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ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

京都北山 雨のデビュー

2008-10-26 | 花と自然
京都に来て、ひと月が過ぎた。ようやく落ち着いた生活が送れるようになった。このブログも新しいものに変えて再出発しようかと思っていたが、休止を宣言した後も、それまでと同じくらい多くの人が見てくれているようなので、せっかくこれまでようやく知られるようになってきたものを止めてしまうのももったいない!というわけで、再び変わりなく復活させることにしました。みなさん、これからもよろしく。

 京都に来てからようやく山へ行く時間ができた。こちらへ来るときに、「近畿地方の山ベスト30」という本を持参して、それから行くところを探してみた。昨日、良い天気に誘われて、大原の寂光院と三千院を散歩してきた時に、大原の里の棚田から向こうに見えた北山連山を、まずは手始めに登ってみようと思った。
 今日は朝起きたら、昨日とうって変わって雨。天気予報を見ると午前中は雨、午後から曇りになっている。空を見ると明るくなってきているようなので、歩いているうちに晴れてくるだろうと、勝手な予報にして、バスに乗り込んだ。歩き始めても、降ったり止んだりの天気は変わらない。
 京都北山といえば、北山杉。杉林を歩くのは奥多摩や奥武蔵の低山で慣れているから、まあ、あんなものだろうと思って歩き出した。1時間ほどで最初のピークの金比羅山(575m)にあっけなく到着。でも手元の高度計は955mを指している。どうやら雨に打たれて壊れたらしい。防水でないので、雨の日は使えない。
 京都北山は、京都市のすぐ北側に連なる低山群で、1000mを超える山はない。いささか不満であるが、昔から京都北山の山歩きは知られているので、それなりの得るものがあるのではないかと期待してきた。しかし、天候のせいかもしれないが、同じ杉の人工林でも、奥多摩や奥武蔵の杉山と比べても、京都北山は暗いという印象が強い。なんとなく陰鬱なのだ。奥多摩の杉林はそれでも明るさがあった。北山は、京の都の近くにあるせいか、山の中に神社が多い。しかも立派なお社だ。そのせいか、どうも山の中になにかの気配がするような気がする。魔物が棲んでいる。カラス天狗が飛んでいるかもしれないというような。



 金比羅山を出発してから、雨が本降りになってきた。今日は大原の里に降り立つまで、とうとう雨が降り続いた。何日も掛けて歩く高山の山旅ならいざ知らず、こんな低山でここまで徹底的に雨に降られたのは、初めてのような気がする。京都の山のデビューとしては、最悪の日だった。しかも、金比羅山から翠黛山(577m)へ縦走する途中に道を迷ってしまった。金比羅山は縦走路から少し外れていたので、もとの縦走路へ戻ろうとしたのだが、いくら歩いても見覚えのあるところにたどり着かない。行ったり来たり、登ったり降りたりを繰り返しているうちに、翠黛山への道標を見つけたが、どうも思っていたのと方向が違う。自分が間違っていたのだろうけど、どうも腑に落ちない。そんなことも北山の神秘性を増幅したのかもしれない。
 翠黛山から、焼杉山(718m)に登る。今日の最高峰だが、それでも700mそこそこしかない。山の頂上にも杉の木が並び立っている。焼杉山からの下山路の尾根筋は人工林ではなく天然林があって、なかなかいい尾根筋の道だからぜひ歩くことを勧めるとガイドブックにあったので、ちょっと期待していったのだが、代わり映えのするものでもなかった。奥多摩など関東の低山の広葉樹林とちがって、こちらには常緑樹が多いことが、やはり明るさのない陰鬱な印象を与えるのかもしれない。
 京の北山デビューは、さんざんな結果となった。これから私は雨男になるかもしれない。関西の山歩きがどうも楽しいものになりそうもないことにちょっとショックを受けた。でもまだ一ヶ所だけだから、これからも期待して行ってみよう。次回を楽しみにしたい。