肩の凝らないスローライフ

ようこそtenchanワールドへ。「一日一笑」をモットーに・・・日常生活の小さなことを笑いに変えるtenchanの雑記帳

ある朝突然

2010-05-28 13:02:32 | 自分のこと・思い出
ご無沙汰しておりました。

体調を崩して入院しておりましたが、
先日無事退院致しました。

今まで病気らしい病気を何一つしたことがなかったのに、
40過ぎると人間ガタが来るのでしょうか、
まさか入院することになるとは思いませんでした。
あらためて、健康のありがたみを知った次第です。

お見舞いのコメント、たくさんありがとうございました。
すぐにでもお返事したかったのですが、
会社に来てびっくり!
未処理の仕事が山のように机に積まれておりました。
(事務員は私一人しかいないので致し方ありません・・・・)
まずはそれらを片付けてから、ゆっくりさせていただきたく思いました。

ベトナム記も未だ終わっておりませんが、
ひとまず、
「tenchanの身に一体何が起きたのか?」
を、記事にしてみます。




朝起きたら蜘蛛になっていたのは、カフカの「変身」
人体実験して蝿男に変わったのは、映画「ザ・フライ」

私の場合、朝起きたらら、マツコ・デラックスになっていた。

息が苦しい。声が出ない。
舌が思うように動かせない。
顎がこわばり噛むこともできず、ご飯も食べられない。
喉が異常に渇くので水を飲もうと思っても、噎せて飲めない。
自分でもちょっとこれはマズいと感じた。


耳鼻咽喉科で受診して、ファイバーで喉の状態を診た先生が、
血相を変えて言った。
「すぐに大きい病院に入院してください。」



紹介状を持って総合病院へ向かったが、
そこでも重大な症状だと告げられた。

咽頭浮腫、唾液腺炎、喉頭痛、呼吸困難。
喉が腫れて気管を塞いでしまったのだ。
ファイバーで撮った画像を見せてもらったが、
喉の内部がぶよぶよに腫れて、
気管の入口がもう少しで塞がりそうになっていた。
道理で息苦しいはずだ。

原因は分からない。
一番可能性があるのはムンプスウィルスらしいが、
おたふく風邪は5歳の時にやった記憶がある。
が、体が弱ってると2回罹ることもあるらしい。

すぐに個室に入り、48時間連続の点滴治療が始まった。
抗生物質、ステロイド剤、栄養剤、など、プラスチックの容器が常に2本ぶら下がっていた。
その合間に、CT、レントゲンを撮る。
ドクターは頻繁に症状を見にきてくださった。
誤燕の危険があるため、食事は2日間禁止。水分も丸1日飲まないように言われた。
体がしんどいのでご飯を食べたいとは思わなかったが、
水が飲めないのは辛かった。
うがいで何度も口の中を湿らせた。

実家の両親にも連絡した。
「何か食べられるものは?」
と、気遣ってくれたが、まだ何も食べられないことを知ると、
子ども達に食べさせてやって、と菓子類をいろいろ持ってきてくれた。

点滴を始めた翌朝、早くも効果が現れた。
顔の腫れが若干引いたのだ。
見舞いに来た義母も、良くなったね~と言ってくれた。

それにしても、今回もまた義母に世話をかけてしまった。

診察に出かけてそのまま入院したので、
義母に一旦家に帰ってもらって、必要なものを取ってきてもらった。

義母はとても用意周到な人で、
数年前に病気で入院した時の経験から、
「これからは、いつ何時病院のお世話になるかもしれない。」
と、「入院セット」を押し入れにしまってあるのだ。

今回はその「入院セット」をそのままお借りした。
下着類は私のタンスの中から取りだしてもらった。
↑数日前に出来心を起こし、普段はやらない「引き出しの整理」をしておいたのでよかった~(汗)


入院のことは夫には知らせていなかった。
ちょうど中国に出張すると言っていたから。

出張先ではお客との商談や会食で忙しい。
あちらがホテルでメールを見なければ
連絡の取りようがないのでそのままにしておいた。

点滴に繋がれている最中、夫からメールが入ってきた。

「今、広州に来てる。メシがウマい!」


入院のことを知らないとはいえ、
ナイスなタイミングだ。

「○○病院に入院中」と返しておいた。

3日目の朝、ようやく食事が出た。五分粥、味噌汁、刻み食のおかず。

看護士さんに、
「よく噛んで食べてね~。」
と、言われたが、
噛むそばから喉に消えていく~。

昼はもう少しご飯の固形物が増えていた。おかずは同じく刻み食。
でも、食べられるってなんて幸せなんだろう。

食事が出来るようになってからは、回復は早かった。
顔の腫れも日に日に引いていった。
鎖骨も見えないほどだったのに、
だんだん元のようにシャープになってきた。

抗生剤の点滴を中止してもぶり返すようなことがなければ
退院できるということだった。
当初、1週間くらいの入院予定と言われていたが、
5日目で退院してもいいことになった。

退院の日。
朝食を済ませるとすぐに着替え、荷物をまとめる。

予定の時間に義母が来てくれた。
会計を済ませて外に出る。

「お義母さん、いろいろありがとうございました。
食事の用意や、お弁当も作ってもらってすみません。」

「いいよいいよそんなこと。
それにしても早く治ってよかったね~。」

まだちょっとふらつくので、車の運転は義母にお任せする。

「ね、まだ時間早いから、ちょっと寄り道していこうか。」

ハンドルを握る義母が言った。

「入院中、飲みたい~!って思っているんじゃないかって言ってたんだよ。」

向かった先は珈琲専門店。

「あ~嬉しい♪
実は、退院したら真っ先に行きたいっ!てお願いしようと思っていたんですよ。」

久しぶりのおいしい珈琲とモーニングサービス。

義母の粋な計らいに感激した私だった。