肩の凝らないスローライフ

ようこそtenchanワールドへ。「一日一笑」をモットーに・・・日常生活の小さなことを笑いに変えるtenchanの雑記帳

越南旅行記①暑さとバイクとクラクションの洗礼

2010-05-17 12:32:32 | 旅行
ベトナム旅行中に撮った写真を
夫がオンラインアルバムで送ってくれました。

文章だけで旅行記を書くつもりでしたが、
「百聞は一見にしかず。」
やはりビジュアル的に訴えた方が分かりやすいので
出来る限り写真を取り込んでいこうと思います。


「ベトナムは暑い。今、26℃くらいはあるからね。」
出かける前に夫はそう言って、夏服で来るように伝えた。

岐阜ではまだ、夕方になると寒くて
遠慮がちではあるが、ファンヒーターを点けるくらいなのに。

セントレア空港を出る時はちょっと肌寒く感じた。
向こうに行ってから温度調節できるよう、Tシャツの上にカーディガンを羽織っていたのだが、
タラップを下りた瞬間に、

暑~モワっ~・・・・
とした空気が肌にまとわりついてきた。

何なの何なの、この暑さは。
暑いだけじゃなくて、湿度の高さが半端じゃない。
堪らずカーディガンを脱ぐ。

振り返ると長男次男も「アチー!」と顔をしかめ、
長袖シャツを脱ぎ始めた。
「うわっ、何か、肌にベタつくし!」

ちび姫も背中に汗をかいている。
急いでトイレに行ってTシャツに着替えさせた。

5月でこれだ。
7月、8月になったら、一体どのくらいまで気温が上がるのだろう。

パスポートコントロールを通り過ぎ、出口に向かう。

夫はTシャツ・短パン・サンダルという真夏の格好で出迎えてくれた。
手には大判のタオル。流れ出る汗を拭いている。

ちび姫は真っ先に
「パパー!」
と抱きついていった。


トランクをゴロゴロ押して駐停車場まで行く。
10人乗りの大きなタクシーに荷物をのせてハノイ市内まで向かう。


走り始めてすぐに、夫がこう言った。

「すごいだろ、バイクの数。
こっちはバイクの方が多いからね。
道を走る時は、車とバイクの共存なんだ。」

窓の外を見ると、
タクシーのすぐ脇、スレスレのところにバイクが併走している。



それも一台じゃない。
前にも後ろにも、
私たちの車を取り囲むように何台も走っているのだ。

「鯵の群れの中に鮪が泳いでいるみたいだろ。」


もっと驚くのは、『一人乗り』は殆どいない、ということ。

「こっちは『二人乗り』が当たり前だからね。
『大人4人乗り』っていうのも見かけるよ。」

もう一度、外をよく見てみる。

パパがバイクを運転、
その前に3歳ぐらいの子供が座り、
後ろにはママが座り、
なんとママは生まれたばかりの赤ちゃんを横抱きしているではないか!

そういう『家族乗り』があっちにもこっちにもいる。



パパ、子供、ママ、という組み合わせや
子供、パパ、ママ、
荷物、パパ、子供、ママ、
中には、
子供、パパ、赤ちゃん、ママ、わんこ
っていうのもいた。

前と後ろに子供をのっけて走る日本のママチャリが
完全に負けている。



道路はアスファルトで一応舗装されているが
交通量が多いせいで埃が舞い上がり、空気が非常に悪い。
バイクに乗っている人は、悪い空気を吸い込まないようたいていマスクをしている。
マスクをさせられない赤ちゃんには、白いレースのようなものをかぶせて埃を防いでいる。



夫はさらにこう言った。

「日本で車買って、廃車にするまで鳴らすクラクションの回数を
ベトナムでは1日で鳴らすからね。」

タクシーの運転手は、空港を出てからほぼ一分おきにクラクションを鳴らして走っている。

車だけじゃなく、定員オーバー当然のバイク軍団も
それぞれ鳴らしている。

大騒音だ。


初日はこの交通事情に度肝を抜かれたが、
二日目からは慣れてくる。
そうなると、なにか面白い光景はないかと、
探してしまうのはブロガーの悲しい性か。(笑)


市内ツアーの最中、
窓の外を見ていた長男が突然叫んだ。

「ねえ、あの人、前が見えないのに運転してる!」




す、すごい神業・・・・・
と思いきや、
実はこうなっていました。






反対側車線をふと見ると、なにやら渋滞している。
タクシーがバイクと接触してバイクが倒れたたらしい。




あっというまに野次馬が増え、タクシーを取り囲む。

「降りんか、この野郎!」
周りの群衆がタクシーの車体を叩いている。

バイクの群れに阻まれて身動きが取れないタクシー。
が、一瞬の隙をみて逃げ出した。

「逃がすものか!」
転倒させられた兄ちゃんが走って追いかける。
でも所詮走りでは追いつけない・・・・

「チクショウ~!」
20mくらい走ったが、悔しそうに走るのを諦めた。
と、そこへ救いの手が。
「俺の後ろに乗れ!」
誰かがバイクを止め後部座席に乗るよう顔で指示する。
「ありがとよ!恩に着るぜ。」
兄ちゃんはそれに跨ると、逃走タクシーを追っかけていったのだった。

倒れたままになったバイクはどうするの?
そう思っていたら、
同乗者の彼女が果敢にもバイクを立て直し、
彼を追っかけて走り出したのだった。
(会話文はもちろんtenchanの妄想♪)


一連の出来事を眺めていた次男が、ポツリと言った。

「これはまさしく、国民総暴走族だな。」