着付けを学ぶようになり、約一年が経とうとしている。
習いたての頃は、
引出しを開けて手にした物を、ザザッと引っぱり出し、
小物は毎回同じ物。
色合わせも何も考えずに持って行ったのだが、
近頃少し欲が出てきたのだろうか。
次のお稽古にはどの着物を持って行こう、
帯はどれを合わせよう。
帯揚げと帯締めは何がいいかしら?
と、前日にあれこれ選ぶのが楽しくなってきた。
お稽古に通っていることは
実家の母にも知らせてあった。
綺麗に着られたかどうかは別として、
とりあえず袋帯は一人で結べるようになったよ。
今度、お母さんにも「コツ」を教えてあげるね。
なんて、浮かれて電話したものだから、
母は相当嬉しかったようだ。
だって、私ったらそれまで着物着るっていう時は、全部母にお任せ。
でくの坊みたいに突っ立ったままで、
巻き付けてもらっていたんだからね。
そんなんだから、
お正月に実家に帰った時、
母がいきなり「これ、持って行って~!」
と、箪笥から引っぱり出してきたのには
「どうしよう・・・・・仕舞うところないわ。」
と、一瞬焦ったが、
そうだ、お稽古の時に着られるじゃない、ラッキー。
と、ちゃっかりもらうことにした。
淡いベージュ色の「あられ小紋」と、
一度も締めたことのない袋帯。
もともと祖母が着ていたのを、母が譲り受けたのだそうだ。
和裁が得意だった祖母は、着物を全て自分で仕立てていた。
私が結婚する時に持たせてもらった着物は、
殆ど祖母が縫ってくれたものだそうだ。
祖母はどんな思いで、
嫁ぐ孫のために一針一針縫ったのだろう。
それなのに、
「箪笥には着物を入れるスペースが少ないから。」
「自分で着られないから、宝の持ち腐れになる。」
など、何やかんや文句を言いった挙げ句の果てに、
「着物はこれ以上要らないってば。」
と、もっと持たせようとした母に釘を刺したような気がする。
若気の至りだな~と深く反省。
実際、嫁して20年というもの、
着物を着る機会は
結婚式やお宮参りくらいで、
袖を通したことは数少なかった。
しつけ糸で綴じたままのものも何枚かある。
でもね、祖母が手縫いしてくれた、というのを聞いてしまっては、
宝の持ち腐れなんかにしちゃだめだ、と思い直した。
着付けの手順も随分覚えて、
帯を締め上げるまで、
だいたい30分くらいで出来るようになった。
裾を合わせ、お端折を整え、衿を合わせる。
絹が擦れる度、祖母の息づかいを感じる。
着付け教室のお仲間にも、
「素敵な着物と帯ねぇ。」と、褒めていただいた。
ありがとうございます。これ、祖母が縫ってくれたものなんです。
誇らしげにそう答える。
おばあちゃん、ごめん。
生きているうちに
着物姿をもっと見せてあげればよかった。
でも、これから練習して
ちょっとしたお出かけの時に、ささっと着ていけるよう頑張るから。
そして、ひ孫のちび姫にも譲れるよう、
もらった着物大切にするからね。
習いたての頃は、
引出しを開けて手にした物を、ザザッと引っぱり出し、
小物は毎回同じ物。
色合わせも何も考えずに持って行ったのだが、
近頃少し欲が出てきたのだろうか。
次のお稽古にはどの着物を持って行こう、
帯はどれを合わせよう。
帯揚げと帯締めは何がいいかしら?
と、前日にあれこれ選ぶのが楽しくなってきた。
お稽古に通っていることは
実家の母にも知らせてあった。
綺麗に着られたかどうかは別として、
とりあえず袋帯は一人で結べるようになったよ。
今度、お母さんにも「コツ」を教えてあげるね。
なんて、浮かれて電話したものだから、
母は相当嬉しかったようだ。
だって、私ったらそれまで着物着るっていう時は、全部母にお任せ。
でくの坊みたいに突っ立ったままで、
巻き付けてもらっていたんだからね。
そんなんだから、
お正月に実家に帰った時、
母がいきなり「これ、持って行って~!」
と、箪笥から引っぱり出してきたのには
「どうしよう・・・・・仕舞うところないわ。」
と、一瞬焦ったが、
そうだ、お稽古の時に着られるじゃない、ラッキー。
と、ちゃっかりもらうことにした。
淡いベージュ色の「あられ小紋」と、
一度も締めたことのない袋帯。
もともと祖母が着ていたのを、母が譲り受けたのだそうだ。
和裁が得意だった祖母は、着物を全て自分で仕立てていた。
私が結婚する時に持たせてもらった着物は、
殆ど祖母が縫ってくれたものだそうだ。
祖母はどんな思いで、
嫁ぐ孫のために一針一針縫ったのだろう。
それなのに、
「箪笥には着物を入れるスペースが少ないから。」
「自分で着られないから、宝の持ち腐れになる。」
など、何やかんや文句を言いった挙げ句の果てに、
「着物はこれ以上要らないってば。」
と、もっと持たせようとした母に釘を刺したような気がする。
若気の至りだな~と深く反省。
実際、嫁して20年というもの、
着物を着る機会は
結婚式やお宮参りくらいで、
袖を通したことは数少なかった。
しつけ糸で綴じたままのものも何枚かある。
でもね、祖母が手縫いしてくれた、というのを聞いてしまっては、
宝の持ち腐れなんかにしちゃだめだ、と思い直した。
着付けの手順も随分覚えて、
帯を締め上げるまで、
だいたい30分くらいで出来るようになった。
裾を合わせ、お端折を整え、衿を合わせる。
絹が擦れる度、祖母の息づかいを感じる。
着付け教室のお仲間にも、
「素敵な着物と帯ねぇ。」と、褒めていただいた。
ありがとうございます。これ、祖母が縫ってくれたものなんです。
誇らしげにそう答える。
おばあちゃん、ごめん。
生きているうちに
着物姿をもっと見せてあげればよかった。
でも、これから練習して
ちょっとしたお出かけの時に、ささっと着ていけるよう頑張るから。
そして、ひ孫のちび姫にも譲れるよう、
もらった着物大切にするからね。