ヨブ記41:1 あなたは釣り針で、レビヤタンを釣り上げることができるか。 ※新共同訳は40章25節
全知全能の神は、ご自身の〝能〟の領域についても語られました。ヨブに対しては「あなたはできるのか」と、その能力について問うておられるわけです。
具体的には「ふたつの獣」をあなたは制御できるかと言われます。ひとつは「ベヘモット」です。40章15節から「ベヘモット」という陸上に棲息する巨大怪獣を御(ぎょ)することができるのかと問うておられます。
口語訳も新改訳も「河馬(かば)」と翻訳していますが、今日私たちが知っている河馬ではありません。その尾は杉の木のように垂れていて、肋骨は鉄の棒のようだと言われています(40:17-18)。まるで巨大な草食恐竜のような出で立ちです。ですから河馬ではなくベヘモットと呼ぶべきでしょう。
ヨブよ。そして人間よ。こんなベヘモットを捕獲してその鼻をとらえることができるか。それがおできになるのは、創造主である神だけであると語られました(40:24)。
もうひとつは、海に棲息する巨大怪獣の「レビヤタン」についてです。口語訳は「わに」と翻訳していますが、その程度の獣ではありません。13~17節はワニの屈強な表皮を連想させますが、41章全体で述べられているのは、人間には御することのできない恐ろしい海獣です(41:20-34)。
レビヤタンは詩篇74章14節、同104章26節、イザヤ書27章1節にも言及されていてサタンの象徴として描かれています。そして、そのサタンはダニエル書およびヨハネの黙示録では「獣」として描かれています。
ベヘモットもそうですがレビヤタンも、これら巨大な獣を人間は御(ぎょ)することができないように、人は、獣である悪魔(サタン)を支配することができません。それがおできになるのは神である主だけです。
神に敵対するサタン(悪魔)の働きは世の不条理の原因です。ヨブ記で語られてきたように、善人でありながら苦難を受け、悪人であるのに繁栄するのはサタンの働きです。神の義をゆがめ、人々をして「神がいるならどうして……」と神への不信感を植えつけるのです。
しかし、神はこの獣を支配されます。そればかりか、神はそれを捕らえ、さばき、滅ぼす力をお持ちです。必ずそうなさいます。ただ、ヨブにはその全容が明らかにされていません。人は、御力に満ちた神を信頼し、そのお方を礼拝するのみです。(Ω)
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