BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
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RDG~はじめてのお使い

2008-09-10 22:01:53 | 読書感想文
私の好きな作家さんの一人「荻原規子」さんが、最近新刊(新シリーズ)を出版した。
角川書店からである。
角川は初めて。
それもまったく新しいシリーズで。
荻原さんの作品は「西の善き魔女」や日本神話のファンタジーの「勾玉」シリーズが主なんだけど、今回はファンタジーなのだけれど、歴史モノでもなければ、異世界でも外国でもなく、日本の和歌山県の「熊野」が舞台。

熊野といえば世界遺産にもなった熊野古道が有名ですが、
その中のある神社がどうやらモデルみたいです。
巫女だの山伏だの色々出てきて、日本にも古来このような人々がいっぱいいたんだろうなぁと思いをはせてます。
いや、東北の出羽三山の山伏の話が出てきたときは、やはり同じ東北だけあってちょっと反応。たしかに月山周辺は古くから修験道として、山伏がいたっていう話は目にしたことがあるし。

主人公は内気な中学生の女の子で、かなり消極的。神社の子として山奥で生活してるためか、麓に住む同級生の生活にすごい憧れを抱いてて、わからなくもないが、なんて地味で冴えない主人公なのだと。
長い三つ編みにめがね、暗いったらありゃしない。
荻原作品では珍しいなぁと思った。
でもこういう女の子が成長していく話は好きですね。
人間誰も始めっから強くはないですし、色々な経験を経て生きるための強さを身につけるわけで。。。

彼女をよりましにして現れる熊野の姫神というのが、また主人公とえらく正反対な性格、、、とうか一応神なのだから神々しく尊大である。
なんか「ゆららの月」(あれは守護霊だったけど)を思い出してしまった。
また女神を守るために登場する山伏の方々がどちらかといえば面白い。
20代にしか見えない見た目ハリウッドスター並みにかっこいい雪政氏と彼の息子深行。この親子関係が屈折してて面白い。
なた主人公の父親・母親もちょっと変わっていて面白い。
まだシリーズ第一作なので、ストーリーのさわり(登場人物の紹介?)しか書かれてない気がするので、正直あまり面白くはなかったけど、この先は何かもっとどんどん展開して面白くなりそうな予感がする。
これもどんぐらい長い話になるのか、、楽しみだわ。

ところで、RD(レッドデータ)というのは絶滅の危機に瀕した動植物をランク付けして示した本のこと。
この本のタイトルのRDG(レッドデータガール)というのは、主人公がレッドデーターブックにあるような絶滅危惧種であるという意味なのかしら。
話の中で姫神が自分が人の下に乗り移って姿を現すのも、今回(主人公の代)で終わりにする。。。と言ってるからかな。
「はじめてのお使い」っていう副題がまた子供がほんとに買い物を頼まれるようなそんなイメージがあって、読んでてまったく違う意味の「お使い」だったなぁと。

○RDG はじめてのお使い 荻原規子 角川書店