国鉄闘争支援共闘のサイト閲覧をしていたら興味深い投稿がありましたので掲載します。
闘う闘争団の皆さまへ
―JR東海株主総会に郵政トヨタ方式による過労死問題の質問状を用意―
郵政労働者ユニオン東海地方本部 浜松支部支部長
森下 茂
解雇撤回闘争に敬意を表します。私は6月6日、全国単一組織として、新たな一歩を踏み出した郵政ユニオン東海地本の森下といいます。私は6月23日に行われた、JR東海第17回 株主総会に、静岡闘争団の野田さん、国労浜松支部の高部さんを始めとして、10数人の支援共闘の仲間とともに、株主総会 に臨みました。総会で発言できたのは、高部さんだけで株主総会の議長役の葛西社長は12時を過ぎたところで、10人ほど が挙手で発言を求めていたにも拘わらず、社員株主(親衛隊)の怒号の力を借りて、株主の発言権を封じてしまいました。
私が発言しようとした内容について書きます。
昨年の4月に発足した日本郵政公社は、郵政版トヨタ生産方式であるJPS(ジャパンポストシステム)を導入して、2007年民営化に向けて、生産性向上(マル生)に突っ走っています。
JPSを全面開花させる方針は、昨年の4月発足以降、郵政公社の副総裁にトヨタ自動車出身の役員を配置させていることでも明らか です。今回のJR東海株主総会で、次期の取締役候補の中に、トヨタ 出身者が初めて入っていることは、郵政公社と同様に、公共交通の 使命である「安全輸送」を軽視して、金儲け優先に突っ走ることの問題を立てて発言しようと考えました。
以下に発言しようとした原稿を掲載します。原稿の文章で、郵政版トヨタ方式のモデル郵便局になっている埼玉県越谷局の実態(過労死問題)は、ジャーナリストの安田浩一さんが労働情報に書かれた記事を引用させてもらいました。企業主義を克服し、国鉄闘争に勝利するために、共に闘いましょう。
--------------------------------
第2号議案(25ページ~32ページ参照) 取締役19名選任の件を含めて、公共交通としての重要な任務を担っているJR東海に対して、労務管理に突っ走ることによって、公共サービスをないがしろにしないよう意見表明をしていきます。
私は、静岡県浜松市内の郵便局で働いている日本郵政公社の職員です。
昨年の4月、日本郵政公社が発足したと同時に、郵政版トヨタ方式と呼ばれる生産性向上プロジェクト「JPS」(ジャパン/ポスト/システム)が、埼玉県の越谷郵便局を中心に全国14の郵便局をモデル局として導入されました。
そして、今年の4月から全国1000の郵便局へ拡大して全国展開されています。
本年3月5日、郵政公社の高橋副総裁(トヨタ自動車出身)は記者会見で、生産性向上プロジェクトJPSの実施によって、越谷郵便局では20パーセント、全国のモデル局14の郵便局の平均で10.7パーセントの生産性向上を実現したと発表しました。
この高橋副総裁の発言に対して、私の友人は高橋副総裁の発表したJPSの成果の数字は本当だろうか。何を根拠に生産性向上が実現したというのだろうか。
その疑問を解くべき郵政公社に情報公開を求めたところ、開示された資料は不開示の黒塗り部分ばかりが目立つ資料でした。虫食いで開示された情報は、具体的根拠のない数字合わせのための資料といわざるを得ないものでした。
郵政公社がトヨタ方式の成功モデルとして内外にアピールしている埼玉県の越谷郵便局で行われてきた、「ムリ、ムダ、ムラをなくす」と宣伝されたトヨタ方式がもたらしたものは、過重労働と混乱、大幅な残業の増大、そして郵便利用者へのサービス低下でした。越谷郵便局では、トヨタより派遣された社員がストップウォッチを片手に、効率向上の方法を試みましたが、職員からすればトンチンカンなことばかりです。どこに生産性が向上したのでしょうか。
そして、1年2ヶ月が経過し成功モデルであったはずの越谷郵便局で、5月18日、郵便配達を仕事とする職員のAさん(36歳)が、自宅の風呂場で意識を失い同居している母親が、うめき声を出して倒れているAさんを発見しました。母親は、あわてて救急車を呼んで、病院へ搬送しましたが、医師の処置もむなしく危篤状態となりました。その後も懸命の治療が続けられましたが、5月30日の早朝、Aさんは息を引き取りました。死因は脳溢血。医師は「36歳という年齢を考えると、非常に驚いていたといいます。
「Aさんは殺されたんですよ」
そう憤るのは、Aさんをよく知る越谷郵便局の同僚Bさんです。
「犯人は言うまでもありません。苛酷な労働をもたらしたトヨタ方式。そして、ためらいもなくトヨタ方式を推進した郵政公社がAさんを殺したんです」
同僚のBさんによると、トヨタ方式が導入されて以降の1年あまり、Aさんはひどく疲れた表情を見せていたといいます。映画と格闘技が好きなAさんは、休日ともなれば映画館や格闘技観戦に行っていましたが、最近はその気配も無かったそうです。
Aさんの母親にも話を聞いたところ、「近頃は休みの日でも家でゴロゴロするだけで、疲れたを連発していたそうです」
Bさんは、その原因を作ったのが、郵政公社が誇る「トヨタ方式」ではないのかと、いうことです。「Aさんは持病などなかった。毎年の健康診断でも異常は全く発見されたことはなく、なのに・・・、これは完全な過労死です。職員を極限まで追い込んだトヨタ方式がもたらした殺人だと思います」
越谷郵便局では、昨年、トヨタ方式が導入されて以降、腰痛や過労などですでに3人の職員が長期入院になっています。越谷郵便局を支配しているのは、疲労と諦めが交錯する、ヨレヨレの「ムリ、ムラ、ムダ」だけです。
また、越谷郵便局では、地域住民からの「遅配、不着、放置、汚損、棄損」などの苦情が相次いでいます。実際、郵政労働者ユニオンという労働組合が越谷地域で実施したアンケートでは遅配に対する苦情が多く寄せられており、JPSによって「品質/安全」が向上したという郵政公社の宣伝は、とても納得できるものではありません。結局、郵政公社の「JPSは着実に成果あり」という発表は、失敗を隠微し、成果を作り上げる大本営発表以外の何物でもないと言えます。
以上、郵政版トヨタ方式であるJPSの問題について述べてきましたが、JRにおきかえてみた場合、仮にトヨタ方式が導入されたとしたならば、公共交通の根幹である「安全輸送」が危機に陥ると言っても過言ではありません。
利用者・国民の信頼を失い、株式にも悪い影響を与えることは誰が考えても明らかなことだと思います。
今年度のJR東海株主総会の第2号議案 取締役19名選任の件では、32ページ19人目にトヨタ自動車出身の張富士夫さんが入っています。どのような理由で取締役候補者になっているのかをお答えください。
闘う闘争団の皆さまへ
―JR東海株主総会に郵政トヨタ方式による過労死問題の質問状を用意―
郵政労働者ユニオン東海地方本部 浜松支部支部長
森下 茂
解雇撤回闘争に敬意を表します。私は6月6日、全国単一組織として、新たな一歩を踏み出した郵政ユニオン東海地本の森下といいます。私は6月23日に行われた、JR東海第17回 株主総会に、静岡闘争団の野田さん、国労浜松支部の高部さんを始めとして、10数人の支援共闘の仲間とともに、株主総会 に臨みました。総会で発言できたのは、高部さんだけで株主総会の議長役の葛西社長は12時を過ぎたところで、10人ほど が挙手で発言を求めていたにも拘わらず、社員株主(親衛隊)の怒号の力を借りて、株主の発言権を封じてしまいました。
私が発言しようとした内容について書きます。
昨年の4月に発足した日本郵政公社は、郵政版トヨタ生産方式であるJPS(ジャパンポストシステム)を導入して、2007年民営化に向けて、生産性向上(マル生)に突っ走っています。
JPSを全面開花させる方針は、昨年の4月発足以降、郵政公社の副総裁にトヨタ自動車出身の役員を配置させていることでも明らか です。今回のJR東海株主総会で、次期の取締役候補の中に、トヨタ 出身者が初めて入っていることは、郵政公社と同様に、公共交通の 使命である「安全輸送」を軽視して、金儲け優先に突っ走ることの問題を立てて発言しようと考えました。
以下に発言しようとした原稿を掲載します。原稿の文章で、郵政版トヨタ方式のモデル郵便局になっている埼玉県越谷局の実態(過労死問題)は、ジャーナリストの安田浩一さんが労働情報に書かれた記事を引用させてもらいました。企業主義を克服し、国鉄闘争に勝利するために、共に闘いましょう。
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第2号議案(25ページ~32ページ参照) 取締役19名選任の件を含めて、公共交通としての重要な任務を担っているJR東海に対して、労務管理に突っ走ることによって、公共サービスをないがしろにしないよう意見表明をしていきます。
私は、静岡県浜松市内の郵便局で働いている日本郵政公社の職員です。
昨年の4月、日本郵政公社が発足したと同時に、郵政版トヨタ方式と呼ばれる生産性向上プロジェクト「JPS」(ジャパン/ポスト/システム)が、埼玉県の越谷郵便局を中心に全国14の郵便局をモデル局として導入されました。
そして、今年の4月から全国1000の郵便局へ拡大して全国展開されています。
本年3月5日、郵政公社の高橋副総裁(トヨタ自動車出身)は記者会見で、生産性向上プロジェクトJPSの実施によって、越谷郵便局では20パーセント、全国のモデル局14の郵便局の平均で10.7パーセントの生産性向上を実現したと発表しました。
この高橋副総裁の発言に対して、私の友人は高橋副総裁の発表したJPSの成果の数字は本当だろうか。何を根拠に生産性向上が実現したというのだろうか。
その疑問を解くべき郵政公社に情報公開を求めたところ、開示された資料は不開示の黒塗り部分ばかりが目立つ資料でした。虫食いで開示された情報は、具体的根拠のない数字合わせのための資料といわざるを得ないものでした。
郵政公社がトヨタ方式の成功モデルとして内外にアピールしている埼玉県の越谷郵便局で行われてきた、「ムリ、ムダ、ムラをなくす」と宣伝されたトヨタ方式がもたらしたものは、過重労働と混乱、大幅な残業の増大、そして郵便利用者へのサービス低下でした。越谷郵便局では、トヨタより派遣された社員がストップウォッチを片手に、効率向上の方法を試みましたが、職員からすればトンチンカンなことばかりです。どこに生産性が向上したのでしょうか。
そして、1年2ヶ月が経過し成功モデルであったはずの越谷郵便局で、5月18日、郵便配達を仕事とする職員のAさん(36歳)が、自宅の風呂場で意識を失い同居している母親が、うめき声を出して倒れているAさんを発見しました。母親は、あわてて救急車を呼んで、病院へ搬送しましたが、医師の処置もむなしく危篤状態となりました。その後も懸命の治療が続けられましたが、5月30日の早朝、Aさんは息を引き取りました。死因は脳溢血。医師は「36歳という年齢を考えると、非常に驚いていたといいます。
「Aさんは殺されたんですよ」
そう憤るのは、Aさんをよく知る越谷郵便局の同僚Bさんです。
「犯人は言うまでもありません。苛酷な労働をもたらしたトヨタ方式。そして、ためらいもなくトヨタ方式を推進した郵政公社がAさんを殺したんです」
同僚のBさんによると、トヨタ方式が導入されて以降の1年あまり、Aさんはひどく疲れた表情を見せていたといいます。映画と格闘技が好きなAさんは、休日ともなれば映画館や格闘技観戦に行っていましたが、最近はその気配も無かったそうです。
Aさんの母親にも話を聞いたところ、「近頃は休みの日でも家でゴロゴロするだけで、疲れたを連発していたそうです」
Bさんは、その原因を作ったのが、郵政公社が誇る「トヨタ方式」ではないのかと、いうことです。「Aさんは持病などなかった。毎年の健康診断でも異常は全く発見されたことはなく、なのに・・・、これは完全な過労死です。職員を極限まで追い込んだトヨタ方式がもたらした殺人だと思います」
越谷郵便局では、昨年、トヨタ方式が導入されて以降、腰痛や過労などですでに3人の職員が長期入院になっています。越谷郵便局を支配しているのは、疲労と諦めが交錯する、ヨレヨレの「ムリ、ムラ、ムダ」だけです。
また、越谷郵便局では、地域住民からの「遅配、不着、放置、汚損、棄損」などの苦情が相次いでいます。実際、郵政労働者ユニオンという労働組合が越谷地域で実施したアンケートでは遅配に対する苦情が多く寄せられており、JPSによって「品質/安全」が向上したという郵政公社の宣伝は、とても納得できるものではありません。結局、郵政公社の「JPSは着実に成果あり」という発表は、失敗を隠微し、成果を作り上げる大本営発表以外の何物でもないと言えます。
以上、郵政版トヨタ方式であるJPSの問題について述べてきましたが、JRにおきかえてみた場合、仮にトヨタ方式が導入されたとしたならば、公共交通の根幹である「安全輸送」が危機に陥ると言っても過言ではありません。
利用者・国民の信頼を失い、株式にも悪い影響を与えることは誰が考えても明らかなことだと思います。
今年度のJR東海株主総会の第2号議案 取締役19名選任の件では、32ページ19人目にトヨタ自動車出身の張富士夫さんが入っています。どのような理由で取締役候補者になっているのかをお答えください。