高生と膝が当たったり
...ですね...どきどきしますよね...。

Guさま>
>単純に阪急2300等と比べて
いえいえ反省だなんて...自分もそう思いましたよ。
同じ昭和20年代中葉でこの違い!
そう思うと阪急などはほんとに古くなりませんね。
>「しまつ」の文化かも
うーん、しまつの文化...それがわからないんですよね...こちらにいると...。

EVEさま>
>昭和40年代の頃にトリップしてしまいました
自分の世代ではキハ10系は引退が終わり
キハ20系の世代交代を迎えた時代でして
キハ10系はほんとのノスタルジーに近いイメージです。
>あの旧車の匂いが伝わってきそう
たぶんご想像されたままのにほひです...(^^;
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しばし余韻に・・・ (EVE)
2009-10-17 18:23:22
いや~ 素敵な写真を見ながら
私もしばし昭和40年代の頃にトリップしてしまいました。
いいですねぇ 白熱灯に狭いクロスシートにバス窓。
そして、あ~ パソコンを通じてあの旧車の匂いが伝わってきそうです。
返信する
「しまつ」する。 (Gu)
2009-10-16 18:36:45
単純に阪急2300等と比べてしまいましたが、「生き物」に近い内燃機関車両の維持は大変なんだろうなぁと、少し反省です。阪堺には80歳くらいのお爺ちゃんも現役ですからねぇ~。
表面的なモノが美しく維持されているか否かは、沿線住民の要求レベルがあると思いますが・・・。
半世紀近く大切に使われているのは、関西独特の「しまつ」の文化かもしれません。

関西シリーズ、まだ続くのでしょか?楽しみです^^;
返信する
こんな列車が走ってるとは (こぶらん)
2009-10-16 16:32:24
駅舎に佇む姿は最近撮影された写真とは思えませんね~。
ダイドーの自販機はPhotoshopで消したい…。

しかし、こんなシートに向かい合って座ったセーラー服の女子高生と膝が当たったりした日にゃ郷愁で泣いちゃうかも。。。
返信する
Unknown (ie)
2009-10-16 01:19:40
ぱとらしゅさま>
はまかぜには4年くらい前に乗ったのですが
電化区間を劇走するのを外から見てみたいです。
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Unknown (ぱとらしゅ)
2009-10-15 23:12:01
朝一番のローカル列車って,寂しいけど
すがすがしい気分になりますね

もし次に関西へ来られるときは
播但線はまかぜにぜひご乗車ください.
来年度末で退役だそうです

まさか,今回乗られました?
返信する

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