ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

青い海 碧い空

2010-03-02 | 南の海
先週、冬将軍が最後?の攻撃に来た頃、沖縄に遊んだ。八重山地方を含めて沖縄にはこれまで何十回と来ているのだが、ゆっくり遊んだ覚えはほとんど無い。いつも仕事で来ていたので、沖縄にはなじみが深いが、観光客が行くようなところに行ったことがほとんど無い。今回はまったく私的にお休みを取り、観光に行った。でも、多くの観光客が訪れる南部戦跡巡りは行かなかった。なぜか?やはり、人々の苦難の歴史を観光気分で見て回るというのが、私には何かきわめて不遜なことのように思えてしまうからだ。また、戦争の傷跡を観光に利用しようというのも、あまり感心しないと思ったこともある。

 もちろん、人が集まるところで、それが観光客であろうがなかろうが、戦争の悲惨さや戦争の無意味さや反戦を説くことの重要性も理解できる。そうでもしなければ戦争の傷跡を歴史を知るためだけに訪れる人はきわめて少ないのだから、観光客にもそれを知ってもらうのは重要なことだというのも理解しているのだが・・・。

 晴れ男の私は、今回も晴れ男ぶりを大いに発揮した。連れ合いも晴れ女なのでどちらのせいかは知らないが、沖縄は晴れ上がっていた。沖縄へ飛ぶ日の午前中まで那覇は雨が降っていた。那覇に住む知人の話だと、それまでほとんど毎日雨ばかりだと嘆いていた。ところが飛行機が那覇空港に着いたときには、雨は上がり、雲間から薄日が射し始めていた。でも、これまで何回も沖縄に来ていた私には信じられないほど寒く、Tシャツで十分だと信じていた私はあわてて長袖のシャツに着替え、それでも寒くて上着を着たほどだった。

 その夜は那覇の知人と一緒に沖縄料理の店に。琉球の晴れ着を着た女性に迎えられ、個室で琉球料理を楽しんだ。もっとも琉球料理と言えば豚肉だらけだが、ご存じ私はヴェジタリアン。「てびち」とか「みみがー」とか、沖縄そばの上に乗っている分厚い豚肉のかたまりなどは見るだけで気持ち悪い。そこは我慢して、私はひたすら「ごーやちゃんぷるー」と「じーまみーどーふ」を食べていた。それでも久しぶり(もっともこの2年間で4度目の沖縄だけど)に沖縄の味に満足した。この店には、三線(さんしん)を抱えた歌い手が個室を一つずつ巡って琉球の歌を披露してくれる。歌の間には軽妙な会話を入れて、実に上手に客を楽しませてくれる。本州からの客と見てまずはよく知られた「安里屋ゆんた」を上手に歌い、私のリクエストで「谷茶前(たんちゃめ)」を歌ってくれた。本物の琉歌を聴きたかったのだが、どんな琉歌があるのか知らないから、リクエストもできなかったのは残念だ。他の部屋で歌っているのもほとんどが「涙そうそう」とか「島唄」と言ったようなものが多かったようだ。琉歌はもう島の人たちにもこのような場所で聞くものではなくなったのだろうか。帰りには玄関先で琉球の着物を着た若い女性たちと記念撮影をして、1分後にできあがった写真をいただき、感激してお店を出た。京都でこれだけのサービスのある店に行けばきっと目玉が飛び出るほど取られるのだろう。でも沖縄ならきわめてリーズナブルな値段で楽しめる。

 翌日からは快晴に恵まれた。沖縄の人もしばらく太陽を見たことがなかったと言って、私の沖縄行きを喜んでくれた。首里城をゆっくり見学。昔訪れたときには朱礼の門以外は何もなかったところに、首里城が復元されて立派な建物が建っていた。昔の琉球王国の王様の住まいが復元されていて、初めて来たらきっと昔からこの建物が残されていたように錯覚するのだろう。もっとも京都に代表される日本の多くの寺社のほとんどは、建立されてから何度も火事で焼失したり戦争で破壊されていたのが再建されているのだ、3年前に再建された首里城の玉殿も、いつか歴史的な建物になっていくだろう。首里城を見たあと、県立博物館でサンゴ礁の展示を見、サンゴ礁保全のための講演会を聞いた。

 それからは、レンタカーで北部へ出かけ、ご存じ「美ら海水族館」を見学し、残波岬の夕日を眺め、海岸の砂浜に座って南国の海を眺めた。どこの観光地へ出かけても、ホテルの駐車場でも、並んでいるのは90%がレンタカーなのに驚いた。沖縄は街中のモノレールができたものの、いまだに車が無ければどこへも行けない。バスも昔に比べると速くなったが便数は減ってしまった。車がなければ生活できない社会になっている。

 最後の日も快晴だった。前の夜にはずいぶん雨が降っていたが出かける頃には雲一つ無い快晴になった。南部の海岸へ行き、海を見ながらのんびり昼食を食べお茶を飲み、人にあまり知られていない砂浜に行き、碧い空、青い海、白い砂を心ゆくまで楽しんだ。仕事がなければ、沖縄は、南国はいいなあ。いや、仕事があっても良いかもしれない。沖縄に住んでみたいと思いながら、関西への飛行機に乗り込んだ。

 明後日から、今度は仕事でベトナムへ行く予定。ベトナムの多くの海岸はマングローブの泥地だから、白い砂浜と青い海という訳にはいかないが、おいしいベトナムコーヒーを飲みながら、人々と難しい話をしてこよう。

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2 コメント

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住めば都 (mmadoka)
2010-03-04 21:50:03
沖縄の青い空と青い海はきれいですよね!
ただ、夏は暑く北海道の人がうらやましくなるようです。
ベトナムに仕事だなんてうらやましいです。。
ホーチミンのミト、カントあたりを小船でぐるぐる回るのも面白かったです。

私の国際交流の会での知人のご主人が比呂志さんの事ご存知で、メルマガを転送したら喜んで頂きました。その方はH大出身で北海道が第2の故郷だそうです。今は、水産試験場ですので、興味のある話題が多かったようで、HPから次回もダウンロードしてみるとの事でした!
世の中狭いかも?
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ありがとうございます (比呂志)
2010-03-04 22:29:33
メルマガ転送、ありがとうございました。世の中、結構狭いのですよ。いろんなところでいろんな人とのつながりがわかってびっくりということがあります。まあ、業界内の話ですが・・・(笑)。

ホーチミンは今回は行きません。また、今回は短期間ですので、あまりあちこちみる余裕はなさそうです。でも、うまく話が進むと今後何回かベトナムへ行く機会ができそうです。楽しみにしています。
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