とうちゃんのぷらぷら日記

アウトドア系の日記及びうんちく

銀行冬の時代 日本経済新聞社 昭和56年

2018-12-31 10:36:11 | 本、作家
このごろの新聞記事を見ると、昨今の銀行経営の厳しさを物語る記事が連日載っている。

日本銀行の異次元の金融緩和政策は、長期化の様相を呈しており、
世の中にお金がだぶついている。
それにも関わらず、お金を借りようという人は現れず、
タダ同然の金利であっても、銀行は貸出先を見つけることが出来ないでいる。
少し欲を出した素人をたぶらかして、リスクの高い運用資産を買わせ、銀行融資で借りさせる。業績を伸ばすには、そんな苦しまぎれの営業推進しか出来ないでいる。

日本の人口は、年々減少していく局面に入っている。
特に地方における生産年齢人口の減少のスピードはすさまじい。
これから地域金融機関は一層淘汰されていくことだろう。

この本「銀行冬の時代」は私が学生のころに買った本だ。
まだバブル経済の始まる前だが、
当時から銀行は、これから冬の時代になると予言されていた。
あらためて、ぺらぺらと読み返してみるとかなりな部分が予言のとおりになっているので
空恐ろしかった。
当時、10年後の銀行業界がどのようになるかを想定したシナリオが、SFと前置きしながらも大胆に予想されている。
1. 都市銀行は4強のグループに集約される。→現在その通りになっている。
2. 相互銀行は、地銀へ転換するか大手銀行の系列に入り半数強ぐらいの数になる。
(だいたいイメージ通りではないかと思う)
3. 信用金庫は今の461行から260行になる。→調べたら現在261行だった。
 
今は、当時から40年近くが経つが、
大筋で、当たっていた。たいしたものだ。

SFシナリオの中には、A銀行の経営危機という架空のリスクシナリオも描かれている。
それは、国内での銀行間競争の激化から、国内での融資の拡大をあきらめたA銀行が、海外での大型投融資を拡大する。
国内の貸出先は、もともと他行との過当競争から信用力の弱い企業への貸出やリスクの高い融資が多かった。このため、A銀行の貸出先には、不良債権化した案件が増加する。最後は、海外の大型投融資が不良債権化したことが止めとなる。
今、日本の銀行は、国内では稼げないから、海外での資金運用を急激に拡大しているらしい。
なんだかこのシナリオと重なるようで不気味だ。


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