BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
読んだ本や見た映画、食べた料理、旅先、育児や日常のことなど、趣味をつらつら語ります

f植物園の巣穴

2009-06-24 17:15:19 | 読書感想文
梨木香歩の新刊を買いました。
植物園で働く主人公が巣穴に落ちてから、
生活がちょっと不思議に変わるお話。
ナマズの神主や、
前世が犬でたまに犬に変わってしまう歯医者の奥さん、
坊という名の河童のような子供など変わったキャラクター(妖怪みたい)が出てきます。
奇妙な巣穴の描写に、昔の思い出が時々フラッシュバックしていく話。
話が淡々としているんだけど、
なんかミステリーっぽい匂いがします。
彼女の小説はあんまりテンポがないのでちょっと読むのに飽きてしまうのに、
最後に行くにつれて核心部分があらわれると、
なぜかどんどん引き込まれていってしまう不思議な作風です。
これも実は巣穴に落ちてからがすべて夢だったという設定なのですが、
最後に現れる人物が予想外でして、
終わってみるとなかなか素敵なハッピーエンドでして、
これは恋愛絡みだったのか、、、とびっくりしました。
夫婦愛みたいな、ちょっと梨木さんにはないものですね。
主人公の男性が家守奇憚に出てくる人みたいです。
植物の用語が多くて、相変わらず日本古来の言葉にはっとしますね。
表紙の植物の描写も素敵。
●f植物園の巣穴 朝日新聞出版 梨木香歩

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。